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新興市場見通し: マザーズ指数は25日線回復、9月・10月IPOが続々発表

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けてリスク回避の売りが広がる場面も見られたが、全体としては堅調な展開となった。商いはなお盛り上がりに欠けるものの、値動きの軽い中小型株の循環物色が続いた。また、週半ばからの日経平均の上昇局面では、これまで軟調ぶりが目立っていたマザーズ主力株に買い戻しが入った。ジャスダックでは主力株の強さが目立ち、日経ジャスダック平均は連日で年初来高値を更新した。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.2%であったのに対して、マザーズ指数は+1.8%、日経ジャスダック平均は+2.2%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で0.9%高とやや伸び悩んだものの、サイバーダイン<7779>が同3.0%高、そーせいグループ<4565>が同7.6%高となった。そーせいグループは週末に英子会社の臨床試験開始を発表した。また、メタップス<6172>、アセンテック<3565>、エンバイオ・HD<6092>が活況を見せ、週間のマザーズ上昇率上位に並んだ。メタップスは韓国子会社による新仮想通貨取引所の開設が伝わっている。反面、アンジェス<4563>、インフォテリア<3853>、アカツキ<3932>などは利益確定売りに押され、ドリコム<3793>が下落率トップとなった。ジャスダック主力では、セリア<2782>が同11.4%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同8.0%高、エン・ジャパン<4849>が同6.8%高と堅調だった。セリアは一部外資系証券による投資評価引き上げが観測されている。売買代金上位では山王<3441>やデジタルアドベンチャー<4772>などが買われ、明豊エンタープライズ<8927>が週間のジャスダック上昇率トップだった。一方、ブロッコリー<2706>は新作ゲームの配信開始による材料出尽くし感から大きく売られ、下落率トップとなった。IPOでは、注目のUUUM<3990>が8月30日に上場し、翌日に公開価格の約3.3倍となる初値を付けた。

今週の新興市場は、中小型株の循環物色が続き堅調な展開となることが見込まれる。マザーズ指数は主力株のリバウンドもあって約1ヶ月ぶりに25日線を上回ってきている。上値抵抗として意識されていた同線を突破したことで、一段の戻りへ期待が高まりそうだ。足元で日経平均は上昇しているが、北朝鮮問題や米債務上限問題などの手控え材料は依然残り、個人投資家の物色は引き続き中小型株に向かいやすいだろう。

今週は9月5日にナ・デックス<7435>、6日にアスカネット<2438>、7日にアルトナー<2163>、8日にベステラ<1433>、フルスピード<2159>、モルフォ<3653>、アイリッジ<3917>、イトクロ<6049>、アイモバイル<6535>などが決算発表を予定している。今期大幅増益見通しとなっているベステラやフルスピード、前四半期まで好調に推移しているアイリッジやイトクロなどに注目したい。

IPO関連では、テックポイント・インク<6697>(9月29日、マザーズ)、MS&Consulting<6555>(10月5日、マザーズ)、ウェルビー<6556>(10月5日、マザーズ)、大阪油化工業<4124>(10月5日、ジャスダック)の新規上場が前週発表されている。テックポイントは初の海外企業による日本型預託証券(JDR)上場案件となる。IPO件数は9月が9社、10月が3社となった。




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