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新興市場見通し:マザーズ指数一時800pt割れ、弱気相場でIPO銘柄などに勝機も

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、マザーズ指数が下げ足を速めた。世界経済の減速や米利上げの影響に対する懸念から日米の主要株価指数が連日で大きく下落し、過去最大級のIPOとして注目されたソフトバンク<9434>も軟調な出足となって投資家心理を冷やした。新興市場では損失覚悟の売りが広がり、マザーズ指数は取引時間中としてはおよそ2年1カ月ぶりに800ptを割り込む場面があった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-5.7%であったのに対して、マザーズ指数は-13.9%、日経ジャスダック平均は-8.2%だった。

個別では、サンバイオ<4592>が週間で6.2%安、MTG<7806>が同17.2%安、ミクシィ<2121>が同12.7%安とマザーズ時価総額上位は軒並み大幅安。英国事業からの撤退を発表したメルカリ<4385>は同25.0%安となった。売買代金上位ではALBERT<3906>やピアラ<7044>が大きく売られ、子会社が廃棄物処理業等の認可を取り消されたエンバイオ・HD<6092>が週間のマザーズ下落率トップだった。一方、好決算のエニグモ<3665>や伊藤忠商事<8001>との資本業務提携を発表したフリークアウト・HD<6094>は逆行高となった。ジャスダック主力も日本マクドナルドHD<2702>が同7.4%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同8.6%安、ワークマン<7564>が同6.7%安と全般軟調。売買代金上位ではエムティジェネックス<9820>などが大幅に下落し、ムラキ<7477>やプリントネット<7805>が週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。反面、ワイエスフード<3358>や大塚家具<8186>には買いが向かった。なお、先週はIPOラッシュのピークで12社が新規上場した。ただ、相場全体の軟調地合いが響いて全般に初値は伸び悩み、前述したソフトバンクの上場後は一段と初値買いを手控えるムードが広がった。そのようななか、人工知覚技術を開発するKudan<4425>が人気化した。

今来週の新興市場では、マザーズ指数の不安定な動きが続きそうだ。先週までの大幅下落で需給整理が進み、IPOラッシュを通過することも需給面の追い風になると期待される。しかし、先週末の米国市場でNYダウが大幅続落し、連休明けの日経平均は節目の2万円割れが視野に入ってきた。個人投資家の弱気ムードが一段と強まり、中小型株の反転機運も高まりづらいだろう。

とはいえ、年末年始には人工知能(AI)などの先端技術に関する特集が各種メディアに掲載されるため、ALBERTといった関連銘柄への関心が高まることに期待したい。IPOが一巡することにより、直近IPO銘柄を見直す動きも想定される。初値が飛ばなかった分、今後の評価余地は大きいだろう。なお、今来週は12月25日にパレモ・HD<2778>、27日に夢の街創造委員会<2484>、オプトエレクトロニクス<6664>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、12月25日にリンク<4428>とベルトラ<7048>がマザーズへ新規上場する。リンクは自動発注・在庫最適化ソフトを手掛け、ベルトラは海外・国内の現地体験型オプショナルツアー専門のオンライン予約サイトを運営する。ともに公開規模はさほど大きくない。なお、同日上場予定だったレオス・キャピタルワークスは延期を発表している。これで18年のIPOは全て終わり、当面はIPO空白期間となる見込み。




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