台湾風力発電産業の最新動向2021年<ワイズ機械業界ジャーナル2021年8月第3週号発行>
[21/08/19]
提供元:PRTIMES
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〜台湾エネルギー業界の最新動向と分析〜
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の8月第3週号を発行しました。今週号では、エネルギー業界、機械設備業界、自動車システムメーカーのアクトロン、製造業サプライチェーンの再構築について紹介します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/59899/84/resize/d59899-84-a0a36b7ff99f959b177a-2.jpg ]
<210819号内容>
[表: https://prtimes.jp/data/corp/59899/table/84_1_54e2276c215313d4b2deac3fcc053206.jpg ]
●今週号記事の一部を紹介します。
<台湾風力発電産業の最新動向2021年>
新型コロナウイルス感染症流行の影響で洋上風力発電開発計画が遅延
台湾では2019年下半期に民間業者が運営する120メガワット(MW)の洋上風力発電所の第2期工事が続々と完工したが、20年以降は台湾電力(台電、TPC)による風力発電機の設置が行われず、民間業者が陸上風力発電所の建設を進めているだけであったことから、21年5月末時点での風力発電設備容量は863.1MWで、前年同期比9.4%増の小幅成長にとどまった。一方で、19年から風力発電機の設置と稼働が進んだことから、20年の台湾の風力発電総発電量は24億3,300キロワット時(kWh)で前年比28.59%増となった。なお、21年1〜5月は一部の風力発電機が点検を行って稼働率が下がったため、発電量は前年同期比6.83%減となった。
TPCが開発を進める洋上風力発電所の第1期工事は、ベルギーのヤン・デ・ヌルと日立製作所が共同で請け負うことになり、日立製作所の設備容量5.2MWのダウンウインド型発電機を21基調達し、総設備容量は合計109.2MWとなった。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行拡大によって海外の技術者や顧問が台湾に渡航できなくなったことから、第1期工事の完工予定は2020年末から21年に後ろ倒しされた。なお、すでに同洋上風力発電所は21年7月に稼働テストを実施している。
一方で、民間業者が運営する允能風力発電(Yunneng Wind Power)の第1期工事も、海外の技術者と顧問の入境遅延を受けて、工事の進捗が遅れている。第1期工事の完工予定は21年内完工に、第2期工事と彰化県沖の大彰化東南、大彰化西南、彰芳風力発電の第1期工事は21年から22年に後ろ倒しされた。このように、新型コロナウイルス感染症の流行拡大は台湾の洋上風力発電開発計画に大きな影響を及ぼしている。
[画像2: https://prtimes.jp/i/59899/84/resize/d59899-84-6e010803bffa520af9fd-0.jpg ]
台湾製品採用率の設定によって台湾でのサプライチェーンを発展
2021年5月11日、行政院経済部は洋上風力発電ブロック開発の第三段階の草案を発表した。21年8月までに決定案を公表し、22年第3四半期からブロック開発の入札作業を進める予定である。同草案は26〜35年の10年間で毎年1.5ギガワット(GW)の発電枠を募集し、合計15GWの設備容量増設を目指す。
今回のブロック開発草案は、設備容量の増加だけではなく、関連産業として▽電力施設、▽水中基礎、▽風力発電機部品、▽洋上工事サービスの4つに工事設計サービスを追加した。
工事設計サービスには▽風力発電機タワー部構造、▽海底ケーブル敷設、▽洋上変電所の設計などが含まれ、その他部品・設備には▽陸上送電ケーブル、▽洋上変電所、▽風力発電機の可変ピッチ機構などが含まれる。
▽電力施設、▽水中基礎、▽風力発電機部品の3つに関しては、台湾製品の採用率が60%に達した場合は加点される。また、洋上工事サービス及び工事設計サービスに関しては、台湾製品の採用率が100%に達した場合は加点される。このように、ブロック開発における台湾製品採用率を引き上げることによって、台湾における洋上風力発電産業サプライチェーンの発展を目指している。
台湾製の水中基礎とナセルが大量出荷へ 洋上工事用船舶も運用開始
水中基礎は初期の台湾製品採用率に関する要求が最も高く、台湾メーカーは開発業者からの受注を受けて大量出荷の体制を整えた。このうち、中国鋼鉄(中鋼、CSC)傘下の興達海基(興達マリン・ストラクチャー)が生産した100%台湾製のジャケット式水中基礎は、2021年5月に設置工事が完了した。21年7月には、シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー(SGRE)が台中港のナセル組立工場で初の台湾製ナセルを完成させた。オーステッド(エルステッド)に出荷し、大彰化東南と彰化西南に設置される予定だ。
また、台湾国際造船(台船、CSBC)が建造中の洋上風力発電所工事向け重量物運搬船は2022年末に完成、23年に水中基礎工事に使用される見込みである。また、広華営造は19年に洋上風力発電所の工事用船舶9隻を購入後、21年3月に太古集団(英スワイヤー・グループ)から多機能洋上工事用船を購入した。5月に台湾に輸送され、コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ(CIP)の風力発電所「彰芳」の建設工事に使用されている。
ワイズ機械業界ジャーナルとは
[画像3: https://prtimes.jp/i/59899/84/resize/d59899-84-ec834f2fa43c19109fad-1.png ]
1. 台湾唯一のサービス
台湾で唯一機械業界に特化した日本語情報誌です。
2. 個々の分野の情報が満載
工作機械、機械設備、機械制御装置、手工具、動力工具、ねじ・ナット・リベット、ファスナー、金型、自動車、航空宇宙、自動化・ロボット、再生エネルギー等などの情報が満載です。
