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―「TKC経営指標(速報版)」でみるコロナ禍の影響― 「宿泊・飲食サービス業」が打撃、「建設、情報通信業」は売上増に 

TKC全国会(会長:坂本孝司/事務局:東京都新宿区)は、TKC財務会計システムを利用して決算を迎えた年商100億円以下の中小企業の経営成績と財政状態を収録した、「TKC経営指標」を提供しています。このたび本年3月〜5月決算企業73,873社の情報を収録した速報版について、当社ホームページで公開しました。コロナ禍が中小企業の経営にどのような影響を及ぼしたかをうかがうことができます。

その主なポイントについて、以下のとおりご案内いたします。

◆令和2年3月〜5月決算企業を収録した「TKC経営指標(速報版)」のポイント
1.全産業平均では、売上高が前年比98.8%、経常利益は前年比89.6%に減少
2.現預金と固定負債は増加(緊急融資等により手元資金を確保)
3.宿泊・飲食サービス業は経常利益が-2,000千円にダウン
4.情報通信業は、売上高、経常利益共に大幅増(テレワーク、Web会議等の普及)





1.収録企業73,873社でみる全体の傾向
(1)売上高が前年比98.8%に低下
 全体の平均値で見ると、売上高が211,848千円(前年比98.8%)、固定費が91,277千円(前年比100.6%)、経常利益が6,018千円(前年比89.6%)と業績が悪化している。コロナ禍で売上高が減少し、利益確保が難しくなってきたことがうかがえる。

(2)現預金と固定負債が増加
 貸借対照表では、売上債権が26,328千円(前年比90.6%)、買入債務が16,484千円(前年比89.4%)と減少している。一方、現金預金は47,836千円(前年比104.5%)、固定負債は66,320千円(前年比100.5%)と増加している。コロナ禍で、取引量が減少しているが、緊急融資等を活用し、手元資金を厚くしていることがうかがえる。

2.業種別に分析した結果
(1)宿泊・飲食サービス業(対象企業数3,278件)が著しく悪化
 宿泊・飲食サービス業の全企業平均の貸借対照表では、売上債権が2,151千円(前年比69.3%)、固定負債は70,939千円(前年比104.0%)、現金預金は18,961千円(前年比110.2%)となっている。また、変動損益計算書では、売上高が106,004千円(前年比93.5%)、経常利益が-2,000千円(前年比-180.9%)と全業種の中で最も業績が悪化している。

(2)建設業、情報通信業は業績が改善
 建設業(対象収録企業数14,882件)では、売上高が200,536千円(前年比102.8%)、経常利益が8,931千円(前年比109.3%)、情報通信業(対象収録企業数1,769件)では、売上高が167,367千円(前年比104.0%)、経常利益が7,491千円(前年比115.8%)と、コロナ禍にあっても売上高や経常利益を伸ばしている業種も見受けられる。
 特に情報通信業では、テレワークやWeb会議等の普及により、最も業績が伸びている。

[画像1: https://prtimes.jp/i/18852/177/resize/d18852-177-527026-0.png ]



[画像2: https://prtimes.jp/i/18852/177/resize/d18852-177-177271-1.png ]

                            ※各収録企業の平均値、単位:千円

TKC経営指標(BAST)は、融資審査等での比較データとしての利用に加え、中小企業の経営改善を支援する際のベンチマークとして活用するなど、中小企業金融における“目利き力強化に役立っている”と評価が高まり、年々、利用機関数・ID数とも増加しています。
BASTは一般に公開していませんが、より多くの企業経営者等に自社の現状分析や経営方針決定等でご活用いただくため、「要約版・速報版」をTKCのホームページで公開しています。
TKC全国会では地域金融機関と協力して中小企業、地域経済の健全な成長・発展を支援してまいります。

◆「TKC経営指標(BAST)」要約版・速報版の閲覧方法
下記のTKCグループホームページ「経営者の皆様へ」サイトから閲覧できます。
URL:https://www.tkc.jp/tkcnf/bast/sample/

◇収録内容
「BAST要約版」
1.収録対象業種 中分類86業種、細分類505業種
2.経営分析項目 14項目

「BAST速報版」
1.収録対象業種 206業種
2.経営分析項目 12項目

[画像3: https://prtimes.jp/i/18852/177/resize/d18852-177-773707-3.png ]


<ご参考>
I 「TKC経営指標(BAST)」とは
TKC経営指標(BAST)は、TKC会員(税理士・公認会計士)が関与する中小企業の経営成績と財政状態を分析したものです。TKC会員が毎月継続して実施した巡回監査※と月次決算により作成された会計帳簿を基礎とし、そこから誘導された信頼性の高い決算書(貸借対照表および損益計算書)を収録データとしています。

これだけの精度と速報性を持つ中小企業の経営指標は、世界にも類例がなく、金融機関等から高く評価されています。令和2年版(2019年1〜12月確定決算)の収録法人数は24万6,523社、分析対象は1,169業種に及びます。

BASTは個別企業の決算書を開示しているものではなく、2期比較が可能な、同業種同規模の3社以上の決算書を合算し、その平均値を優良企業、黒字企業、欠損企業、全企業、黒字企業中位グループの同類体系により表示しているものです。

※巡回監査:関与する中小企業を毎月および期末決算時に巡回し、会計資料ならびに会計記録の適法性、正確性および適時性を確保するため、会計事実の真実性、実在性、網羅性を確かめ、かつ指導すること。
※提供先 :調査に協力したTKC会員、TKC全国会・全国20のTKC地域会と覚書「中堅・中小企業の持続的成長支援」を締結する金融機関や信用保証協会

II 「TKC経営指標(BAST)」でみる黒字企業割合の推移
[画像4: https://prtimes.jp/i/18852/177/resize/d18852-177-661221-2.png ]

※1「BAST黒字企業割合」は、「TKC経営指標(BAST)」の「収録件数」及び「黒字件数」を基に計算しています。なお、「TKC経営指標(BAST)」の「黒字企業」とは、「期末純資産」及び「税引前当期損益」が、いずれもプラスである企業をいいます。
※2「国税庁公表黒字申告割合」については、2006(H18)年までは、国税庁「会社標本調査結果」における数値を採用し、2008(H20)年以後は、同庁「法人税の申告事績の概要」における数値を採用しています。


◆「TKC経営指標(BAST)」の著作権について(要約版、速報版含む)
1.「TKC経営指標(BAST)」の著作権は株式会社TKCに帰属します。
2.「TKC経営指標(BAST)」の営利目的での利用はお断りいたします。
3.「TKC経営指標(BAST)」の内容を論文等で引用又は参照する場合は、説明文として下記の文章を必ずご利用ください。


[表: https://prtimes.jp/data/corp/18852/table/177_1.jpg ]
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