ヨーロッパ難民危機 保護を求める子ども、毎日700人 【プレスリリース】
[15/11/16]
提供元:PRTIMES
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例を見ない難民流入に、新たな支援の形を模索
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/594/resize/d5176-594-389947-1.jpg ]
※ 本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
※ 原文は、http://www.unicef.org/media/media_86208.htmlからご覧いただけます。
【2015年11月13日 ジュネーブ発】
ヨーロッパで保護を求める難民・移民の子どもの数が毎日700人に上るなか、ユニセフ(国連児童基金)は、そうした弱い立場にある子どもたちは5つのグループに分けられるとし、それぞれのニーズに的確に対応する支援を進めています。
2015年夏以来、難民となる子どもや女性の数は増え続けており、冬が迫る今も終わりが見えません。ユーロスタット(EU統計局)の最新データによると、今年1月から9月までにEU各国の庇護を求めた子どもの数は21万4,000人と前例のない数に上っています。6月時点では、ギリシャからゲヴゲリヤ経由でマケドニア旧ユーゴスラビア共和国に入る際に登録手続きを行った難民の10人に1人が子どもでした。しかし10月までに、同じ国境地点で登録手続きを行った子どもの数は、全体の3人に1人にまで増えています。
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/594/resize/d5176-594-552206-2.jpg ]
「若者たちは、自分たちの手でよりよい生活を築くという決意をもっていますが、ヨーロッパを移動する彼らの将来は不安定です。私たちは、その若者たちを見捨ててはなりません」と、ユニセフのヨーロッパ難民危機特別コーディネーターであるマリーピエール・ポワリエールは述べました。「しかし私たちは、子どもたちが命の危険を冒してまで手に入れようとしている未来を彼らに与えてあげられるのか、その準備ができているのか、ヨーロッパという地がその目的達成に適しているのか、自問しています」
保護者の同伴なく保護を申請している子どもの数は、スウェーデン1カ国だけで2万4,000人と、昨年のヨーロッパ全体における同様の申請数を上回っているのです。
ユニセフをはじめとする国際機関や政府系機関、人道支援関係者、各国のソーシャルワーカーなどにより、下記の対応が既に始まっていますが、支援は早急に拡充する必要があります。
乳幼児:病気の予防と命を守るための早急な越冬対策、入国手続きに関する予期できない突然の変更を避けることが必要である
障がいのある子ども、特別な支援を必要とする子ども:身体的障がい、精神的障がいのいずれであっても、適切な設備と特別な支援サービスが必要である
保護者とはぐれた子ども:移動中に家族や保護者とはぐれることがないよう、子どもの保護の担当者や通訳による適切な監視や、家族の追跡のための番号管理などを行う
取り残された子ども:収入を得る手段や、人身売買や犯罪組織の犠牲になることを防ぐ支援ネットワークをもたず、暴力や性的虐待の危険に晒されている子どもたちは、児童福祉システムによって適切な後見人を任命するなどして一刻も早いケアと保護をする必要がある
保護者の同伴なしに移動を続ける若者:その多くはアフガニスタンからやってくる14歳〜17歳の少年で、同伴者なし、もしくは保護者とはぐれた子どもとみなされることを望んでいない。このまま移動を続け、さらなる危険を防ぐことが、彼らの最優先事項だとみられる。そうした子どもたちが難民申請手続きを待ちながら何カ月も宿泊センターに滞在している場所で、ユニセフは彼らの安全性を高める対策(男女別のトイレ、適切な明かり、24時間体制のスタッフ配置など)を促進している
[画像3: http://prtimes.jp/i/5176/594/resize/d5176-594-931317-3.jpg ]
こうした難民危機は他に例がなく、移動を続ける家族や子どもたちへの支援には、ときにはほんの数時間しか滞在しない検問所での支援プログラムといった、特殊な課題が生じています。そして、難民となった子どもたちを支え、虐待や暴力から彼らの権利を守るために奔走する人々にとっても、これまでにない挑戦を生み出しました。
「発展し、経済成長によってEU加盟国となった国々は、もう支援の必要がないとみなされます。しかし、難民危機はヨーロッパを変え、我々の支援の仕方をも変えつつあります」とマリーピエール・ポワリエールは話しました。「難民や移民、子どもたちはみな、保護を必要としています。ユニセフは、各国政府からの要請があれば、刻々と変わる危機状況に対応して、パートナーシップを強化する用意があります」
