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カイオム Research Memo(5):第1四半期は減収営業損失拡大もほぼ計画どおりの進捗

注目トピックス 日本株
■業績動向

(1)2014年12月期第1四半期決算の概要

カイオム・バイオサイエンス<4583>が8月14日付で発表した2014年12月期の第1四半期(4-6月期)の連結業績は、売上高が78百万円、営業損失が285百万円、経常損失が285百万円、四半期純損失が267百万円となった。対前四半期比では売上高が減収となったほか、営業損失も若干拡大したが、ほぼ会社計画どおりの進捗となった。売上高の減収要因は、創薬アライアンス事業の落ち込みによる。また、営業損失については研究開発費の増加が要因となっている。研究開発の主なものとしては、完全ヒトADLib(R)システムの多様化レベル向上、ライブラリの拡充、困難的抗原に対する特異的抗体作製など、パイプラインの拡充や戦略抗体の創出にかかる費用となっている。

事業セグメント別の動向は以下のとおり。

○創薬アライアンス事業

当第1四半期の売上高は70百万円(前四半期92百万円)、セグメント利益は42百万円(同35百万円)となった。中外製薬グループ向けの売上高が減少したものの、研究開発稼働は順調で計画どおりの進捗となっている。また、子会社のリブテックにおいては、がん治療用抗体「LIV-2008」の共同研究先であるヤクルト本社と、リブテック主導による各種非臨床試験が継続されている。

○リード抗体ライセンスアウト事業

同社初のリード抗体候補である抗セマフォリン3Aに関して、横浜市立大学と共同研究を行っている段階にある。炎症性疾患モデル(敗血症・DICモデル)とがん領域を適用領域として、疾患モデル動物での薬効試験を開始している。また、技術提携先のBiotecnol社と、がん領域での治療用抗体の研究開発プロジェクトに関しても順調に推移しているほか、複数の大学や公的研究機関等との連携を強化し、新規治療用抗体の探索を継続して行っている。現在、共同研究の依頼案件は増加しており、同社ではADLib(R)システムに最適な開発案件を取捨選択し、絞り込んでいる状況にある。このため、まだ同事業の売上高は計上されていない。

○基盤技術ライセンス事業

当第1四半期の売上高は7百万円、セグメント利益も7百万円となり、会社計画どおりの進捗となった。オリジナルADLib(R)システムの技術導出先である富士レビオの欧州子会社が、ビタミンD測定用の抗体を含む診断キット(くる病患者の診断用等として使用)の販売を2013年12月より開始しており、売上高に応じたロイヤルティ収入やADLib(R)システムの年間使用料等を計上している。このほか、技術ライセンスに興味を持つ国内外企業との間で技術評価試験の実施及び技術ライセンススキームの交渉などを行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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