3. 多種多様な情報を提供
業界トレンド、企業動向、統計資料、法改正情報を全て網羅しています。
4. 読みやすい紙面
豊富な写真と図表、パソコンでの閲覧に配慮された横型の読みやすいPDF形式にて提供します。
5. 記事データベース検索
ホームページの記事データベースより、自由に過去記事の検索ができます。
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●2週間無料試読のお申し込み
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【会社概要】
会社名:ワイズコンサルティング グループ
所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F
代表者:吉本康志
設立:1996年11月
URL:https://www.ys-consulting.com.tw/
事業内容:
・経営コンサルティング(人事労務・マーケティング・経営戦略・情報セキュリティ)
・人材トレーニング(階層別研修・職種別研修)
・日本語台湾経済ニュース、機械業界ジャーナル配信
・市場調査・業界調査・顧客調査
・クラウドサービスの販売
【お客様からのお問い合わせ先】
ワイズコンサルティング
TEL:+886-22381-9711(日本時間10:00〜19:00)
e-mail:research@ys-consulting.com
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の8月第3週号を発行しました。今週号では、エネルギー業界、機械設備業界、自動車システムメーカーのアクトロン、製造業サプライチェーンの再構築について紹介します。
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●今週号記事の一部を紹介します。
<台湾風力発電産業の最新動向2021年>
新型コロナウイルス感染症流行の影響で洋上風力発電開発計画が遅延
台湾では2019年下半期に民間業者が運営する120メガワット(MW)の洋上風力発電所の第2期工事が続々と完工したが、20年以降は台湾電力(台電、TPC)による風力発電機の設置が行われず、民間業者が陸上風力発電所の建設を進めているだけであったことから、21年5月末時点での風力発電設備容量は863.1MWで、前年同期比9.4%増の小幅成長にとどまった。一方で、19年から風力発電機の設置と稼働が進んだことから、20年の台湾の風力発電総発電量は24億3,300キロワット時(kWh)で前年比28.59%増となった。なお、21年1〜5月は一部の風力発電機が点検を行って稼働率が下がったため、発電量は前年同期比6.83%減となった。
TPCが開発を進める洋上風力発電所の第1期工事は、ベルギーのヤン・デ・ヌルと日立製作所が共同で請け負うことになり、日立製作所の設備容量5.2MWのダウンウインド型発電機を21基調達し、総設備容量は合計109.2MWとなった。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行拡大によって海外の技術者や顧問が台湾に渡航できなくなったことから、第1期工事の完工予定は2020年末から21年に後ろ倒しされた。なお、すでに同洋上風力発電所は21年7月に稼働テストを実施している。
一方で、民間業者が運営する允能風力発電(Yunneng Wind Power)の第1期工事も、海外の技術者と顧問の入境遅延を受けて、工事の進捗が遅れている。第1期工事の完工予定は21年内完工に、第2期工事と彰化県沖の大彰化東南、大彰化西南、彰芳風力発電の第1期工事は21年から22年に後ろ倒しされた。このように、新型コロナウイルス感染症の流行拡大は台湾の洋上風力発電開発計画に大きな影響を及ぼしている。
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台湾製品採用率の設定によって台湾でのサプライチェーンを発展
2021年5月11日、行政院経済部は洋上風力発電ブロック開発の第三段階の草案を発表した。21年8月までに決定案を公表し、22年第3四半期からブロック開発の入札作業を進める予定である。同草案は26〜35年の10年間で毎年1.5ギガワット(GW)の発電枠を募集し、合計15GWの設備容量増設を目指す。
今回のブロック開発草案は、設備容量の増加だけではなく、関連産業として▽電力施設、▽水中基礎、▽風力発電機部品、▽洋上工事サービスの4つに工事設計サービスを追加した。
工事設計サービスには▽風力発電機タワー部構造、▽海底ケーブル敷設、▽洋上変電所の設計などが含まれ、その他部品・設備には▽陸上送電ケーブル、▽洋上変電所、▽風力発電機の可変ピッチ機構などが含まれる。
▽電力施設、▽水中基礎、▽風力発電機部品の3つに関しては、台湾製品の採用率が60%に達した場合は加点される。また、洋上工事サービス及び工事設計サービスに関しては、台湾製品の採用率が100%に達した場合は加点される。このように、ブロック開発における台湾製品採用率を引き上げることによって、台湾における洋上風力発電産業サプライチェーンの発展を目指している。
台湾製の水中基礎とナセルが大量出荷へ 洋上工事用船舶も運用開始
水中基礎は初期の台湾製品採用率に関する要求が最も高く、台湾メーカーは開発業者からの受注を受けて大量出荷の体制を整えた。このうち、中国鋼鉄(中鋼、CSC)傘下の興達海基(興達マリン・ストラクチャー)が生産した100%台湾製のジャケット式水中基礎は、2021年5月に設置工事が完了した。21年7月には、シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー(SGRE)が台中港のナセル組立工場で初の台湾製ナセルを完成させた。オーステッド(エルステッド)に出荷し、大彰化東南と彰化西南に設置される予定だ。
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代表者:吉本康志
設立:1996年11月
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