Spiberのバイオスフィア・サーキュレーション プロジェクトにゴールドウインとPANGAIAが参画
[23/06/28]
提供元:PRTIMES
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ゴールドウインと生物圏循環可能な製品を目指した最初のデモプロダクトを製作しました
構造タンパク質素材「Brewed Protein(TM)(ブリュード・プロテイン(TM))」を開発するSpiber株式会社(本社:山形県鶴岡市/取締役兼代表執行役:関山和秀/以下、Spiber)は、循環型の廃棄物ゼロ社会の実現を目指し、衣料や農業の廃棄物を、微生物発酵で新たなタンパク質を生産する際の原料に転換する、バイオスフィア・サーキュレーション(生物圏循環)システムの研究開発を進めています。
そしてこの度、当社の長期的パートナーである株式会社ゴールドウイン(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:渡辺貴生/以下、ゴールドウイン)と欧米に拠点を置くサステナブルファッションブランド PANGAIA(本社:ニューヨーク州ニューヨーク/CEO:Krishna Nikhil/以下、PANGAIA)が同プロジェクトに参画し、ゴールドウインとは、同社協力のもと、微生物が栄養素として分解できるよう設計された際の製品製造における課題を検知することを目的としたデモプロダクトを製作しました。同プロジェクトで試験的にプロダクトが作られるのは、今回が初めてとなります。
[画像: https://prtimes.jp/i/21214/13/resize/d21214-13-85ff860151ea8af94182-0.jpg ]
バイオスフィア・サーキュレーション(生物圏循環)システム
繊維産業は繊維素材のリサイクルという課題に直面しており、廃棄された繊維製品のうち、新たな用途にリサイクルされているのは1%未満と言われています(※1)。それを大きな課題と受け止めている当社は、バイオベース及び生分解性を有する繊維、そしてサトウキビのバガスやトウモロコシの茎葉などの農業廃棄物も含め、ゴミとされてきたものを最大限に資源として活用し、新たにBrewed Protein(TM)素材に再生する循環型エコシステムの実現を目指し、必要な技術の確立、製品設計ガイドラインの作成、インフラ構築等に向け、長期的な開発に取り組んでいます。アパレル繊維製品に使用される様々な種類の繊維、染料、加工用化学薬品を試験し、何が効率的に栄養素に分解できるかの検証等を進めつつ、同システムの長期的な商業化を目指しています。
そしてこの度、私たちのビジョンに賛同いただいたゴールドウインとPANGAIAが、プロジェクトに参画することが決定しました。このコラボレーションは、「取る-作る-使う-捨てる」という直線型モデルから、「取る-作る-使う-再利用する」という循環型モデルへの移行に向け、同システムの研究開発の、そして業界全体での導入の促進を目的としています。各社から、完全循環可能な包括的な製品設計ガイドラインを開発するための各種サポートをいただく予定です。
ゴールドウイン製作のデモプロダクト
今回、同プロジェクト内でゴールドウインと共に製作したプロダクトは、微生物が栄養素として分解可能な条件に基づいて設計され、オーガニックコットン90%、Brewed Protein(TM)繊維10%の割合で配合されており、通常ポリエステルが使用される、タグには全てオーガニックコットンを、縫製糸にはセルロースベースの糸がそれぞれ使用されています。また、商業的に準拠可能な設計にすべく、9月にGoldwinブランドから実際に発売を予定している製品の型が使用されました(9月発売製品は循環型使用ではありません)。
本プロダクト自体の完全な循環性は今後さらに精査していく予定ですが、染料などの加工材料の分解性やセルロースベースにしたときの縫製糸の強度など、解決すべき潜在的課題を検知でき、作成を進める完全循環型の製品ガイドラインの完成に向け、多くの重要な示唆、情報を得ることができました。
また、製品を作るために何が使われたかを詳細に知ることができるという透明性の確保が、循環型社会の実現には不可欠と考え、本プロダクトの製作と合わせ、使用された原材料や素材、加工材料、またサプライチェーン等の詳細な情報にアクセスいただける試験的なウェブページも作成し、製品の袖口にQRコードとして縫い付けています。
