電気通信大学 坂本真樹教授との共同研究「子供におけるソフトキャンディ・グミの食感と幸福感の関係に関する研究」について、第25回日本感性工学会大会で発表
[23/11/27]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
森永製菓株式会社(東京都港区芝、代表取締役社長・太田 栄二郎)と国立大学法人電気通信大学(東京都調布市、学長・田野俊一)は、やわらかな噛み出しと心地よい食感で長きにわたり多くのお客様にご愛顧いただいているソフトキャンディ「ハイチュウ」について共同研究を進めています。この度、「子供におけるソフトキャンディ・グミの食感と幸福感の関係に関する研究-オノマトペを活用した消費者調査の可能性-」について、共同研究を行った電気通信大学坂本真樹教授らとともに、2023年11月20〜22日に開催された第25回日本感性工学会大会で発表いたしました。
ソフトキャンディまたはグミを食べた時に感じたオノマトペ(さくさく、ふんわり等の擬音語・擬態語)や幸福感の高さを調査し、オノマトペを感性(楽しい、落ち着いた等の印象)に変換するシステムを活用して、AI(機械学習)解析により、幸福感と感性の関係を導き出しました。研究の結果、ハイチュウは類似の他のソフトキャンディやグミと比較して幸福感が高いこと、また、ソフトキャンディとグミは、幸福感に関係する感性(食べた時の印象)が異なる事が明らかになりました。
<方法>
小学5・6年生の男女計57名に、ソフトキャンディ6種類またはグミ6種類の市販品(グレープ系の味)を各1個ずつ(計12個)2日間に分けて喫食してもらい、予備調査により選定した10個のオノマトペについて、また幸福感(幸せな気持ち)についてどの程度を感じるかを、7段階(とてもそう感じる、そう感じる、ややそう感じる、どちらともいえない、あまりそう感じない、そう感じない、全くそう感じない)で評価してもらいました。各オノマトペは、図1の研究室で開発したシステムに基づく感性AI株式会社の感性評価AI”Hapina”に入力すると、オノマトペの音韻特性によりそれぞれの感性評価値(明るい、暖かい等の各感性と数値の対応)として出力されます。調査対象者、調査サンプルの各組につき、オノマトペの7段階の回答結果を重みとして感性評価値を補正しました。これにより得られたデータと幸福感の7段階の回答結果の値を対応させ、機械学習で解析しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/19896/295/resize/d19896-295-99c3ef58ec5120574fbc-1.jpg ]
<結果>
喫食によって感じる幸福感については、A(ハイチュウ)の平均値が最も高く、有意水準5%とすると、他サンプルの内3品(I、D、L)に対して有意に高い結果が得られました(図2)。また、ソフトキャンディを食べた時の幸福感は「高級感のある」、「洗練された」といった感性(印象)で構成されていました。一方、グミを食べた時の幸福感は「おいしい」や「地味な」といった感性(印象)で構成されていました。これらの結果から、ハイチュウは類似の他のソフトキャンディやグミと比較して幸福感が高いこと、また、ソフトキャンディとグミは、幸福感に関係する感性(印象)が異なる事が明らかになりました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/19896/295/resize/d19896-295-6d988f29fc81c98ba8fb-1.jpg ]
<今後に向けて>
ソフトキャンディ・グミを食べた時にどんな感性が幸福感を高めうるかについて、直感的な表現であるオノマトペを活用した機械学習を実施し、ソフトキャンディとグミでは、異なる感性が幸福感に関係することが明らかになりました。本研究で提案された幸福感に関係する感性を応用することで、ソフトキャンディやグミの幸福感の高い製品設計につなげていけるよう、今後も研究に取り組んでまいります。
この結果は健康な小学5・6年生の男女における研究です。また、本研究はキャンディ類の摂取と躁鬱傾向への影響を検討したものではありません。キャンディ類に限らず、食事やおやつは栄養のバランスを考慮して食べることが大切です。食べ過ぎにはご注意ください。
■国立大学法人電気通信大学副学長 大学院情報理工学研究科 坂本真樹教授のコメント
私がオノマトペの研究を始めたのは2005年ですが、初めて行った実験が食べたときの食感をオノマトペで
表現する、というものでした。その後、味覚だけでなく、触覚・聴覚・視覚を通して感じたことを直感的に
オノマトペで表現する実験を繰り返し、得られたデータをもとに、任意のオノマトペで表される印象を数値化するシステムの開発を行いました。そのシステムが、2018年に起業した感性AI(株)の感性評価AI”Hapina”へと発展しましたが、その”Hapina”を用いて、ソフトキャンディやグミの食感をオノマトペで評価してもらう実験結果を解析したことで、幸福感との関係や、両者の微細な違いまで明らかにすることができて、とても嬉しいです。感性に直結するオノマトペの力を再認識できました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/19896/295/resize/d19896-295-8b17f63ed242f0d15b93-2.png ]
坂本 真樹 (さかもと まき)
1998 年東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了. 電気通信大学大学院情報理工学研究科及び人工知能先端研究センター教授.2020 年より同大副学長.人工知能学会理事,広告学会評議員など歴任.IEEE, 認知科学会,情報処理学会,VR 学会各会員.日本学術会議連携会員.博士 (学術).
