NYの視点:市場関係者は2016年に平均3回の米利上げを予想
[15/12/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
市場関係者は米連邦準備制度理事会(FRB)が今回の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを開始し、来年平均で3回の利上げを予想している。米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控えて、米国の経済専門局CNBCが実施した調査で明らかになった。しかし、来年の利上げに関する見解は大きく分かれた。回答者の3分の1は2016年の利上げは2回に留まると見ている。他の3分の1は4回の利上げ。21%は3回の利上げを予想している。1回の利上げに留まるとの見方がある一方、FRBが5回の利上げを実施するとの見方もある。
このことからも、FOMC声明でのガイダンス、イエレンFRB議長の会見やスタッフの経済予測Summary of Economic Projections(SEP)での金利見通しが重要となることがわかる。2016年のFF金利誘導目標予想は0.9%、2017年は1.61%、今回の利上げサイクルの終了見通しは2018年初旬で最終的な金利水準は2.6%。前回の調査から全体的に引き下げられている。
一方、対象となった42人のマネーマネジャー、エコノミスト、ストラテジストは、米国経済が景気後退(リセッション)に陥る確率を22.9%に引き上げ。2012年以来で最高となる。ゼロ金利から脱することは容易ではないことはすでに証明されている。日本銀行は2006年に一度利上げに踏み切ったあと、結局利下げに転じた。欧州中央銀行(ECB)も2011年に利上げを実施したのち、利下げに転じ結局マイナス金利を導入している。
大半の市場参加者は米国の利上げによる過剰な悪影響を予想していない。利上げが景気に与える影響もわずかだと見ている。住宅市場には影響を与えるものの預金金利の上昇により消費はかえって上向きになると見ている。
■市場関係者の予想(CNBC)
*2016年の利上げ(平均3回)
1回:12%
2回:29%
3回:21%
4回:29%
5回: 7%
*利上げ織り込み率
株式:80%(10月時点33%)
債券:85%(10月時点26%)
*国内総生産(GDP)
2015年+2.3%、2016年、2017年+2.4%
インフレ
2017年末に2.12%に上昇
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