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国内株式市場見通し:実質新年度相場入りへ、核セキュリティ・サミットに関心

注目トピックス 市況・概況

■日経平均は終値ベースで2月6日以来の安値

先週の日経平均は安値圏でのこう着。ウクライナ情勢を巡る米欧とロシアの対立を受けて、模様眺め気分の強い相場展開だった。注目されたクリミア住民投票が通過し、いったんはアク抜けを意識した局面もみられた。また、公示地価では東京、大阪、名古屋の三大都市圏はリーマン・ショック前の08年以来、6年ぶりのプラスに転換となり、不動産株への物色も。

しかし、次第に先物主導の相場展開となるなか、大口売買に左右させられる展開に。19日の日経平均は日中値幅が300円を超えているが、寄付きと大引け値の差は30円程度。20日については先物市場での大口売りをキッカケに下げ幅を拡大させていた。ウクライナ情勢の不透明や中国の景気減速への警戒がくすぶっているほか、3連休に入ることで大引けにかけての戻りもみられず、日経平均は終値ベースで2月6日以来の安値水準となった。

■中小型株や材料系の銘柄なども値を崩す動き

先物主導の売買に左右させられる状況のなか、この影響を避ける流れから本来、資金がシフトしやすい中小型株や材料系の銘柄なども値を崩す動きが目立つ。日経平均は2月安値のボトム形成を確認する流れは想定内であるが、足元の弱い動きによって需給悪化が警戒されるため、押し目買いスタンスも取りづらい需給状況である。14日時点の2市場信用残高をみると、日経平均が900円を超える下落局面において、買い残高が大量に積み上がっている。押し目買い意欲の強さは意識されるものの、そこからの一段安によって市場のセンチメントは冷え込む。

とはいえ、期末要因から機関投資家などは積極的には動きづらいとみられる一方、新年度入りによる思惑から底堅い展開が意識される。ただし、上値追いには慎重と考えられるなか、引き続き先物市場での仕掛け的な値動きには注意が必要だろう。

■年度末から実質新年度相場入り、CYBERDYNE上場

今週は年度末から実質新年度相場入りとなる。週前半は配当志向の物色が意識され、週後半はJPX400指数などへの意識が高まりやすいほか、高ROEでの割安銘柄を探る動きなどがありそうだ。そのほか、医療・福祉向け人支援ロボットを手掛けるCYBERDYNE(サイバーダイン)<7779>が26日にマザーズ市場に新規株式公開(IPO)する。市場の関心が集まりやすく、特に海外勢による注目度が高いようである。医療・介護支援ロボットは新たな成長産業の担い手として期待されていることもあり、不透明感のくすぶる市場のムードを一変させてもらいたいところである。

■核セキュリティ・サミットに関心

そのほか、経済スケジュールでは、オランダ・ハーグで24、25日に開かれる核安全保障サミット(核セキュリティ・サミット)での日米韓首脳会談が開催される可能性がある。日韓関係の関係が改善に向かうかが注目される。また、ウクライナ情勢に関する協議が行われるため、米欧とロシアの対立によるリスク回避的な流れには注意が必要か。26日には米国・EU首脳会議が開催される。

経済指標では海外で、ユーロ圏総合景気指数(24日)、中国HSBC製造業PMI(24日)、中国景気先行指数(25日)、米新築住宅販売件数(25日)、米耐久財受注(26日)、米10-12月GDP確定値(27日)、中国工業利益(27日)、米個人消費支出・所得(28日)、欧ユーロ圏景況感指数(28日)などが予定されている。国内では2月の消費者物価指数(CPI)(28日)が発表される。事前予想の中央値は、全国の生鮮食品を除いたコアCPIが前年同月比1.3%上昇と、9カ月連続のプラスとなる。



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