ビットアイル<3811>クラウドやSaaS等新たなサービス需要の高まりから良好な事業環境が続く
[14/04/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』4月14日放送において、ビットアイル<3811>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■事業概況
ビットアイルは都市型データセンターの運営事業を手掛ける。データセンターは現在、品川区に3 つ、文京区に1 つ、計4 つを自社保有している。今年11 月には文京区内で5つ目となる新たなデータセンターでのサービス開始を計画している。1月現在の取引社数は654社、うち、 コンテンツプロバイダや広告会社などITサービス企業は262社、SIやエンタープライズなど一般企業は392社。
データセンターとは、サーバーや通信機器の設置・運用に特化した機能を持つ施設である。顧客企業にとっては、災害などの緊急時でも自社のサーバーやデータなどを安定して運用・保管できるというメリットがある。データセンタービジネスは、月額料金で、顧客企業にサーバーを設置する場所を貸し出すため、不動産賃貸に近いビジネスと言える。今後も、企業のIT 利用の高性能化などで情報量は大幅に拡大が予想され、使用するサーバーは増加していくと考えられる。こうした状況下、震災危機対策などから、自社内に設置するよりも免震性に優れたデータセンターを選好すると考えられるため、同社などのデータセンター運営事業者は中長期に亘りビジネスチャンスが広がっていくと期待される。
同社の事業は、顧客のサーバーやネットワーク機器を預かり、電源設備や空調設備を提供しているiDC サービス、サーバーやネットワーク機器の貸出しや預かったサーバー等の運用・監視を行なっているマネージドサービス、ITエンジニアの派遣やシステム構築を行なっているソリューションサービスに主に分類されている。
■業績動向
今7月期上半期の売上高は88億円で前年同期比9.5%増、一方、営業利益は15億円で同5.8%の減少となった。iDCサービスの売上高は54億円で同0.6%の増加。期間末の稼動ラック数は4528ラックと同1.3%増加となり、売上高、顧客数ともに着実な積み上げを達成。マネージドサービスはクラウドサービス販売の好調を背景に、売上高は23億円で同12.8%増加。ソリューションサービスの売上高は10億円で同57.0%増、システムインテグレーション、エンジニアリングサービスの提供が引き続き好調であった。
営業減益の背景は、主に電力料金上昇の影響が響いたほか、人件費や広告宣伝費が上昇したことが挙げられる。また、100ラック規模の大口解約が発生して、第2四半期の売上が伸び悩んだことも一因に。
通期業績は上半期決算時に下方修正、売上高は188億円から180億円に、営業利益は35億円から27億円に減額修正している。これは、期初に見込んでいた複数の大型案件の受注遅延、大口顧客向けの単価下落などが背景。二つの大口案件の契約時期は5-7月、8-10月頃となるようだ。
来7月期業績は増収増益に転じる予想。営業体制を強化している一般企業向けを中心とした稼働ラック数の着実な増加、電力料金負担の軽減などが見込まれるため。また、2013年にかけて大型のデータセンター開設が相次いだが、2014年には供給増加は一段落する公算となっている。現段階で、営業利益は2ケタ増益を予想するアナリストが多くなっているようだ。
■今後の展開など
データセンターの市場規模は、2013年の9926億円から、クラウドコンピューティングやSaaS等新たなサービス需要の高まりなどにより、2017年には1兆2831億円に達すると見込まれ、その後も7%程度の成長が見込まれている。当面は良好な事業環境が続く見通し。
積極化しているクラウドサービスの新展開としては、日本マイクロソフトの「Microsoft Windows Azure」の国内リージョンと連携するハイブリッドクラウドの提供開始、初のアジア拠点としてSCALR社のクラウド環境監視ツール「SCALR」の提供開始、IBMのクラウドサービス「SoftLayer」との専用線接続サービス提供開始などが挙げられる。
新規事業であるエネルギー事業では、広島メガソーラーの運用を2013 年2 月に運用開始している。今後の戦略として、主に本州以外のプロジェクトに関しては、子会社を通じてメガソーラー施設と不動産の転売により収益確保を図るほか、投資効率が高いプロジェクトに関しては、ノンリコースローンおよびSPC 化を活用して、自社運用プロジェクトを拡充する方針としている。
今年3月には自己株式の取得を実施。発行済み株式数の1.68%に当たる60万株を、3月19日から25日までの期間で上限一杯まで取得している。今後も自社株買い発表の際には、需給インパクトの強まりが期待されることになろう。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■事業概況