本デモプロダクトは、6月26日から28日まで英国ロンドンで開催される、持続可能なソリューションを提供するアパレル素材の見本市「Future Fabrics Expo」内の革新的な素材をフィーチャーした「Innovation Hub」ブースにて展示されます。また、会期中の27日に開催されるパネルディスカッションでは、Spiberのサステナビリティ部門の部門長である東憲児が登壇し、循環型社会実現に向けた課題や取り組みについてお話しさせていただく予定です。
Spiberは今後も、より持続可能な未来を追求すべく、ゴールドウインやPANGAIAなど強力な参画企業のお力添えもいただきながら、素材の作り手として研究開発を推進していくと共に、業界全体で限りある資源を有効に活用し、包括的な循環型モデルとインフラを確立させるべく、プロジェクトの推進と合わせ、より多くのブランド、企業の皆様への参画を呼びかけて参ります。
※1. Ellen MacArthur Foundation, A new textiles economy: Redesigning fashion’s future (2017)
<参考>
Brewed Protein(TM)素材
Spiberが開発するBrewed Protein(TM)素材は、植物由来のバイオマスを原材料に使用した微生物の発酵プロセス
により生産され、様々なアプリケーションへ活用できます。Brewed Protein(TM)ポリマーを紡糸したBrewed Protein(TM)繊維は、シルクのような光沢と繊細さを持つフィラメント糸、さらに上質でなめらかな肌触りのカシミヤや嵩高性に優れたウールのような紡績糸にも加工することができます。同繊維の生産規模が拡大していくと、同社が初期的な注力分野としているアパレル産業向けのテキスタイル用途において、例えば、高級獣毛でありながら、様々な環境リスクを指摘されているカシミヤ繊維と比較した場合には、温室効果ガスの排出量の大幅な縮小と土地や水の使用量の削減が、また、Brewed Protein(TM)素材自体は生分解性を有するため、最終製品の設計によっては石油由来製品によるマイクロプラスチック排出の課題解決への貢献が見込めるなど、従来の動物由来、植物由来、合成素材に代わるソリューションを提供することができる次世代の素材として期待が寄せられています。
Spiber株式会社
構造タンパク質「Brewed Protein(TM)素材」を開発、生産するバイオベンチャー。2007年9月創業。現在、タイ・ラヨン県にて、Spiber初となる量産プラントで Brewed Protein(TM)ポリマーの生産を開始し、段階的に生産量を拡大していく予定です。また米国・アイオワ州にて協業先のADM社と新たに量産体制を構築しており、立ち上げに向け準備を進めております。
Spiberのウェブサイト: https://spiber.inc
Spiber Sustainabilityウェブページ: https://spiber.inc/sustainability/
株式会社ゴールドウイン
1951年、富山県小矢部市にて設立。「スポーツのある豊かな暮らしを築き上げること」を企業理念とし、オリジナルブランド「Goldwin」をはじめ、「ザ・ノース・フェイス」、「ヘリーハンセン」などの高機能スポーツウエアを展開。研究開発から企画、製造、品質、販売までを一貫して管理し、お客様に寄り添った製品とサービスを提供することに努めています。
また長期ビジョンとして気候変動問題の解決を掲げ、環境負荷低減素材への積極的移行を推進し、2030年までに環境負荷低減素材を使用した製品比率を90%以上に引き上げることや、全事業所でのカーボンニュートラル、廃棄物をゼロにして循環型社会を実現することを目指しています。
ゴールドウインのウェブサイト:https://www.goldwin.co.jp
PANGAIA
PANGAIAは、問題解決のための材料科学イノベーションを世界に提供する、目的主導型のレジャー・ライフスタイル企業です。同社は、科学者、技術者、デザイナーなどが一心同体のグローバル集団で、革新的な技術や自然の力を利用したバイオエンジニアリング素材から製品を生み出しています。同社は、製品を作ることが地球にとってより良いものになるようなビジネスモデルをデザインしながら、地球にとってポジティブな未来を目指し加速させることをビジョンに掲げ、科学をベースに目的を持った同社の製品によって、業界の環境問題解決を目指しています。
PANGAIAのウェブサイト:www.pangaia.com
