人民元高に転じれば中国の資源銘柄はさらに下落か、サンワード貿易の松永氏(三井智映子)
[16/12/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
こんにちは、フィスコリサーチレポーター三井智映子の「気になるレポート」です。
中国の商品先物市場の夜間取引で、資源銘柄の下落が顕著になってきているようです。
松永さんによると『昨日の夜間取引では、上海ゴムが3.8%安、上海亜鉛が4.7%安、上海銅が2.7%安、上海鉄筋が3%安、上海鉛が6%安、上海熱延鋼板が2.6%安となり、資源銘柄の多くが大幅下落となりました。それにより高値から20%以上の下落となる弱気相場入りとなった非鉄金属銘柄も出始めました』とのことです。
また『中国の資源銘柄の多くは、昨日の日中取引と夜間取引での大幅下落により、大きく下放れとなった銘柄が続出することとなり、テクニカルが大きく変化した銘柄も増えております』と分析されています。
その背景には、人民元の基準値を人民銀行が大幅に引き下げたことが影響しているよう。
それについて松永さんは、『ドル人民元の年間下落率が過去20年間の最大にまで迫ろうとしている』と指摘した上で、『ドル高基調も一服し始めたことを受けて、(中略)人民銀行は、人民元高の流れに戻し、中国の資本流出を防ぎたい構えのようです。これまで中国が世界最大の米国債保有国を誇ってきましたが、ここにきて中国の米国債売却が進み、今月になって日本が世界最大の米国債保有国となりました。中国は、資本流出防止のために人民元防衛の資金を確保する目的で、米国債の売却を進めたようです』と分析しています。
『これまでの中国の資源銘柄の多くは、10月上旬からの力強い人民元安の流れを受けて上昇基調を強めてきただけに、ここで人民元高基調に転じれば、中国の資源銘柄への本格的な売りが加速する可能性もあります。上海ゴムにとっても、今後の人民元の行方が重要となりそうです』とのことですので、人民元の値動きにも注目していく必要がありそうです。
上記の詳細コメントは、ブログ「松永総研〜北浜の虎と呼ばれた男〜」の12月20日付「天然ゴム市場」「天然ゴム市場パート2」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
フィスコリサーチレポーター 三井智映子
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