常識が変わる 人生100年時代の「新・シニア像」
[19/07/18]
提供元:PRTIMES
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- シニア女性のコミュニティ調査から見えてきたキーワード -
株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント(所在地:東京都新宿区、代表取締役:松田 武久)は、2012年12月から、シニアのリアルな姿を知ることを目的に、自然な会話を聞く企画を毎月実施しており、2019年6月13日に累計100回目を迎えました。100回分の会話を振返り、見えてきた3つのキーワードを発表します。
この企画は「iDOBATA KAIGI」と題し、多面的な視点から、より深いインサイトを獲得することを目的に運営しています。毎回65〜74歳の女性5名に集まっていただき、お茶を飲みながら、リラックスした雰囲気の中で、さまざまな話題で2時間ほど自由にお話しいただいています。一度限りのグループインタビューではなく、同じ参加者を集めて継続的に実施しているため、コミュニティが構築され、日常を切りとったような何気ない会話が可能になり、参加者のホンネを引き出すことができます。
企業様に“気づきの場”として無料見学をしていただいており、100回の開催で延べ610社978名の方にご参加いただきました。
■調査から見えてきた3つのキーワード
自分たちはシニアじゃない
iDOBATA KAIGIの参加メンバーの会話では、より高齢の80代の方や親世代のことを「シニアの人は・・・」と表現することが頻繁にあります。本音では、本人はシニアとしての自覚がないことの表れであるようです。また、女子力も高く、スイーツや化粧品など世の中の流行をキャッチしており、意識や行動では50代とそれほど変わりはないと思われます。
「健康」とは“老い”と向き合い現状を維持すること
シニアの健康意識は高いものの、若い世代の考える健康とは少しニュアンスに違いがあります。「昨日出来たことが今日は何だかんだ調子が悪い」、「年々鈍くなってきた」、「医者に相談してもどこも悪くない」など、シニアにとっては、 “老い”と向きあい、「現状を維持」することが「健康」であるという印象があります。そのため、今の状態を保ちつつ、今よりどう生き生きと明るく生活できるかが重要になっています。
夫とは近づき過ぎず、遠ざけ過ぎず
「孫が一番」というシニアがいる一方で、「孫は3日で疲れる」、「孫との付き合いは交際費」などとドライなシニアもいます。都会のシニアの特徴でもあるかもしれませんが、「お隣との付き合いはありません」、「夫と一緒にいるのは朝と夕食だけ」といったようにマンションの隣近所や夫婦の関係においても程よい距離感を保っているようです。薄情ということでも、広く浅くということでもなく、一人に深入りすることのない、ストレスのない人間関係を維持しているようです。
■R&D's View
令和時代のシニア像とは
現在の60歳以上の方は、年功序列や適齢期、一億総中流といった“古き良き”日本的ロールモデルを体験した最後の人たちではないでしょうか。未だにシニア像は“古き良き”から変化していませんが、「アクティブシニア」に象徴されるように、現実のシニアは、弱者としての高齢者ではなく、自立したシニアへと変化しました。年金や医療といった制度や仕組みに大きな変化がない一方で、シニアの意識の面では、ステレオタイプのシニア像を覆してきたと言えます。
■コミュニティマネージャー(堀 好伸)からの提言
人生100年時代「シニア」の再定義
「人生100年の時代」がキーワードになっています。このように長生きをする人生を誰もが予想しなかったのではないでしょうか。
2017年に政府は「人生100年時代構想会議」を立ち上げ、長寿時代にふさわしい生き方についての提言を試みていますが、悠々自適とはいかず、行く先に不安を持ちながら生きていくことを想像する人が多いのではないでしょうか。
私がシニアのリアルなコミュニティ「iDOBATA KAIGI」の運営をはじめた2012年は、2007年に続く団塊の世代の大量退職を迎える年で、第2次シニアブームが到来し、市場では高齢者需要(老人=弱者)に代わり「アクティブシニア」という存在が注目され始めた時期でした。シニアに対する定義は、この頃から変化しています。
「シニア扱い」「“若くあれ”の押しつけ」を拒むシニアたち
「人生100年時代構想」は、もしかすると超高齢社会を乗り越えるための都合のよい国の施策かもしれません。しかし、それに対し苛立とうと、私たちが長生きするという事実は変わりません。これからは「長生きを覚悟する」時代です。「いつからシニア」という定義自体も、今後の社会ではナンセンスなのかもしれません。定年に象徴される「年齢差別」をなくすことが必要です。iDOBATA KAIGIのメンバーもシニアである以前に、いつまでも女性なのです。
シニアは老化を最も恐れていますが、シニア向け商品の多くは老化に対する「恐怖心」を煽ったり、「無理な若さ」を押しつけたりすることによって、当事者のシニアに拒否反応を起こさせ、あえて避けられているところがあるのではないでしょうか。
「人生100年時代」に大切なことは、世代間格差なく、全ての世代がアクティブな生活を送ることのできる社会を実現することです。様々な人たちが、それぞれにとってのアクティブな生活をする社会が「人生100年時代」の希望につながっていくのではないでしょうか。