<森永製菓グループの新たな取り組み>
当社グループでは、長期経営計画において『2030年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。』と定めました。「ウェルネス」とは、「いきいきとした心・体・環境を基盤にして、豊かで輝く人生を追求・実現している状態」と定義し、顧客・従業員・社会に、心の健康、体の健康、環境の健康の3つの価値を提供し続ける企業になることを目指しています。その一環として、「心の健康」に寄与する菓子食品のおいしさや楽しさといった情緒的価値を様々な手法で解明し、付加価値の高い商品の開発・提供につなげていく取組みを行っています。これからも、かむほど幸せ食感「ハイチュウ」の価値を解明し、ワクワク楽しい気分をお届けするとともに、「ハイチュウ」を通じて世界の人々に笑顔をもたらすことができるよう取り組んで参ります。
ソフトキャンディまたはグミを食べた時に感じたオノマトペ(さくさく、ふんわり等の擬音語・擬態語)や幸福感の高さを調査し、オノマトペを感性(楽しい、落ち着いた等の印象)に変換するシステムを活用して、AI(機械学習)解析により、幸福感と感性の関係を導き出しました。研究の結果、ハイチュウは類似の他のソフトキャンディやグミと比較して幸福感が高いこと、また、ソフトキャンディとグミは、幸福感に関係する感性(食べた時の印象)が異なる事が明らかになりました。
<方法>
小学5・6年生の男女計57名に、ソフトキャンディ6種類またはグミ6種類の市販品(グレープ系の味)を各1個ずつ(計12個)2日間に分けて喫食してもらい、予備調査により選定した10個のオノマトペについて、また幸福感(幸せな気持ち)についてどの程度を感じるかを、7段階(とてもそう感じる、そう感じる、ややそう感じる、どちらともいえない、あまりそう感じない、そう感じない、全くそう感じない)で評価してもらいました。各オノマトペは、図1の研究室で開発したシステムに基づく感性AI株式会社の感性評価AI”Hapina”に入力すると、オノマトペの音韻特性によりそれぞれの感性評価値(明るい、暖かい等の各感性と数値の対応)として出力されます。調査対象者、調査サンプルの各組につき、オノマトペの7段階の回答結果を重みとして感性評価値を補正しました。これにより得られたデータと幸福感の7段階の回答結果の値を対応させ、機械学習で解析しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/19896/295/resize/d19896-295-99c3ef58ec5120574fbc-1.jpg ]
<結果>
喫食によって感じる幸福感については、A(ハイチュウ)の平均値が最も高く、有意水準5%とすると、他サンプルの内3品(I、D、L)に対して有意に高い結果が得られました(図2)。また、ソフトキャンディを食べた時の幸福感は「高級感のある」、「洗練された」といった感性(印象)で構成されていました。一方、グミを食べた時の幸福感は「おいしい」や「地味な」といった感性(印象)で構成されていました。これらの結果から、ハイチュウは類似の他のソフトキャンディやグミと比較して幸福感が高いこと、また、ソフトキャンディとグミは、幸福感に関係する感性(印象)が異なる事が明らかになりました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/19896/295/resize/d19896-295-6d988f29fc81c98ba8fb-1.jpg ]
<今後に向けて>
ソフトキャンディ・グミを食べた時にどんな感性が幸福感を高めうるかについて、直感的な表現であるオノマトペを活用した機械学習を実施し、ソフトキャンディとグミでは、異なる感性が幸福感に関係することが明らかになりました。本研究で提案された幸福感に関係する感性を応用することで、ソフトキャンディやグミの幸福感の高い製品設計につなげていけるよう、今後も研究に取り組んでまいります。
この結果は健康な小学5・6年生の男女における研究です。また、本研究はキャンディ類の摂取と躁鬱傾向への影響を検討したものではありません。キャンディ類に限らず、食事やおやつは栄養のバランスを考慮して食べることが大切です。食べ過ぎにはご注意ください。
■国立大学法人電気通信大学副学長 大学院情報理工学研究科 坂本真樹教授のコメント
私がオノマトペの研究を始めたのは2005年ですが、初めて行った実験が食べたときの食感をオノマトペで
表現する、というものでした。その後、味覚だけでなく、触覚・聴覚・視覚を通して感じたことを直感的に
オノマトペで表現する実験を繰り返し、得られたデータをもとに、任意のオノマトペで表される印象を数値化するシステムの開発を行いました。そのシステムが、2018年に起業した感性AI(株)の感性評価AI”Hapina”へと発展しましたが、その”Hapina”を用いて、ソフトキャンディやグミの食感をオノマトペで評価してもらう実験結果を解析したことで、幸福感との関係や、両者の微細な違いまで明らかにすることができて、とても嬉しいです。感性に直結するオノマトペの力を再認識できました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/19896/295/resize/d19896-295-8b17f63ed242f0d15b93-2.png ]
坂本 真樹 (さかもと まき)
1998 年東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了. 電気通信大学大学院情報理工学研究科及び人工知能先端研究センター教授.2020 年より同大副学長.人工知能学会理事,広告学会評議員など歴任.IEEE, 認知科学会,情報処理学会,VR 学会各会員.日本学術会議連携会員.博士 (学術).
<森永製菓グループの新たな取り組み>
当社グループでは、長期経営計画において『2030年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。』と定めました。「ウェルネス」とは、「いきいきとした心・体・環境を基盤にして、豊かで輝く人生を追求・実現している状態」と定義し、顧客・従業員・社会に、心の健康、体の健康、環境の健康の3つの価値を提供し続ける企業になることを目指しています。その一環として、「心の健康」に寄与する菓子食品のおいしさや楽しさといった情緒的価値を様々な手法で解明し、付加価値の高い商品の開発・提供につなげていく取組みを行っています。これからも、かむほど幸せ食感「ハイチュウ」の価値を解明し、ワクワク楽しい気分をお届けするとともに、「ハイチュウ」を通じて世界の人々に笑顔をもたらすことができるよう取り組んで参ります。