Spiberは、Spiber Inc.の日本およびその他の国における商標または登録商標です。
Brewed Protein(TM)は、Spiber Inc.の日本およびその他の国における商標または登録商標です。
構造タンパク質素材「Brewed Protein(TM)(ブリュード・プロテイン(TM))」を開発するSpiber株式会社(本社:山形県鶴岡市/取締役兼代表執行役:関山和秀/以下、Spiber)は、循環型の廃棄物ゼロ社会の実現を目指し、衣料や農業の廃棄物を、微生物発酵で新たなタンパク質を生産する際の原料に転換する、バイオスフィア・サーキュレーション(生物圏循環)システムの研究開発を進めています。
そしてこの度、当社の長期的パートナーである株式会社ゴールドウイン(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:渡辺貴生/以下、ゴールドウイン)と欧米に拠点を置くサステナブルファッションブランド PANGAIA(本社:ニューヨーク州ニューヨーク/CEO:Krishna Nikhil/以下、PANGAIA)が同プロジェクトに参画し、ゴールドウインとは、同社協力のもと、微生物が栄養素として分解できるよう設計された際の製品製造における課題を検知することを目的としたデモプロダクトを製作しました。同プロジェクトで試験的にプロダクトが作られるのは、今回が初めてとなります。
[画像: https://prtimes.jp/i/21214/13/resize/d21214-13-85ff860151ea8af94182-0.jpg ]
バイオスフィア・サーキュレーション(生物圏循環)システム
繊維産業は繊維素材のリサイクルという課題に直面しており、廃棄された繊維製品のうち、新たな用途にリサイクルされているのは1%未満と言われています(※1)。それを大きな課題と受け止めている当社は、バイオベース及び生分解性を有する繊維、そしてサトウキビのバガスやトウモロコシの茎葉などの農業廃棄物も含め、ゴミとされてきたものを最大限に資源として活用し、新たにBrewed Protein(TM)素材に再生する循環型エコシステムの実現を目指し、必要な技術の確立、製品設計ガイドラインの作成、インフラ構築等に向け、長期的な開発に取り組んでいます。アパレル繊維製品に使用される様々な種類の繊維、染料、加工用化学薬品を試験し、何が効率的に栄養素に分解できるかの検証等を進めつつ、同システムの長期的な商業化を目指しています。
そしてこの度、私たちのビジョンに賛同いただいたゴールドウインとPANGAIAが、プロジェクトに参画することが決定しました。このコラボレーションは、「取る-作る-使う-捨てる」という直線型モデルから、「取る-作る-使う-再利用する」という循環型モデルへの移行に向け、同システムの研究開発の、そして業界全体での導入の促進を目的としています。各社から、完全循環可能な包括的な製品設計ガイドラインを開発するための各種サポートをいただく予定です。
ゴールドウイン製作のデモプロダクト
今回、同プロジェクト内でゴールドウインと共に製作したプロダクトは、微生物が栄養素として分解可能な条件に基づいて設計され、オーガニックコットン90%、Brewed Protein(TM)繊維10%の割合で配合されており、通常ポリエステルが使用される、タグには全てオーガニックコットンを、縫製糸にはセルロースベースの糸がそれぞれ使用されています。また、商業的に準拠可能な設計にすべく、9月にGoldwinブランドから実際に発売を予定している製品の型が使用されました(9月発売製品は循環型使用ではありません)。
本プロダクト自体の完全な循環性は今後さらに精査していく予定ですが、染料などの加工材料の分解性やセルロースベースにしたときの縫製糸の強度など、解決すべき潜在的課題を検知でき、作成を進める完全循環型の製品ガイドラインの完成に向け、多くの重要な示唆、情報を得ることができました。
また、製品を作るために何が使われたかを詳細に知ることができるという透明性の確保が、循環型社会の実現には不可欠と考え、本プロダクトの製作と合わせ、使用された原材料や素材、加工材料、またサプライチェーン等の詳細な情報にアクセスいただける試験的なウェブページも作成し、製品の袖口にQRコードとして縫い付けています。
本デモプロダクトは、6月26日から28日まで英国ロンドンで開催される、持続可能なソリューションを提供するアパレル素材の見本市「Future Fabrics Expo」内の革新的な素材をフィーチャーした「Innovation Hub」ブースにて展示されます。また、会期中の27日に開催されるパネルディスカッションでは、Spiberのサステナビリティ部門の部門長である東憲児が登壇し、循環型社会実現に向けた課題や取り組みについてお話しさせていただく予定です。