■コミュニティマネージャー 堀 好伸 紹介
[画像1: https://prtimes.jp/i/11405/65/resize/d11405-65-200455-1.png ]
【プロフィール】
日々の生活者との対話から共創コミュニティのデザイン・運営や、企業の戦略マーケティング業務に携わる。
著書に「若者はなぜモノを買わないのか-シミュレーション消費という落とし穴」(青春出版社)。
※参考データ
(図1) 何才をシニアだと思うか (株)リサーチ・アンド・ディベロプメント調査結果
(図2) 2010/2040年の都道府県別高齢者人口 総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」より作成
※iDOBATA KAIGIメンバーは首都圏シニアですが、今後ボリュームが増えるのは都会のシニアです。(図2)
※今回ご紹介している「iDOBATA KAIGI」の詳細は、弊社ホームページ https://www.rad.co.jp/service/idobatakaigi/ をご覧ください。
無料見学会のお申込みは随時承っております。
■参考データグラフ
[画像2: https://prtimes.jp/i/11405/65/resize/d11405-65-387031-2.png ]
[画像3: https://prtimes.jp/i/11405/65/resize/d11405-65-854150-3.png ]
■調査設計■
調査目的 : 65〜74歳女性の暮らしの実態把握
調査手法 : コミュニティ・ソリューション・アプローチ(コミュニティの運営)
調査対象者: 首都圏在住の65〜74才女性
サンプル数: 登録メンバー20名 インタビューにはその中から毎回5名参加
調査実施日: 2012年12月から毎月1回〜2回のペースで実施
※iDOBATA KAIGIは、株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントの登録商標です。
■会社概要■
会社名: 株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント
所在地: 〒163-1424 東京都新宿区西新宿3-20-2
代表者: 代表取締役社長 松田 武久
資本金: 30,000千円
設立 : 1968年1月17日
URL: https://www.rad.co.jp
事業内容:マーケティング・リサーチの企画設計、実施及びコンサルテーション
経営・マーケティング活動の評価及びコンサルテーション
≪引用・転載時のクレジット表記のお願い≫
本リリースの引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。
<例>「(株)リサーチ・アンド・ディベロプメントが実施した調査によると・・・」
株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント(所在地:東京都新宿区、代表取締役:松田 武久)は、2012年12月から、シニアのリアルな姿を知ることを目的に、自然な会話を聞く企画を毎月実施しており、2019年6月13日に累計100回目を迎えました。100回分の会話を振返り、見えてきた3つのキーワードを発表します。
この企画は「iDOBATA KAIGI」と題し、多面的な視点から、より深いインサイトを獲得することを目的に運営しています。毎回65〜74歳の女性5名に集まっていただき、お茶を飲みながら、リラックスした雰囲気の中で、さまざまな話題で2時間ほど自由にお話しいただいています。一度限りのグループインタビューではなく、同じ参加者を集めて継続的に実施しているため、コミュニティが構築され、日常を切りとったような何気ない会話が可能になり、参加者のホンネを引き出すことができます。
企業様に“気づきの場”として無料見学をしていただいており、100回の開催で延べ610社978名の方にご参加いただきました。
■調査から見えてきた3つのキーワード
自分たちはシニアじゃない
iDOBATA KAIGIの参加メンバーの会話では、より高齢の80代の方や親世代のことを「シニアの人は・・・」と表現することが頻繁にあります。本音では、本人はシニアとしての自覚がないことの表れであるようです。また、女子力も高く、スイーツや化粧品など世の中の流行をキャッチしており、意識や行動では50代とそれほど変わりはないと思われます。
「健康」とは“老い”と向き合い現状を維持すること
シニアの健康意識は高いものの、若い世代の考える健康とは少しニュアンスに違いがあります。「昨日出来たことが今日は何だかんだ調子が悪い」、「年々鈍くなってきた」、「医者に相談してもどこも悪くない」など、シニアにとっては、 “老い”と向きあい、「現状を維持」することが「健康」であるという印象があります。そのため、今の状態を保ちつつ、今よりどう生き生きと明るく生活できるかが重要になっています。
夫とは近づき過ぎず、遠ざけ過ぎず
「孫が一番」というシニアがいる一方で、「孫は3日で疲れる」、「孫との付き合いは交際費」などとドライなシニアもいます。都会のシニアの特徴でもあるかもしれませんが、「お隣との付き合いはありません」、「夫と一緒にいるのは朝と夕食だけ」といったようにマンションの隣近所や夫婦の関係においても程よい距離感を保っているようです。薄情ということでも、広く浅くということでもなく、一人に深入りすることのない、ストレスのない人間関係を維持しているようです。
