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アストロスケール、英国宇宙庁による軌道上衛星2機の除去研究プログラムに選定

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去サービスを含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田 光信、以下「アストロスケール」)は、低軌道上の非協力物体2機の除去研究を検討する、英国宇宙庁(UKSA)のプログラムに選定されたことを発表いたします。ドバイで開催中の国際宇宙会議(IAC)にて、本日英国宇宙庁が発表した、この既存デブリ除去(Active Debris Removal、以下「ADR」)研究プログラムのフェーズ0-Aは、英国政府が2025年までに達成を目指す大規模ADRミッションを主導する土台となるものです。




本研究プログラムは「COSMIC(コズミック、Cleaning Outer Space Mission through Innovative Captureの略)」と呼ばれ、アストロスケールは、衛星2機の捕獲を目指すこのADRミッションを主導します。同研究には、今年8月25日に軌道上での模擬デブリ(クライアント)捕獲に成功した、民間世界初のデブリ除去技術実証衛星「ELSA-d(エルサディー、End-of-Life Services by Astroscale – demonstrationの略)」ミッションで培った当社の捕獲技術や軌道上での機能を活用します。このELSA-dにおいては、現在、捕獲機(サービサー)の自律制御機能を用いた「非回転状態のクライアントの捕獲」や「回転状態のクライアントの捕獲」と難易度を上げた実証に向け準備を進めています。

また並行して、アストロスケールは欧州宇宙機関(ESA)の通信システム先端研究「Sunrise(サンライズ)」プログラムを通じて、軌道上で役目を終えた複数の人工衛星が除去対象となるELSA-M(エルサ・エム、End-of-Life Services by Astroscale – Multi clientの略)」の開発に、OneWebと協力して取り組んでいます。軌道上実証として、OneWebの衛星を捕獲対象にELSA-Mの捕獲機能を試験する計画が進行中です。

アストロスケール創業者兼CEOの岡田光信は、以下のように述べています。
「当社と英国宇宙庁には、デブリを除去し、経済・環境の両側面で持続可能な宇宙の未来を確保するという共通の展望があります。ELSA-dおよびELSA-M捕獲機での開発経験を有するアストロスケールの高度な技術によって、英国政府が取り組む画期的なADRミッションを支援します。」

イギリスの国会議員で、ビジネス・エネルギー・産業戦略省のジョージ・フリーマン科学研究革新大臣は、以下のように述べています。
「衛星測位システムから気象学まで、日常生活のさまざまな面で人工衛星に依存するようになっており、宇宙技術の分野は英国経済にとってますます価値のあるものになっています。英国の国家宇宙戦略は、この繁栄する宇宙分野に対するビジョンを示すもので、デブリ除去のリード等を含め、イノベーションの限界を超える取組みを後押ししています。これらの新たな取組みにより、長い間見過ごされてきた軌道保全への動きが推進されるでしょう。また、衛星運用者による通信サービスや気候変動の状況把握等、安全で必要不可欠なサービスを提供することが可能となります。」

アストロスケール英国社長のジョン・アーバンは、以下のように述べています。
「私たちは、日常生活のあらゆる面で宇宙の恩恵を受けています。しかし、日常の衛星通信を脅かす危険なデブリの除去には、英国での軌道上サービス市場の躍進が欠かせません。このミッションへの投資は、宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティ)における英国の世界的リーダーシップの確立を意味し、宇宙産業における軌道上の機能、雇用創出、投資機会への貢献が可能となります。アストロスケールはこの研究プログラムを通じ、ミッションに最適な捕獲ソリューションを提案します。」

アストロスケールは、広範なシステムエンジニアリング、航法誘導制御(GNC)、ミッション管制、そして地上セグメントの専門知識を持ち合わせています。また、ロボット工学および衛星システムのパイオニアとして知られる、MDA社(本社:カナダ)と提携し、同社の知見も活用します。

MDA英国社長のデビッド・ケニヨン氏は、以下のように述べています。
「この取組みに参加し、アストロスケールチームの皆さまと協力できることを大変嬉しく思います。この研究にて、MDAは、世界を牽引するカナダ発の宇宙ロボット工学の実績と知見を活かし、成長市場である、軌道上サービスにおける英国事業のさらなる拡大を見込んでいます。」

本研究プログラムのパートナーであり、推進系の分野でリーダーとして知られるタレス・アレーニア・スペース(Thales Alenia Space、以下、TAS)社は、本ミッション研究において、燃料補給など、軌道上での改修面や推進系システムに注力するほか、捕獲機の組立・試験・検証等も支援します。

TAS英国のアンドリュー・スタニランドCEOは、次のように述べています。
「効率的な推進システムと軌道上での燃料補給の能力は、軌道上サービス事業の実現にとって不可欠です。アストロスケールとTASは、英国の宇宙産業の成功に向けて取り組んでおり、すでにこの分野のリーダーとして認められています。アストロスケールのこの国家軌道上サービスの取組みをサポートできることを大変嬉しく思います。」

また、アストロスケールで欧州における将来の事業計画策定の責任者であるジェイソン・フォーショーは、以下のように述べています。
「英国のADRミッションを視野とする研究プログラムへの参加を大変嬉しく思います。数年の間に、最先端の衛星ELSA-Mにて複数のデブリを除去する予定です。プロジェクトのパートナーであるTAS、MDA、ノーザン・スペース・アンド・セキュリティ(Northern Space & Security)とともに、英国を拠点とする強力なサプライチェーンを構築し、世界レベルのADRミッションの開発が可能となると考えています。」

COSMICの運用構想(ミッションConOps)
COSMICでは、本ミッション向けにELSA-Mのサービサーを仕様変更し、クライアントである非協力物体に接近・捕獲したのち、軌道離脱。そして最終的に大気圏に再突入させることで燃え尽きさせます。続いて、サービサーは元の高度にまで戻り、2つ目のクライアントに対しこのプロセスを繰り返します。また、このミッションは軌道上での修復作業も想定して設計されており、宇宙空間上で宇宙状況把握(ISSA※1)の実証も行います。
[画像: https://prtimes.jp/i/67481/18/resize/d67481-18-82e2aff8534e8613ae5d-0.png ]


アストロスケール について
アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承する為、スペースデブリ(宇宙ごみ)除去サービスの開発に取り組む世界初の民間企業です。 2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、今後打ち上がる人工衛星が寿命を迎えたり恒久故障の際に除去を行うEOL※2、既存デブリを除去する為のADR※3、宇宙空間上での宇宙状況把握、稼働衛星の寿命延長(LEX※4)など軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきました。また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指す為、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、宇宙政策やベストプラクティスの策定に努めています。
本社・R&D 拠点の日本をはじめ、シンガポール、英国、米国、イスラエルとグローバルに事業を展開しています。
アストロスケール本社ウェブサイトはこちら: http://astroscale.com
軌道上サービス管制センターの様子(動画):https://www.youtube.com/watch?v=OzISoG-AjbM

※1 ISSA:In Situ Space Situational Awarenessの略称
※2 EOL:End-of-Lifeの略称
※3 ADR:Active Debris Removalの略称
※4 LEX:Life Extensionの略称
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