Spiberは今後も、より持続可能な未来を追求すべく、ゴールドウインやPANGAIAなど強力な参画企業のお力添えもいただきながら、素材の作り手として研究開発を推進していくと共に、業界全体で限りある資源を有効に活用し、包括的な循環型モデルとインフラを確立させるべく、プロジェクトの推進と合わせ、より多くのブランド、企業の皆様への参画を呼びかけて参ります。
※1. Ellen MacArthur Foundation, A new textiles economy: Redesigning fashion’s future (2017)
<参考>
Brewed Protein(TM)素材
Spiberが開発するBrewed Protein(TM)素材は、植物由来のバイオマスを原材料に使用した微生物の発酵プロセス
により生産され、様々なアプリケーションへ活用できます。Brewed Protein(TM)ポリマーを紡糸したBrewed Protein(TM)繊維は、シルクのような光沢と繊細さを持つフィラメント糸、さらに上質でなめらかな肌触りのカシミヤや嵩高性に優れたウールのような紡績糸にも加工することができます。同繊維の生産規模が拡大していくと、同社が初期的な注力分野としているアパレル産業向けのテキスタイル用途において、例えば、高級獣毛でありながら、様々な環境リスクを指摘されているカシミヤ繊維と比較した場合には、温室効果ガスの排出量の大幅な縮小と土地や水の使用量の削減が、また、Brewed Protein(TM)素材自体は生分解性を有するため、最終製品の設計によっては石油由来製品によるマイクロプラスチック排出の課題解決への貢献が見込めるなど、従来の動物由来、植物由来、合成素材に代わるソリューションを提供することができる次世代の素材として期待が寄せられています。
Spiber株式会社
構造タンパク質「Brewed Protein(TM)素材」を開発、生産するバイオベンチャー。2007年9月創業。現在、タイ・ラヨン県にて、Spiber初となる量産プラントで Brewed Protein(TM)ポリマーの生産を開始し、段階的に生産量を拡大していく予定です。また米国・アイオワ州にて協業先のADM社と新たに量産体制を構築しており、立ち上げに向け準備を進めております。
Spiberのウェブサイト: https://spiber.inc
Spiber Sustainabilityウェブページ: https://spiber.inc/sustainability/
株式会社ゴールドウイン
1951年、富山県小矢部市にて設立。「スポーツのある豊かな暮らしを築き上げること」を企業理念とし、オリジナルブランド「Goldwin」をはじめ、「ザ・ノース・フェイス」、「ヘリーハンセン」などの高機能スポーツウエアを展開。研究開発から企画、製造、品質、販売までを一貫して管理し、お客様に寄り添った製品とサービスを提供することに努めています。
また長期ビジョンとして気候変動問題の解決を掲げ、環境負荷低減素材への積極的移行を推進し、2030年までに環境負荷低減素材を使用した製品比率を90%以上に引き上げることや、全事業所でのカーボンニュートラル、廃棄物をゼロにして循環型社会を実現することを目指しています。
ゴールドウインのウェブサイト:https://www.goldwin.co.jp
PANGAIA
PANGAIAは、問題解決のための材料科学イノベーションを世界に提供する、目的主導型のレジャー・ライフスタイル企業です。同社は、科学者、技術者、デザイナーなどが一心同体のグローバル集団で、革新的な技術や自然の力を利用したバイオエンジニアリング素材から製品を生み出しています。同社は、製品を作ることが地球にとってより良いものになるようなビジネスモデルをデザインしながら、地球にとってポジティブな未来を目指し加速させることをビジョンに掲げ、科学をベースに目的を持った同社の製品によって、業界の環境問題解決を目指しています。
PANGAIAのウェブサイト:www.pangaia.com
Spiberは、Spiber Inc.の日本およびその他の国における商標または登録商標です。
Brewed Protein(TM)は、Spiber Inc.の日本およびその他の国における商標または登録商標です。