ルネサスイーストン<9995>ZMPへの思惑から自動運転車関連への波及
[15/04/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』4月2日放送において、ルネサスイーストン<9995>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■注目ポイント
公募・売出実施に伴う需給悪化の顕在化で、足元の株価は低調推移だが、本日は下ヒゲを残して切り返すなど、ここにきて公募取得組の処分売りにも一巡感が見られ始めている。また、本日はLINEの上場申請再申請報道でLINE関連銘柄が一斉に人気化しているが、今年の期待IPO銘柄の一つには自動運転車関連のZMPなども挙げられており、目先、自動運転車関連などにも波及する可能性がある。ルネサスエレクの有力特約店である同社も関連銘柄の一角と位置づけられるため、目先、自律反発の動きを強めるものと考えたい。
なお、今回の売出では、ルネサスエレが保有の同社株を150 万株売出しているが、これは同社からルネサスエレへの依頼である。投資家層の拡大及び株式流動性の向上を図るためであり、両社は強固な関係を維持している。
■事業概要
同社は半導体や電子部品を主に取り扱う技術系エレクトロニクス商社。集積回路や半導体素子、液晶パネル等の表示デバイスといった製品が主たる取扱製品。商品の仕入先内訳を見ると、ルネサスエレ社が82% を占めている。一方、販売先の内訳では、自動車分野と産業分野が特に大きく、それぞれ45%、37% を占めている。残りの18% はアミューズメント機器や民生・家電機器・OA 機器等となっている。
■同社の強み
同社は、「ルネサスエレ社の直下の販売代理店16 社の中で、トップクラスの取扱量・販売実績を有する販売代理店」であり、ルネサスエレ社との関係ではこれこそが最大の強みであると言える。また、同社の単一最大顧客は現状、日立オートモティブシステムズである。同社は歴史的に日立製作所との関係が深いが、日立製作所が半導体事業を分社化してしまった現在、日立製作所グループとの関係では、商品仕入れ先に加え商品販売先、すなわち「顧客」としての関係も強くなっている。
同社の強みをまとめると、ルネサスエレ社と日立製作所グループという2 大企業グループをつなぐ位置に立って事業を展開しているということと、それぞれとの関係において受け身でいるのではなく、互恵関係の構築に成功していることにあると考えられる。それゆえ、同社の現在の事業基盤は簡単には揺るがない、強固なものであるとみている。
■業績動向
2015 年3 月期第3 四半期決算は、売上高が64,180百万円で前年同期比1.3%増、営業利益が1,296 百万円で同16.7%増、経常利益が1,376百万円で同23.8%増)となった。品目別売上高では、集積回路はロジックICが自動車分野を中心に増加し、前年同期比0.6%増の471.14億円、半導体素子は光デバイスが産業分野を中心に増加し、同2.6%増の100.66億円、表示デバイスは商流移管により民生分野が減少し、同13.4%減の12.65億円、その他はパーツが産業・民生分野を中心に増加し、同9.1%増の57.33億円だった。
2015年3月期通期については、売上高が前期比3.5%増の875.00億円、営業利益が同11.5%増の16.45億円、経常利益が同13.5%増の16.75億円としている。昨年10月に修正した計画を据え置いている。通期計画に対する第3四半期営業利益の進捗率は78.8%と順調推移。分野別は、主力の自動車の堅調推移傾向は第4 四半期に入っても変わっていないとみられる。
2016 年3 月期は現中計の中では売上高100,000 百万円、営業利益2,000 百万円と計画さ
れている。中計どおりの数値となれば、営業利益の増益率は2割超となる。決算発表におけるガイダンスリスクも乏しいと考えられよう。
■株主還元
同社は株主還元を重要な経営課題と位置付け、配当による株主還元を基本方針としている。過去の推移を見ると、同社は5 円をベースにして一時的に赤字であっても配当を継続して
きた実績があるが、2012年3 期に10円配に引き上げて以降、10円がベースという位置付けになっている。2015 年3 月期の配当予想について同社は12円を公表している。これは普通配当10 円と記念配当2 円という内訳だ。同社の業績が中計に沿った形で拡大して行けば、ベースとなる配当水準が1 段切り上がる可能性もあろう。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■注目ポイント
