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新興市場見通し:中小型株主導で新年相場へ、直近IPO銘柄や人気テーマ株に注目

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、マザーズ銘柄を中心に売りが先行してスタートした。米税制改革法案が成立する見通しとなり、主力大型株優位の相場展開となった。ただ、その後は年末ムードもあって日経平均が23000円手前でのもみ合いとなり、個人投資家の物色は中小型株に向かった。マザーズ指数は6月に付けた年初来高値(1214.41pt)に迫る場面があり、上値では利益確定の動きも見られた。日経ジャスダック平均は連日で年初来高値を更新した。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.5%であったのに対して、マザーズ指数は+1.8%、日経ジャスダック平均は+0.8%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のサイバーダイン<7779>が週間で20.9%高となり、指数のけん引役となった。ロボットスーツの「医療用HAL」が米国で医療機器承認を取得した。ミクシィ<2121>も同1.7%高と堅調だったが、そーせいグループ<4565>は同2.9%安となった。売買代金上位ではサインポスト<3996>、ディジタルメディアプロフェッショナル<3652>などが買われた。また、12月IPO銘柄が活況を見せ、一家ダイニングプロジェクト<9266>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。反面、同じく直近IPO銘柄のエル・ティー・エス<6560>などは初値高騰の反動で売られる場面があり、業績下方修正のシリコンスタジオ<3907>が下落率トップとなった。ジャスダック主力ではハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同3.4%高、エン・ジャパン<4849>が同2.4%高と堅調だった。売買代金上位ではラクオリア創薬<4579>などが大きく買われ、前週上場のヴィスコ・テクノロジーズ<6698>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、ガーラ<4777>などは利益確定売りに押され、SAMURAI&J PARTNERS<4764>や精養軒<973>が下落率上位だった。IPOでは9社が新規上場し、前週から初値持ち越しとなっていたイオレ<2334>を含む4社が公開価格の2倍超の高い初値を付けた。東証1部上場銘柄でもオプトラン<6235>が人気となった。

今来週の新興市場は、新年相場への期待からしっかりした展開となりそうだ。日経平均はややこう着感が強まっているが、米法人減税の恩恵への期待などから底堅く推移するだろう。引き続き個人投資家による値幅取り狙いの物色は中小型株に向かいやすいとみられる。

年内のマザーズIPOが終わり、早くもエル・ティー・エスやみらいワークス<6563>といった直近IPO銘柄に物色が向かっている。また、働き方改革関連としてRPA(業務自動化)サービスを手掛ける企業などが人気化しているが、他にも来年の人気テーマを模索する動きが出てくるだろう。なお、今来週は12月26日にパレモ・HD<2778>、NaITO<7624>、27日に夢の街創造委員会<2484>、1月5日にマルマエ<6264>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、12月25日にABホテル<6565>がジャスダック及び名証2部へ、要興業<6566>が東証2部へ、26日にオプティマスグループ<9268>が東証2部へそれぞれ新規上場する。東海エリアを中心にホテルを展開するABホテルは派手さこそないものの、インバウンド需要への期待と公開規模の軽量感で人気を集めているようだ。要興業やオプティマスグループは公開規模がやや大きいが、「掉尾の一振」に期待する向きもあるだろう。




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