WWF「企業の温暖化対策ランキング」第8弾『運輸業』
[18/10/10]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
SBT承認企業を含め、長期的ビジョンやバリューチェーンの取組みに課題
1. 運輸業31社(陸運、海運、空運、倉庫・運輸)の温暖化対策の取組みを21の指標で評価・比較
2. 海運は長期的ビジョンを持ち、陸運、空運よりも相対的に高スコア。だが、運輸業全体は平均レベル
3. 業種柄『バリューチェーン』の意識が希薄で、上流・下流も含めて削減に取組む企業は少ない
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は、「企業の温暖化対策ランキング」プロジェクトにおける報告の第8弾として、本日、『運輸業』に当たる日本企業31社の調査結果を発表しました。評価においては、取組みの実効性を最大限に重視しています。
業界全体としては、総合得点は、過去に実施した7業種と比較して、45.8点と平均的なレベルとなりました(平均点は各々電気機器48.7点、輸送用機器46.7点、食料品44.8点、小売業・卸売業34.1点、金融・保険業34.9点、建設業・不動産業47.2点、医薬品54.4点)。
ただし、「長期的なビジョン」、「再生可能エネルギー目標」という柱になる項目は、全体的に取組レベルが低く、後者については全ての企業が無得点となりました。
総合点は、川崎汽船が第1位となり、以下東日本旅客鉄道、小田急電鉄と続きました。川崎汽船は情報開示の評点(50点満点)においては48.6点とほぼ満点を獲得し、2位以下に差をつけました。
また、2050年に向けた長期の視点をもち、GHG排出削減目標を掲げています。ただし、目標設定は原単位にとどまり、総量による削減管理を行っていないため、2位東日本旅客鉄道、3位小田急電鉄が満点を獲得した「GHG総量目標の難易度」の項目では無得点となっています。
業種内では、海運業が陸運業、空運業と比較して相対的に取組みレベルが高いことがわかりました。第3者検証による開示データの信頼性向上の指標は満点となり、ライフサイクル全体での排出量把握・開示、省エネルギー目標でも比較的得点が高いためです。
長期的なビジョンにおいても得点を伸ばしましたが、先述のように原単位での目標設定であるため、「GHG総量目標の難易度」は、海運業はいずれも無得点となり、改善の必要性があります。
海運業の川崎汽船、日本郵船は、パリ協定と整合した削減目標の策定を呼び掛ける国際イニシアティブ 「Science Based Targets」(以下、SBT)に取組んでいますが、SBTの方法論も最新の国際動向などを踏まえ常にアップデートされており、今後は両社も原単位ではなく総量削減目標に切り替えることが期待されます。
陸運業では総量削減目標を持つ企業が多数ありましたが、その半数は東京都などが条例で定める総量削減義務への対応であり、自治体の政策が企業の目標策定を後押しする好事例となっています。
パリ協定は世界の平均気温の上昇を2度未満に抑えることを目指しています。「2度未満」に向け、企業にも長期的視点に立った実効性のある取組みが、一層求められる時代を迎えています。
このところ、SBTに承認されたり、再生可能エネルギーの利用率100%を目指す「RE100」に参加する企業が増えたりし、日本企業の取組みに注目が集まっています。
ただし、SBTに取組む企業は承認取得をゴールにすることなく、国際社会の動きと整合した野心的な目標となるよう、常にレビューと改善を行っていくことなどがESG(環境、社会、ガバナンス)の観点からも重要であるともいえます。
[画像: https://prtimes.jp/i/18383/43/resize/d18383-43-680502-0.jpg ]
WWFジャパンは今後も各産業分野について評価を進め、その結果を発表して、企業の取組みを促していきます。
■『企業の温暖化対策ランキング』〜実効性を重視した取り組み評価〜 Vol.8『運輸業』編
https://www.wwf.or.jp/activities/data/20181005_global-warming01.pdf
1. 運輸業31社(陸運、海運、空運、倉庫・運輸)の温暖化対策の取組みを21の指標で評価・比較
2. 海運は長期的ビジョンを持ち、陸運、空運よりも相対的に高スコア。だが、運輸業全体は平均レベル
3. 業種柄『バリューチェーン』の意識が希薄で、上流・下流も含めて削減に取組む企業は少ない
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は、「企業の温暖化対策ランキング」プロジェクトにおける報告の第8弾として、本日、『運輸業』に当たる日本企業31社の調査結果を発表しました。評価においては、取組みの実効性を最大限に重視しています。
業界全体としては、総合得点は、過去に実施した7業種と比較して、45.8点と平均的なレベルとなりました(平均点は各々電気機器48.7点、輸送用機器46.7点、食料品44.8点、小売業・卸売業34.1点、金融・保険業34.9点、建設業・不動産業47.2点、医薬品54.4点)。
ただし、「長期的なビジョン」、「再生可能エネルギー目標」という柱になる項目は、全体的に取組レベルが低く、後者については全ての企業が無得点となりました。
総合点は、川崎汽船が第1位となり、以下東日本旅客鉄道、小田急電鉄と続きました。川崎汽船は情報開示の評点(50点満点)においては48.6点とほぼ満点を獲得し、2位以下に差をつけました。
また、2050年に向けた長期の視点をもち、GHG排出削減目標を掲げています。ただし、目標設定は原単位にとどまり、総量による削減管理を行っていないため、2位東日本旅客鉄道、3位小田急電鉄が満点を獲得した「GHG総量目標の難易度」の項目では無得点となっています。
業種内では、海運業が陸運業、空運業と比較して相対的に取組みレベルが高いことがわかりました。第3者検証による開示データの信頼性向上の指標は満点となり、ライフサイクル全体での排出量把握・開示、省エネルギー目標でも比較的得点が高いためです。
長期的なビジョンにおいても得点を伸ばしましたが、先述のように原単位での目標設定であるため、「GHG総量目標の難易度」は、海運業はいずれも無得点となり、改善の必要性があります。
海運業の川崎汽船、日本郵船は、パリ協定と整合した削減目標の策定を呼び掛ける国際イニシアティブ 「Science Based Targets」(以下、SBT)に取組んでいますが、SBTの方法論も最新の国際動向などを踏まえ常にアップデートされており、今後は両社も原単位ではなく総量削減目標に切り替えることが期待されます。
陸運業では総量削減目標を持つ企業が多数ありましたが、その半数は東京都などが条例で定める総量削減義務への対応であり、自治体の政策が企業の目標策定を後押しする好事例となっています。
パリ協定は世界の平均気温の上昇を2度未満に抑えることを目指しています。「2度未満」に向け、企業にも長期的視点に立った実効性のある取組みが、一層求められる時代を迎えています。
このところ、SBTに承認されたり、再生可能エネルギーの利用率100%を目指す「RE100」に参加する企業が増えたりし、日本企業の取組みに注目が集まっています。
ただし、SBTに取組む企業は承認取得をゴールにすることなく、国際社会の動きと整合した野心的な目標となるよう、常にレビューと改善を行っていくことなどがESG(環境、社会、ガバナンス)の観点からも重要であるともいえます。
[画像: https://prtimes.jp/i/18383/43/resize/d18383-43-680502-0.jpg ]
WWFジャパンは今後も各産業分野について評価を進め、その結果を発表して、企業の取組みを促していきます。
■『企業の温暖化対策ランキング』〜実効性を重視した取り組み評価〜 Vol.8『運輸業』編
https://www.wwf.or.jp/activities/data/20181005_global-warming01.pdf