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/)
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/594/resize/d5176-594-389947-1.jpg ]
※ 本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
※ 原文は、http://www.unicef.org/media/media_86208.htmlからご覧いただけます。
【2015年11月13日 ジュネーブ発】
ヨーロッパで保護を求める難民・移民の子どもの数が毎日700人に上るなか、ユニセフ(国連児童基金)は、そうした弱い立場にある子どもたちは5つのグループに分けられるとし、それぞれのニーズに的確に対応する支援を進めています。
2015年夏以来、難民となる子どもや女性の数は増え続けており、冬が迫る今も終わりが見えません。ユーロスタット(EU統計局)の最新データによると、今年1月から9月までにEU各国の庇護を求めた子どもの数は21万4,000人と前例のない数に上っています。6月時点では、ギリシャからゲヴゲリヤ経由でマケドニア旧ユーゴスラビア共和国に入る際に登録手続きを行った難民の10人に1人が子どもでした。しかし10月までに、同じ国境地点で登録手続きを行った子どもの数は、全体の3人に1人にまで増えています。
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/594/resize/d5176-594-552206-2.jpg ]
「若者たちは、自分たちの手でよりよい生活を築くという決意をもっていますが、ヨーロッパを移動する彼らの将来は不安定です。私たちは、その若者たちを見捨ててはなりません」と、ユニセフのヨーロッパ難民危機特別コーディネーターであるマリーピエール・ポワリエールは述べました。「しかし私たちは、子どもたちが命の危険を冒してまで手に入れようとしている未来を彼らに与えてあげられるのか、その準備ができているのか、ヨーロッパという地がその目的達成に適しているのか、自問しています」
保護者の同伴なく保護を申請している子どもの数は、スウェーデン1カ国だけで2万4,000人と、昨年のヨーロッパ全体における同様の申請数を上回っているのです。
ユニセフをはじめとする国際機関や政府系機関、人道支援関係者、各国のソーシャルワーカーなどにより、下記の対応が既に始まっていますが、支援は早急に拡充する必要があります。
乳幼児:病気の予防と命を守るための早急な越冬対策、入国手続きに関する予期できない突然の変更を避けることが必要である
障がいのある子ども、特別な支援を必要とする子ども:身体的障がい、精神的障がいのいずれであっても、適切な設備と特別な支援サービスが必要である
保護者とはぐれた子ども:移動中に家族や保護者とはぐれることがないよう、子どもの保護の担当者や通訳による適切な監視や、家族の追跡のための番号管理などを行う
取り残された子ども:収入を得る手段や、人身売買や犯罪組織の犠牲になることを防ぐ支援ネットワークをもたず、暴力や性的虐待の危険に晒されている子どもたちは、児童福祉システムによって適切な後見人を任命するなどして一刻も早いケアと保護をする必要がある
保護者の同伴なしに移動を続ける若者:その多くはアフガニスタンからやってくる14歳〜17歳の少年で、同伴者なし、もしくは保護者とはぐれた子どもとみなされることを望んでいない。このまま移動を続け、さらなる危険を防ぐことが、彼らの最優先事項だとみられる。そうした子どもたちが難民申請手続きを待ちながら何カ月も宿泊センターに滞在している場所で、ユニセフは彼らの安全性を高める対策(男女別のトイレ、適切な明かり、24時間体制のスタッフ配置など)を促進している
[画像3: http://prtimes.jp/i/5176/594/resize/d5176-594-931317-3.jpg ]
こうした難民危機は他に例がなく、移動を続ける家族や子どもたちへの支援には、ときにはほんの数時間しか滞在しない検問所での支援プログラムといった、特殊な課題が生じています。そして、難民となった子どもたちを支え、虐待や暴力から彼らの権利を守るために奔走する人々にとっても、これまでにない挑戦を生み出しました。
「発展し、経済成長によってEU加盟国となった国々は、もう支援の必要がないとみなされます。しかし、難民危機はヨーロッパを変え、我々の支援の仕方をも変えつつあります」とマリーピエール・ポワリエールは話しました。「難民や移民、子どもたちはみな、保護を必要としています。ユニセフは、各国政府からの要請があれば、刻々と変わる危機状況に対応して、パートナーシップを強化する用意があります」
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/)