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サイレント・マジョリティはアベノミクス推進で景気回復を願う人々

Miniトピック
先の参議院選挙の結果は自民党が大勝、自民党は参議院で単独過半数をとり(追加公認含む)、いわゆる改憲勢力が3分の2を占めるに至った。
 しかし、事前及び事後の世論調査では国民は憲法改正について大きな関心があるわけでもなく、改憲についても反対する割合の方が多かった。国民は憲法を争点に自民党・与党に投票したのではなく、経済政策を争点に投票したということができる。してみると、今回の参議院選挙では、安倍政権の経済運営を一応評価し、アベノミクスをさらに推進させてなんとか景気を回復させ欲しい、デフレから脱却して欲しいというのがサイレント・マジョリティ(静かなる多数派)ということが明らかになったと言えよう。
 対して、マスメディアで盛んに取り上げられていた、「アベ政治を許さない」等のプラカードを掲げて国会前などでデモをしていた人々はノイジー・マイノリティ(声高な少数派)ということが明らかになった。学生団体のSEALs(シールズ)も若者代表のような扱いを受けていたが、蓋を開けてみると、若年層ほど自民党の支持率が高い(むしろ政党別では圧倒的)ことが分かった。注目された十代の選挙権付与も自民党に有利に働いた。これなども、数年後に就職の時期が巡ってくる世代であることから、それまでに現在の経済情勢と同等かそれよりも良くなることを願ってのことのようにもみえる。
 それだけ世代を問わず、民進党(民主党)政権時代の経済運営の失敗のイメージが人々の脳裏に焼き付いているのだろう。民進党は今回の参議院選挙でもアベノミクスを批判したが、国民には響かなかった。民進党はアベノミクスを批判するだけではなく有力な代案を示す必要があったといえよう。
 ただ、一方の自民党の方も何も盤石なわけではない。安倍首相は参議院選挙にあたり「アベノミクスは道半ば」と主張していたが、全くその通りであり、いわゆるアベノミクス第三の矢(大胆な規制緩和・構造改革)が未ださっぱり放たれていない。時間を稼ぐにすぎない金融緩和や、将来不安も伴う財政出動では本格的なデフレ脱却はかなわない。第三の矢が飛ばなければ、有権者の離反を招くことになり憲法改正などさらに夢のまた夢となるだろう。

<YU>

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