ビットアイルは都市型データセンターの運営事業を手掛ける。データセンターは現在、品川区に3 つ、文京区に1 つ、計4 つを自社保有している。今年11 月には文京区内で5つ目となる新たなデータセンターでのサービス開始を計画している。1月現在の取引社数は654社、うち、 コンテンツプロバイダや広告会社などITサービス企業は262社、SIやエンタープライズなど一般企業は392社。
データセンターとは、サーバーや通信機器の設置・運用に特化した機能を持つ施設である。顧客企業にとっては、災害などの緊急時でも自社のサーバーやデータなどを安定して運用・保管できるというメリットがある。データセンタービジネスは、月額料金で、顧客企業にサーバーを設置する場所を貸し出すため、不動産賃貸に近いビジネスと言える。今後も、企業のIT 利用の高性能化などで情報量は大幅に拡大が予想され、使用するサーバーは増加していくと考えられる。こうした状況下、震災危機対策などから、自社内に設置するよりも免震性に優れたデータセンターを選好すると考えられるため、同社などのデータセンター運営事業者は中長期に亘りビジネスチャンスが広がっていくと期待される。
同社の事業は、顧客のサーバーやネットワーク機器を預かり、電源設備や空調設備を提供しているiDC サービス、サーバーやネットワーク機器の貸出しや預かったサーバー等の運用・監視を行なっているマネージドサービス、ITエンジニアの派遣やシステム構築を行なっているソリューションサービスに主に分類されている。
■業績動向
今7月期上半期の売上高は88億円で前年同期比9.5%増、一方、営業利益は15億円で同5.8%の減少となった。iDCサービスの売上高は54億円で同0.6%の増加。期間末の稼動ラック数は4528ラックと同1.3%増加となり、売上高、顧客数ともに着実な積み上げを達成。マネージドサービスはクラウドサービス販売の好調を背景に、売上高は23億円で同12.8%増加。ソリューションサービスの売上高は10億円で同57.0%増、システムインテグレーション、エンジニアリングサービスの提供が引き続き好調であった。
営業減益の背景は、主に電力料金上昇の影響が響いたほか、人件費や広告宣伝費が上昇したことが挙げられる。また、100ラック規模の大口解約が発生して、第2四半期の売上が伸び悩んだことも一因に。
通期業績は上半期決算時に下方修正、売上高は188億円から180億円に、営業利益は35億円から27億円に減額修正している。これは、期初に見込んでいた複数の大型案件の受注遅延、大口顧客向けの単価下落などが背景。二つの大口案件の契約時期は5-7月、8-10月頃となるようだ。
来7月期業績は増収増益に転じる予想。営業体制を強化している一般企業向けを中心とした稼働ラック数の着実な増加、電力料金負担の軽減などが見込まれるため。また、2013年にかけて大型のデータセンター開設が相次いだが、2014年には供給増加は一段落する公算となっている。現段階で、営業利益は2ケタ増益を予想するアナリストが多くなっているようだ。
■今後の展開など
データセンターの市場規模は、2013年の9926億円から、クラウドコンピューティングやSaaS等新たなサービス需要の高まりなどにより、2017年には1兆2831億円に達すると見込まれ、その後も7%程度の成長が見込まれている。当面は良好な事業環境が続く見通し。
積極化しているクラウドサービスの新展開としては、日本マイクロソフトの「Microsoft Windows Azure」の国内リージョンと連携するハイブリッドクラウドの提供開始、初のアジア拠点としてSCALR社のクラウド環境監視ツール「SCALR」の提供開始、IBMのクラウドサービス「SoftLayer」との専用線接続サービス提供開始などが挙げられる。
新規事業であるエネルギー事業では、広島メガソーラーの運用を2013 年2 月に運用開始している。今後の戦略として、主に本州以外のプロジェクトに関しては、子会社を通じてメガソーラー施設と不動産の転売により収益確保を図るほか、投資効率が高いプロジェクトに関しては、ノンリコースローンおよびSPC 化を活用して、自社運用プロジェクトを拡充する方針としている。
今年3月には自己株式の取得を実施。発行済み株式数の1.68%に当たる60万株を、3月19日から25日までの期間で上限一杯まで取得している。今後も自社株買い発表の際には、需給インパクトの強まりが期待されることになろう。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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