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NYの視点:ECB定例理事会控えユーロ軟調か

注目トピックス 経済総合

欧州中央銀行(ECB)は、英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決定後、初めての定例理事会を今週開催する。英国のEU離脱の是非を問う国民投票の結果は市場に短期的なショックを与えたが、英国で速やかに新たな首相が就任、組閣も行われたため多くの金融市場が国民投票前の水準に回復。このため、英国中央銀行(BOE)のカーニー総裁と同様、ECBのドラギ総裁も緊急的な緩和措置をとる必要はないと見られる。BOEは、先週開催した金融政策決定会合で予想外に利下げを見送った。ECBも3月に大規模な緩和を発表後、引き続き様子見の方針を維持すると見られている。

同時に、多くのエコノミストはECBが年末までに追加緩和を導入すると見ていることが調査で明らかになった。ドラギ総裁は会合後の記者会見でも、成長を押し上げるためにはどんな手段も利用し、必要とあれば追加措置を講じることを辞さない断固とした方針を再表明すると見られる。ドラギ総裁はすでに英国の欧州連合(EU)離脱がユーロ圏の成長を今後3年間で0.5%削ると試算している。追加緩和ではQEの拡大よりは期間を延長する可能性が強いと見られている。

多くのソブリン債の利回りがマイナスとなっている状況下、ECBが量的緩和プログラムの一環として購入可能な債券が不足しつつある。ECB債券購入プログラムの対象となる国債は利回りが預金ファシリティ・レート(現行マイナス0.4%)以上のものが条件。質の高いドイツ連邦債が購入不可能になっていることはECBにとって困難な状況となる。ドイツ連邦債の2年物の利回りはすでにマイナス0.655%。このため、一部のアナリストはECBが今回の会合で債券購入の対象となる債券利回りの下限を引き下げると見ている。ECBが購入可能なドイツ連邦債が限定的となっていく中、プログラムの中期的な持続性や有効性に懐疑的な見方が広がっている。



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