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新興市場見通し:中小型株に対する旺盛な物色意欲、短期的な過熱感は意識

注目トピックス 市況・概況

先週の新興市場は、個人投資家のマインド改善によるリスクオンムードが支援材料となり、上値を試す展開となった。とりわけ、ミクシィ<2121>が信用取引規制の一段の強化にも関わらず上値追いとなり、引き続き相場全体の牽引役に。ただし、マザーズ指数は3日まで初の11日続伸となるなど短期的な過熱感も強まり、週末にかけては主力株を中心に利益確定売りも。一方で、ゲーム関連やLINE関連、ロボット関連など、日替わりでのテーマ株物色は継続した。先週の上昇率は、日経平均が3.0%であったのに対して、マザーズ指数は7.1%、日経ジャスダック平均は3.2%だった。なお、先週末まで日経ジャスダック平均は12日続伸となり、12年11月15日から12月3日まで以来の連騰記録に。

個別では、ミクシィが週間で約15.2%の大幅上昇となった。短期的な過熱感は意識されたものの、クレディ・スイスが投資判断「アンダーパフォーム」を継続も、目標株価を11000円へと大幅に引き上げたことで過度な下値不安が後退した。また、フィックスターズ<3687>はみずほ証券のデリバティブ評価システムを、インテルのメニーコアプロセッサを用いて従来システムに比べ30倍高速化することに成功したと発表し上値追い。その他、LINEが早ければ11月に日本と米国で新規株式公開(IPO)すると報じられアドウェイズ<2489>などのLINE関連、ソフトバンクのロボット事業参入が刺激材料となりサイバーダイン<7779>などロボット関連が賑わった。一方、サイバーエージ<4751>はGSが投資判断を「買い」から「中立」へと引き下げたことが嫌気されたほか、STAP細胞の論文取り下げを受けてリプロセル<4978>などバイオ関連の一角が軟調だった。

今週の新興市場は、中小型株に対する旺盛な物色意欲が追い風となる一方、短期的な過熱感も意識される中で強弱感の対立する展開となりそうだ。先週は直近でミクシィに一極集中していた短期資金がLINE関連やロボット関連などに一部シフトするなど、物色に広がりが見られていた。あくまで短期資金による物色であるため、荒い値動きとはなるものの、値動きの軽さを材料視した売買は継続する公算。一方、マザーズ指数は200日線を回復したほか、先週末にかけては26週線水準に到達し、いったんはリバウンド一巡感が意識される可能性もあるだろう。

個別では、値動きの軽いテーマ株の循環物色となりそうだ。直近ではミクシィに連れ高する形でガンホーも戻り歩調を強めるなど、ゲーム関連には見直しの動きが向かいやすい。その他、LINE関連やロボット関連、直近IPO銘柄などが短期資金による物色で賑わうことが想定される。とりわけ、先週末の売買代金がマザーズ市場でトップ、全市場でも3位となったフィックスターズの動向次第では、直近IPO銘柄に見直しの動きが強まろう。ちなみに、今月末にかけてはフリークアウト<6094>など人気化が見込まれるIPO案件が控えていることも支援材料に。

その他、今週は10日から米ロサンゼルスで「Electronic Entertainment Expo(E3)」が開催されるためゲーム関連に関心が高まる可能性がある。また、サッカーW杯ブラジル大会の開幕を受けて、W杯関連などの動向も注目されそうだ。



<TN>

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