米中通商問題を巡る動向に引き続き注目 住信SBIネット銀行(三井智映子)
[19/05/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
皆さん、こんにちは。フィスコマーケットレポーター三井智映子です。まずは、先週のマーケットを振り返ってみましょう。
先週は米国や中国の通商協議関連の報道に一喜一憂する値動きとなりました。週末は米政府がカナダとメキシコに課す鉄鋼とアルミニウムの追加関税の撤廃を決めたことや、日本や欧州連合(EU)からの輸入自動車に対する追加関税を最大180日延期との発表が買い安心感につながった一方で、中国商務部の報道官が米政府の対応を批判するなど、米中貿易協議の先行き不透明感につながるような報道は売り材料視されました。NY市場は下落、日経平均株価は週間で95円安と続落となっています。
また、米国が中国通信機器大手ファーウェイへの規制を強化したことが半導体株の下落につながりました。そのほか、米国が中東へ空母や爆撃機などを派遣したことや、イランの隣国イラクに駐在する大使館の一部の職員対して出国を指示していることなど、中東情勢が緊迫状態にあることも注視したいところです。
さて、今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。
まずレポートでは、今週のドル/円の値動きについて『先週末17日のNY市場での高値となった110円19銭を上抜け、5月6日のトランプ大統領による対中制裁関税発表前の水準に迫ることが出来るか、さらには先週の109円02銭を当面の下値として110円台での底堅い値動きを継続することが出来るか』に注目しています。
米中通商問題については、『中国通信機器大手ファーウェイへの規制強化への動きに対し、中国国営新華社は対米通商交渉に消極的とする論説を掲載、交渉再開の意思を示したトランプ政権への揺さぶりも見られるなど、米中通商問題の根深さへの懸念が引き続き相場の重石につながる可能性があります』と考察し、『こうした米中間の争いは、貿易戦争に留まらず覇権争いも含めた長期化に対する懸念を背景に新興国市場から安全資産とされる米国やドイツ国債への資金流出につながり、新興国通貨の軟調がリスク回避の動きを助長する一因となるか、注視が必要となりそうです』と伝えています。
また、日本では20日に1-3月期GDP速報値が発表されましたが、それを受けた政府の景況判断や日銀の緩和圧力の行方が注目されるとしています。
米国では23日未明に公表されるFOMC議事要旨に注意を向ける必要がありそうです。レポートでは、『先行きのインフレや景気、更には金融政策について欧州や中国経済など世界経済に対する懸念を背景に年内の利下げ観測を高める内容となるか』に注目しています。
欧州では今週23日から26日にかけて行われる欧州議会選挙にて751議席が争われることになりますが、『現有156議席のEU懐疑派の躍進について世論調査の結果次第ではユーロ売りが一段と進みドル高につながる可能性』があると考察しています。また、『メイ英首相も6月に退任時期を明らかにすると見られ、ポンドの対ドルでの軟調が先週に続き一段と加速するか注目されます』と伝えています。
こうした状況のなか、『米中双方が歩み寄る姿勢を見せるのか、リスク回避の一段の進行に歯止めがかかるか』を引き続き注目としながらも、『不透明な政治情勢を踏まえれば本格的なリスク選好の回復は難しい中、ドル/円は徐々に下値を切り上げながら110円台前半から半ばへの上昇に留まる慎重な値動き継続するものと思われます』と見解を示しています。
そのほか、レポートでは18日に行われた豪選挙にもふれています。事前予想に反し与党・保守連合が政権を維持したとのことですが、『6月4日の次回豪中銀政策委員会での利下げ観測も聞かれるだけに、強弱交錯する材料の中で豪ドルの動向も注目されます』と分析しています。
参考にしてみてくださいね。
上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
フィスコマーケットレポーター 三井智映子
<CN>
先週は米国や中国の通商協議関連の報道に一喜一憂する値動きとなりました。週末は米政府がカナダとメキシコに課す鉄鋼とアルミニウムの追加関税の撤廃を決めたことや、日本や欧州連合(EU)からの輸入自動車に対する追加関税を最大180日延期との発表が買い安心感につながった一方で、中国商務部の報道官が米政府の対応を批判するなど、米中貿易協議の先行き不透明感につながるような報道は売り材料視されました。NY市場は下落、日経平均株価は週間で95円安と続落となっています。
また、米国が中国通信機器大手ファーウェイへの規制を強化したことが半導体株の下落につながりました。そのほか、米国が中東へ空母や爆撃機などを派遣したことや、イランの隣国イラクに駐在する大使館の一部の職員対して出国を指示していることなど、中東情勢が緊迫状態にあることも注視したいところです。
さて、今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。
まずレポートでは、今週のドル/円の値動きについて『先週末17日のNY市場での高値となった110円19銭を上抜け、5月6日のトランプ大統領による対中制裁関税発表前の水準に迫ることが出来るか、さらには先週の109円02銭を当面の下値として110円台での底堅い値動きを継続することが出来るか』に注目しています。
米中通商問題については、『中国通信機器大手ファーウェイへの規制強化への動きに対し、中国国営新華社は対米通商交渉に消極的とする論説を掲載、交渉再開の意思を示したトランプ政権への揺さぶりも見られるなど、米中通商問題の根深さへの懸念が引き続き相場の重石につながる可能性があります』と考察し、『こうした米中間の争いは、貿易戦争に留まらず覇権争いも含めた長期化に対する懸念を背景に新興国市場から安全資産とされる米国やドイツ国債への資金流出につながり、新興国通貨の軟調がリスク回避の動きを助長する一因となるか、注視が必要となりそうです』と伝えています。
また、日本では20日に1-3月期GDP速報値が発表されましたが、それを受けた政府の景況判断や日銀の緩和圧力の行方が注目されるとしています。
米国では23日未明に公表されるFOMC議事要旨に注意を向ける必要がありそうです。レポートでは、『先行きのインフレや景気、更には金融政策について欧州や中国経済など世界経済に対する懸念を背景に年内の利下げ観測を高める内容となるか』に注目しています。
欧州では今週23日から26日にかけて行われる欧州議会選挙にて751議席が争われることになりますが、『現有156議席のEU懐疑派の躍進について世論調査の結果次第ではユーロ売りが一段と進みドル高につながる可能性』があると考察しています。また、『メイ英首相も6月に退任時期を明らかにすると見られ、ポンドの対ドルでの軟調が先週に続き一段と加速するか注目されます』と伝えています。
こうした状況のなか、『米中双方が歩み寄る姿勢を見せるのか、リスク回避の一段の進行に歯止めがかかるか』を引き続き注目としながらも、『不透明な政治情勢を踏まえれば本格的なリスク選好の回復は難しい中、ドル/円は徐々に下値を切り上げながら110円台前半から半ばへの上昇に留まる慎重な値動き継続するものと思われます』と見解を示しています。
そのほか、レポートでは18日に行われた豪選挙にもふれています。事前予想に反し与党・保守連合が政権を維持したとのことですが、『6月4日の次回豪中銀政策委員会での利下げ観測も聞かれるだけに、強弱交錯する材料の中で豪ドルの動向も注目されます』と分析しています。
参考にしてみてくださいね。
上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
フィスコマーケットレポーター 三井智映子
<CN>