公募・売出実施に伴う需給悪化の顕在化で、足元の株価は低調推移だが、本日は下ヒゲを残して切り返すなど、ここにきて公募取得組の処分売りにも一巡感が見られ始めている。また、本日はLINEの上場申請再申請報道でLINE関連銘柄が一斉に人気化しているが、今年の期待IPO銘柄の一つには自動運転車関連のZMPなども挙げられており、目先、自動運転車関連などにも波及する可能性がある。ルネサスエレクの有力特約店である同社も関連銘柄の一角と位置づけられるため、目先、自律反発の動きを強めるものと考えたい。
なお、今回の売出では、ルネサスエレが保有の同社株を150 万株売出しているが、これは同社からルネサスエレへの依頼である。投資家層の拡大及び株式流動性の向上を図るためであり、両社は強固な関係を維持している。
■事業概要
同社は半導体や電子部品を主に取り扱う技術系エレクトロニクス商社。集積回路や半導体素子、液晶パネル等の表示デバイスといった製品が主たる取扱製品。商品の仕入先内訳を見ると、ルネサスエレ社が82% を占めている。一方、販売先の内訳では、自動車分野と産業分野が特に大きく、それぞれ45%、37% を占めている。残りの18% はアミューズメント機器や民生・家電機器・OA 機器等となっている。
■同社の強み
同社は、「ルネサスエレ社の直下の販売代理店16 社の中で、トップクラスの取扱量・販売実績を有する販売代理店」であり、ルネサスエレ社との関係ではこれこそが最大の強みであると言える。また、同社の単一最大顧客は現状、日立オートモティブシステムズである。同社は歴史的に日立製作所との関係が深いが、日立製作所が半導体事業を分社化してしまった現在、日立製作所グループとの関係では、商品仕入れ先に加え商品販売先、すなわち「顧客」としての関係も強くなっている。
同社の強みをまとめると、ルネサスエレ社と日立製作所グループという2 大企業グループをつなぐ位置に立って事業を展開しているということと、それぞれとの関係において受け身でいるのではなく、互恵関係の構築に成功していることにあると考えられる。それゆえ、同社の現在の事業基盤は簡単には揺るがない、強固なものであるとみている。
■業績動向
2015 年3 月期第3 四半期決算は、売上高が64,180百万円で前年同期比1.3%増、営業利益が1,296 百万円で同16.7%増、経常利益が1,376百万円で同23.8%増)となった。品目別売上高では、集積回路はロジックICが自動車分野を中心に増加し、前年同期比0.6%増の471.14億円、半導体素子は光デバイスが産業分野を中心に増加し、同2.6%増の100.66億円、表示デバイスは商流移管により民生分野が減少し、同13.4%減の12.65億円、その他はパーツが産業・民生分野を中心に増加し、同9.1%増の57.33億円だった。
2015年3月期通期については、売上高が前期比3.5%増の875.00億円、営業利益が同11.5%増の16.45億円、経常利益が同13.5%増の16.75億円としている。昨年10月に修正した計画を据え置いている。通期計画に対する第3四半期営業利益の進捗率は78.8%と順調推移。分野別は、主力の自動車の堅調推移傾向は第4 四半期に入っても変わっていないとみられる。
2016 年3 月期は現中計の中では売上高100,000 百万円、営業利益2,000 百万円と計画さ
れている。中計どおりの数値となれば、営業利益の増益率は2割超となる。決算発表におけるガイダンスリスクも乏しいと考えられよう。
■株主還元
同社は株主還元を重要な経営課題と位置付け、配当による株主還元を基本方針としている。過去の推移を見ると、同社は5 円をベースにして一時的に赤字であっても配当を継続して
きた実績があるが、2012年3 期に10円配に引き上げて以降、10円がベースという位置付けになっている。2015 年3 月期の配当予想について同社は12円を公表している。これは普通配当10 円と記念配当2 円という内訳だ。同社の業績が中計に沿った形で拡大して行けば、ベースとなる配当水準が1 段切り上がる可能性もあろう。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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