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為替週間見通し:ドルは底堅い展開か、米年内利上げ期待でドル高・株高の展開

注目トピックス 市況・概況
■ドルは2週間ぶりの高値、イエレンFRB議長は緩やかな利上げ支持

先週のドル・円は反発。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は26日、カンザシティ地区連銀が主催する年次経済シンポジウムで講演を行い、「米利上げの論拠はこの数カ月で強まった」、「雇用と物価目標の達成に近づいている」、「緩やかな利上げは適切になると今も考える」などの見解を表明したことがドル上昇の要因となった。ドルは26日のNY市場で2週間ぶりとなる101円94銭まで買われた。

また、フィッシャー米FRB副議長は一部メディアとの会見で「イエレン議長の発言は9月利上げの可能性と整合する」と答えたこともドル買い材料となった。週前半には、「イエレン米FRB議長の講演ではタカ派的な発言は見込みにくい」との観測が浮上し、ドル売りがやや強まる場面があった。しかしながら、FRB議長と副議長が利上げに前向きな姿勢を示したことから、市場関係者の間で9月利上げ観測が再浮上し、リスク選好的なドル買いが広がった。取引レンジ:99円94銭-101円94銭。

■ドルは底堅い展開か、米年内利上げ期待でドル高・株高の展開

今週のドル・円は底堅い展開か。カンザスシティ連銀主催の経済シンポジウムで講演を行ったイエレンFRB議長は利上げに対して肯定的な見解を表明した。フィッシャーFRB副議長は9月利上げの可能性を否定しなかったことから、年内2回の利上げ実施の思惑も浮上しており、ドルはやや強い動きを続けることになりそうだ。

年内利上げの可能性が高まっているが、経済情勢の改善を受けた行動であるならば、米国株式は穏やかに上昇する可能性があり、この動きはドル相場に対する支援材料となる。フィッシャーFRB副議長が9月を含む年内2回の利上げの可能性に言及したことから、26日のNYダウは小幅安となったが、米金融当局は経済の先行きに対してある程度の自信を持っているとの見方が出ている。利上げによって米国株が大幅に下落する可能性は低いと考えられていることも、ドルを下支えする一因となりそうだ。

日本銀行による追加緩和への期待が持続していることもドルに対する支援材料となる。日銀は次回会合(9月開催)で、これまでの金融緩和政策について総括的な検証を行うと表明している。9月20-21日開催の決定会合では、検証結果を踏まえて追加緩和措置が講じられるとの見方が広がっている。

【米・8月ISM製造業景況指数】(9月1日発表予定)

8月ISM製造業景況指数(23時)は52.0と7月の52.6から下振れる見通し。連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーは利上げに積極派と慎重派が明確に分かれており、経済指標の下振れの場合には慎重派の見解が意識され、ドル売りが強まる可能性があろう。

【米・8月雇用統計】(9月2日発表予定)

8月米雇用統計は、失業率4.8%、非農業部門雇用者数は前月比+18.0万人、平均時給は前年比+2.5%と予想されている。8月雇用統計が予想に沿ったまずまず良好な内容だった場合、9月を含めた早期利上げへの期待が高まりそうだ。ただし、予想を大きく下回った場合、年内利上げに対する市場の期待は後退し、ドル売り材料になるとみられる。

予想レンジ:100円50銭-103円50銭




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