■R&D's View
令和時代のシニア像とは
現在の60歳以上の方は、年功序列や適齢期、一億総中流といった“古き良き”日本的ロールモデルを体験した最後の人たちではないでしょうか。未だにシニア像は“古き良き”から変化していませんが、「アクティブシニア」に象徴されるように、現実のシニアは、弱者としての高齢者ではなく、自立したシニアへと変化しました。年金や医療といった制度や仕組みに大きな変化がない一方で、シニアの意識の面では、ステレオタイプのシニア像を覆してきたと言えます。
■コミュニティマネージャー(堀 好伸)からの提言
人生100年時代「シニア」の再定義
「人生100年の時代」がキーワードになっています。このように長生きをする人生を誰もが予想しなかったのではないでしょうか。
2017年に政府は「人生100年時代構想会議」を立ち上げ、長寿時代にふさわしい生き方についての提言を試みていますが、悠々自適とはいかず、行く先に不安を持ちながら生きていくことを想像する人が多いのではないでしょうか。
私がシニアのリアルなコミュニティ「iDOBATA KAIGI」の運営をはじめた2012年は、2007年に続く団塊の世代の大量退職を迎える年で、第2次シニアブームが到来し、市場では高齢者需要(老人=弱者)に代わり「アクティブシニア」という存在が注目され始めた時期でした。シニアに対する定義は、この頃から変化しています。
「シニア扱い」「“若くあれ”の押しつけ」を拒むシニアたち
「人生100年時代構想」は、もしかすると超高齢社会を乗り越えるための都合のよい国の施策かもしれません。しかし、それに対し苛立とうと、私たちが長生きするという事実は変わりません。これからは「長生きを覚悟する」時代です。「いつからシニア」という定義自体も、今後の社会ではナンセンスなのかもしれません。定年に象徴される「年齢差別」をなくすことが必要です。iDOBATA KAIGIのメンバーもシニアである以前に、いつまでも女性なのです。
シニアは老化を最も恐れていますが、シニア向け商品の多くは老化に対する「恐怖心」を煽ったり、「無理な若さ」を押しつけたりすることによって、当事者のシニアに拒否反応を起こさせ、あえて避けられているところがあるのではないでしょうか。
「人生100年時代」に大切なことは、世代間格差なく、全ての世代がアクティブな生活を送ることのできる社会を実現することです。様々な人たちが、それぞれにとってのアクティブな生活をする社会が「人生100年時代」の希望につながっていくのではないでしょうか。
■コミュニティマネージャー 堀 好伸 紹介
[画像1: https://prtimes.jp/i/11405/65/resize/d11405-65-200455-1.png ]
【プロフィール】
日々の生活者との対話から共創コミュニティのデザイン・運営や、企業の戦略マーケティング業務に携わる。
著書に「若者はなぜモノを買わないのか-シミュレーション消費という落とし穴」(青春出版社)。
※参考データ
(図1) 何才をシニアだと思うか (株)リサーチ・アンド・ディベロプメント調査結果
(図2) 2010/2040年の都道府県別高齢者人口 総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」より作成
※iDOBATA KAIGIメンバーは首都圏シニアですが、今後ボリュームが増えるのは都会のシニアです。(図2)
※今回ご紹介している「iDOBATA KAIGI」の詳細は、弊社ホームページ https://www.rad.co.jp/service/idobatakaigi/ をご覧ください。
無料見学会のお申込みは随時承っております。
■参考データグラフ
[画像2: https://prtimes.jp/i/11405/65/resize/d11405-65-387031-2.png ]
[画像3: https://prtimes.jp/i/11405/65/resize/d11405-65-854150-3.png ]
■調査設計■
調査目的 : 65〜74歳女性の暮らしの実態把握
調査手法 : コミュニティ・ソリューション・アプローチ(コミュニティの運営)
調査対象者: 首都圏在住の65〜74才女性
サンプル数: 登録メンバー20名 インタビューにはその中から毎回5名参加
調査実施日: 2012年12月から毎月1回〜2回のペースで実施
※iDOBATA KAIGIは、株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントの登録商標です。
■会社概要■
会社名: 株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント
所在地: 〒163-1424 東京都新宿区西新宿3-20-2
代表者: 代表取締役社長 松田 武久
資本金: 30,000千円
設立 : 1968年1月17日
URL: https://www.rad.co.jp
事業内容:マーケティング・リサーチの企画設計、実施及びコンサルテーション
経営・マーケティング活動の評価及びコンサルテーション
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<例>「(株)リサーチ・アンド・ディベロプメントが実施した調査によると・・・」