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新興市場見通し:中小型株への物色意欲後退でこう着感の強い展開か

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先週の新興市場は、堅調な主力大型株への資金シフトが生じたことから、相対的に低調に推移した。海外株高など外部環境の改善や、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の国内株式運用比率引き上げへの期待から、日経平均は上昇基調に。前週まで相場全体の地合いの悪さから個人投資家の資金の受け皿となっていた新興市場では、短期資金を巻き込んで上昇していた銘柄を中心に利益確定売り優勢となった。31日の日本銀行による追加金融緩和決定を受けて上昇する場面もあったが、日経平均との比較では上昇率は限定的だった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+7.3%であったのに対して、マザーズ指数は-0.4%、日経ジャスダック平均は+1.4%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で1.0%高と、プラスを確保したもののこう着感の強い展開となった。上期業績観測が報じられたが、サプライズとはならなかった。その他マザーズ主力銘柄では、サイバーダイン<7779>が同3.1%高、タカラバイオ<4974>が同5.3%高と堅調。タカラバイオは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とiPS細胞から心筋細胞を大量製造する技術を開発すると発表したことが好感された。また、オプティム<3694>は同13.5%高。29日に一時28900円の高値を付けた後は上値追いの動きは一服した。一方、ジャスダック主力銘柄では、ガンホー<3765>が同3.5%安、日本通信<9424>が同6.3%安と軟調だった。ガンホーは第3四半期決算が事前の観測報道の水準にやや届かなかった。また、日本通信は上期の減益決算が嫌気された。なお、30日にアルファポリス<9467>がマザーズ市場に新規上場し、公開価格を93.2%上回る初値となった。しかし、初値形成後は大量の利益確定売りに押され急落した。

今週の新興市場は、こう着感の強い展開が想定される。日銀の追加緩和やGPIFの国内株式運用比率引き上げなどによる投資家心理の改善が支援材料となる一方、投資家の関心は引き続き主力大型株に向かうとみられ、中小型株への物色意欲が再び高まるには時間を要するだろう。また、ガンホーが決算への期待先行で買われた後、発表を受けて下落したことから、決算を先回りした買いも手掛けにくくなったとみられる。

物色は、追加緩和を受けて、引き続き不動産や証券、外国為替証拠金取引(FX)などの緩和メリット関連銘柄に向かいそうだ。但し、いちごグループHD<2337>やアルデプロ<8925>などは31日に急伸しており、買い一巡後は反動安となる可能性も。また、急速に円安が進んだことから、トレックス・セミコンダクター<6616>などの海外売上比率の高い銘柄では業績上振れ期待が高まるだろう。

今週の主な決算発表は、4日にセプテーニ・HD<4293>、5日にタカラバイオやイリソ電子工業<6908>、6日にスターバックス<2712>やワイヤレスゲート<9419>、7日にミクシィ、日本マクドナルドHD<2702>、エスケー化研<4628>、東洋合成工業<4970>などが予定されている。また、7日にはエラン<6099>がマザーズ市場に新規上場予定。公開規模が20億円弱とマザーズ案件としてはやや大きいことから需給面への懸念が意識されており、直近のマザーズ案件と比較して低調な初値パフォーマンスにとどまる可能性がある。



<TN>

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