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日経平均は反落、イベント前に利益確定売りが優勢も下値は限定的

相場概況
 日経平均は反落。前日の米国株式市場では、次期財務長官に指名されたイエレン前連邦準備制度理事会(FRB)議長が上院指名承認公聴会において大規模な追加経済対策の必要性を訴えたことなどが好感され、主要株価指数は終日堅調に推移した。こうした米株高の流れを受けて日経平均も150円高でスタートしたが、上述の材料は前日の東京市場において既に相当程度織り込んでいたことから、すぐに利益確定売りに押される展開に。その後は、米国で今夜バイデン氏の大統領就任式があり、暴動など政治的な混乱も意識されるなか、様子見ムードが台頭しこう着感を強める動きとなった。また、明日以降、日銀や欧州中央銀行(ECB)による金融政策に関する総裁発言のほか、来週からは日米主力企業の10-12月期決算が本格化するなど、イベントが多く控えていることも手控えムードを誘いやすかった。

 大引けの日経平均は前日比110.20円安の28523.26円となった。東証1部の売買高は11億5000万株、売買代金は2兆3810億円だった。セクター別では、空運業、海運業、陸運業、証券・商品先物取引業、銀行業などが下落率上位に並んだ。一方、繊維製品、鉱業、石油・石炭製品、ゴム製品、ガラス・土石製品が上昇率上位となった。東証1部の値下がり銘柄は45%、対して値上がり銘柄は全体の50%であった。

 個別では、証券会社による投資判断や目標株価の引き上げ、新規カバレッジなどを手掛かり材料にIDOM<7599>、ベクトル<6058>、アサヒHD<5857>などが大きく上昇した。また、今期想定以上に収益が回復するとの観測報道があったAGC<5201>、フィルムコンデンサーの生産を倍増するとの報道が材料視されたニチコン<6996>なども大幅高となり、業績・配当予想の引き上げが好感された日総工産<6569>は東証1部の上昇率上位にランクインした。そのほか、ルネサス<6723>、東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>などの半導体株代表格が揃って堅調、半導体関連のなかで出遅れ感が強かった住友化学<4005>は9%となった。積層セラミックコンデンサー(MLCC)のひっ迫感が意識された太陽誘電<6976>や村田製作所<6981>も堅調だった。

 一方、キーエンス<6861>、任天堂<7974>、ソニー<6758>、信越化学<4063>、エムスリー<2413>、日本電産<6594>、ファーストリテ<9983>、ダイキン工業<6367>などの値がさグロース株の一角が利益確定売りに押され軟調推移となった。また、20日夜から終電時間の繰り上げが実施されることを受けて先行き不透明感が強まった陸運関連どころで、東急<9005>、京急<9006>、小田急<9007>などが揃って下落した。


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