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東京23区のスタートアップ企業 所在地は「港区」、分野はDXが最多

〜 設立時の社長平均年齢は37.1歳 〜

政府は2022年を“スタートアップ創出元年”と銘打ち、以降「骨太の方針」や「総合経済政策」においてスタートアップに対する投資拡大の施策を示し続け、同年末には「スタートアップ育成5か年計画」を発表。そのなかで、今後5年間でその数を10倍に増やすなどの目標を設定した。世界主要国と比較して時価総額1,000億円超の未上場企業「ユニコーン」の社数は低位にあると言われるなか、日本経済の起爆剤としてスタートアップ企業の活躍が大きく期待されている。




1. 渋谷区は個人向けサービス、千代田区はテック系、中央区はヘルスケア…など特色はさまざま

 東京23区内における設立10年以内のスタートアップ企業数2,549社※について内訳をみると、「港区」が22.6%で最も高く、幅広い業種が顔を並べている。次いで“若者の街”として賑わう「渋谷区」(22.1%)が続き、EC、エンタメ、ファッションなど個人向けサービスを展開している企業が多い。さらに、大手町・丸の内エリアが代表的な「千代田区」(14.8%)ではDX、FinTechなどのテック系企業、大手製薬会社の本社が集う「中央区」(11.2%)ではヘルスケア系企業の集積が目立ち、各地域でさまざまな特色が表れている。
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2. 設立8年目が、スタートアップ拡大・縮小の分岐点に

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 スタートアップ企業の資本金を設立年別にみると設立10年目の企業(2013年設立)は、平均約3億550万円と最も高くなっている。一方、設立3年目以降の推移を見ると、設立8年目(2015年設立)は、平均約1億4,330万円となった。比較的資金調達がしやすい新株発行など「エクイティファイナンス」で得た資金を、事業に行き詰まり、経営スリム化・立て直しの一環として、減資によって負債を縮小させ、バランスシートの改善を多く行われる時期と想定され、設立8年目がスタートアップ経営の拡大と縮小の分岐点とされる時期とも言えよう。

3. 多くのスタートアップが間接金融の融資を受け始めるのは、設立2年目から

 
[画像3: https://prtimes.jp/i/43465/626/resize/d43465-626-49af6b7af8e5a43d790f-2.jpg ]

 従来、スタートアップ企業にとって「デットファイナンス」の代表格である金融機関からの融資を受けるハードルは高かったが、近年は金融庁を中心に「事業成長担保権(仮称)」の創設を図る動きがみられるなど、特にスタートアップ企業に対する融資は今後の拡大が期待されている。
 スタートアップ企業の平均自己資本比率をみると、設立1年目では92.0%と高位にある。金融機関からの融資など、負債にあたる「デットファイナンス」による資金調達ができているスタートアップ企業は少ない。一方、設立2年目以降から平均は70%を下回り、金融機関など間接金融による融資の割合が大きくなるなかで、自己資本比率が下がる傾向が明らかになった。

4. 設立時の社長平均年齢、シニア創業支援などを背景に高齢化傾向にあるも、近時は反転基調

[画像4: https://prtimes.jp/i/43465/626/resize/d43465-626-c56cd70d73ec7ab65c7d-3.jpg ]

 スタートアップ企業を設立した際の社長の平均年齢についてみると、少子高齢化の影響から、一般企業の創業者平均年齢も高齢化が進むなか、シニア向けの起業家支援などの効果も後押しし、設立2年目(2021年設立)では40.0歳となった。しかし、各大学などがスタートアップ起業支援に力を入れ始めたことなどから、設立1年目創業者の平均年齢は低下し、反動減となった。今後、スタートアップ創業社長の更なる若年齢化が進む可能性がある。


5. 増収のスタートアップが多いものの、急成長のために赤字も辞さず、投資に回す姿勢が顕著に

 短期間の業績急成長を目指すスタートアップ企業であるが、その業績平均をみると、全体では直近決算において増収となった企業は全体の59.8%を占めた。10年以内に設立した企業のなかでも、全ての年代で5割を上回った。特に設立3年目(2020年設立)においては、増収企業が88.9%を占め、設立まで漕ぎ着けたビジネスモデルの強さが売上に直結している時期と見られる。
 一方、損益に関しては全体64.3%の企業が赤字状態だった。本格稼働前となる設立1-2年目は例外としても総じて各年次において7割近くを占めており、急成長の準備のために目先の小さな利益に囚われず初期投資に資金を投入するスタートアップ企業が多いことが明らかとなった。
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6. 「DX」「バイオ・ヘルスケア」などテック系の事業分野を展開する企業が多い

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 スタートアップ企業を独自の事業分野別でみると、「DX」が12.2%で最も多かった。次いで「バイオ・ヘルスケア」「くらし」(8.2%)などが続いた。これまでにない革新的/特徴的なビジネスモデルを武器に成長を目指すのがスタートアップ企業であり、その源泉としてITなどの新技術を用いる傾向が強いことから、テック系関連が上位に多く並んでいる。


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