ヘリオス テクノ Research Memo(4):ランプは露光装置用光源ユニットに期待
[15/01/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■各事業部門の詳細
(1)ランプ事業
ランプ事業の種類別内訳を下のグラフに掲げた。自社で4種類の製品を製造しているほか、他社からの仕入品も販売している。プロジェクター用ランプは過去に比べて大きく減少し、代わって露光装置用ユニットとLEDランプが伸びてきていることがわかる。
ランプ事業においてヘリオス テクノ ホールディング<6927>が今後の成長に期待を寄せるのは、露光装置用光源ユニットだ。これは、LCD(液晶)パネルの重要部材であるカラーフィルター製造用の露光装置で使用されるものだ。同社は光源としてのランプの販売にとどまらず、多数のランプを組み込んで光源ユニットに仕立てて、露光装置メーカーに納入している。同社はこの分野の大手企業に主として納入しているほか、他のメーカーとも露光ユニット納入に向けての商談が進みつつあるようだ。また、ランプには寿命があるため、露光装置の設置台数が積み上がることで、補修用ランプの売上高も堅調に伸びつつある。現状では、新規装置製造向けのランプユニット出荷と、既設の製造装置向けの補修用の出荷とが半々程度になってきているとみられる。
LEDランプも今後の成長が期待されている。照明分野全般で従来の白熱灯、蛍光灯、水銀灯などから省エネ効果の高いLEDへのリプレースが進んでいるが、同社もその流れに沿って商品開発を行っている。同社は競合の少ないニッチ市場に注力している。具体的には、高天井用や看板用照明などの分野だ。また、ゴルフ練習場で使用される1000Wクラスの水銀燈の代替用や一般照明用コンパクト蛍光灯の代替などでも同社製品の販売が好調のようだ。同社はLEDチップを外部から購入している。したがって、かつてのハロゲンランプやメタルハライドランプが主力製品だった時と比較して、採算性を高めにくいとみられる。ランプ専業メーカーとしての知見を活かして、競合が少なく有利な販価設定が可能な製品タイプに特化するなどの施策を通じて、利益率を高めていけるかがポイントになってこよう。
プロジェクター用ランプはかつての10分の1以下にまで価格が低下したことやプロジェクターの新規需要が一巡したとみられることから、大きな成長は期待しにくい。ただ一方で、今後需要が消滅する可能性も低い。投射型プロジェクターはビジネスなどの現場で幅広く使われているためだ。しかも、プロジェクター用ランプを手掛ける企業が、同社のほかには蘭フィリップス、独オスラム、ウシオ電機等数社しかない。市場自体は決して大きくはないが、同社のランプ事業にとっては今後も、円安効果もありベースを支える重要な事業であり続けると弊社ではみている。
今後の見通しでポジティブなストーリーが期待できる点が1つ出てきている。これまではフィリップスの特許に抵触しないように、同社は直流タイプのプロジェクター用ランプを製造してきた。しかしこのフィリップスの特許が間もなく切れるため、同社も交流タイプの製造販売を開始する予定だ。これは、同社にとっては純粋に商機拡大につながるものであり、ポジティブ要因であると言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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