ハウスコム Research Memo(2):サービス内容の充実を図り顧客満足度を高め、価格競争を回避
[15/06/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
沿革
ハウスコム<3275>は、1998年に大東建託(株)の100%出資子会社として、賃貸建物の仲介斡旋を事業目的に設立された。2003年に現在の(株)ジューシィ情報センターから、首都圏及び中部圏の62店舗の営業権を取得し、店舗網の基盤とした。直営店の新規出店とともに、周辺業務(損害保険代理店・リフォーム工事取次・引越取次・広告代理店など)を取り込み、順調に業績を伸ばしてきた。現在、全国145店の直営店を持つ(2015年6月1日現在)。
事業概要
同社の事業は、「不動産賃貸仲介事業」と「仲介関連サービス事業」が柱であり、営業収益の84%(2015年3月期)を占める。
「不動産賃貸仲介事業」は、住宅を探す個人に対して、アパートやマンションの賃貸物件を紹介し、成約時に不動産仲介手数料を得るサービスである。営業収益構成比は52.4%(2015年3月期)であり、同社の事業の中核である。
「仲介関連サービス事業」は、家主及び入居者の不動産仲介に伴って発生するニーズに対応した事業である。広告代理店手数料、リフォーム・リノベーション、鍵交換、損害保険、ブロードバンド/CATVサービスなど多岐にわたり、営業収益の31.5%(2015年3月期)を構成する。
事業環境
賃貸仲介市場は、世帯数の推移に影響を受ける。国立社会保障・人口問題研究所によると、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)及び愛知県においては、2025年まで世帯数が増加し、それ以降の減少ペースも他の地域よりも緩やかになると予測されている。
また、世帯の中でも単独世帯が増加する傾向が続く。同社のワンルーム(1DK、1LDK含む)の契約数は全体の約6割であり、同社の顧客層の増加が期待できる。
世帯数について
このようなマクロ環境の中で、同社の直営店舗は、首都圏と東海地方に集中しており、市場の成長を取り込める環境にある。
不動産賃貸市場は、景気動向、金融動向、住宅税制などの経済状況からも影響も受ける。近年首都圏の賃貸住宅成約件数は、東日本大震災や消費税増税などがあったものの、景気の回復基調が続いており、安定的に推移している。
国土交通省「平成25年度末宅建業者と取引主任者の統計について」によると、宅地建物取引業者の数はバブル崩壊以降減り続ける傾向にある(1995年度:約14.1万業者、2014年度:約12.2万業者)。一方でチェーン化した企業グループが業界内のポジションを高めている。同社は、週刊全国賃貸住宅新聞が発表した賃貸仲介件数ランキング(直営店のみ、2013年10月〜2014年9月)において、大東建託(1位)、ミニミニ(2位)、エイブル(3位)に次ぐ4位に位置している。競合他社には、仲介手数料を半額にするなど価格面の競争を指向する不動産業者もあるが、同社はサービス内容の充実を図ることで顧客満足度を高め、価格競争を回避している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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沿革
ハウスコム<3275>は、1998年に大東建託(株)の100%出資子会社として、賃貸建物の仲介斡旋を事業目的に設立された。2003年に現在の(株)ジューシィ情報センターから、首都圏及び中部圏の62店舗の営業権を取得し、店舗網の基盤とした。直営店の新規出店とともに、周辺業務(損害保険代理店・リフォーム工事取次・引越取次・広告代理店など)を取り込み、順調に業績を伸ばしてきた。現在、全国145店の直営店を持つ(2015年6月1日現在)。
事業概要
同社の事業は、「不動産賃貸仲介事業」と「仲介関連サービス事業」が柱であり、営業収益の84%(2015年3月期)を占める。
「不動産賃貸仲介事業」は、住宅を探す個人に対して、アパートやマンションの賃貸物件を紹介し、成約時に不動産仲介手数料を得るサービスである。営業収益構成比は52.4%(2015年3月期)であり、同社の事業の中核である。
「仲介関連サービス事業」は、家主及び入居者の不動産仲介に伴って発生するニーズに対応した事業である。広告代理店手数料、リフォーム・リノベーション、鍵交換、損害保険、ブロードバンド/CATVサービスなど多岐にわたり、営業収益の31.5%(2015年3月期)を構成する。
事業環境
賃貸仲介市場は、世帯数の推移に影響を受ける。国立社会保障・人口問題研究所によると、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)及び愛知県においては、2025年まで世帯数が増加し、それ以降の減少ペースも他の地域よりも緩やかになると予測されている。
また、世帯の中でも単独世帯が増加する傾向が続く。同社のワンルーム(1DK、1LDK含む)の契約数は全体の約6割であり、同社の顧客層の増加が期待できる。
世帯数について
このようなマクロ環境の中で、同社の直営店舗は、首都圏と東海地方に集中しており、市場の成長を取り込める環境にある。
不動産賃貸市場は、景気動向、金融動向、住宅税制などの経済状況からも影響も受ける。近年首都圏の賃貸住宅成約件数は、東日本大震災や消費税増税などがあったものの、景気の回復基調が続いており、安定的に推移している。
国土交通省「平成25年度末宅建業者と取引主任者の統計について」によると、宅地建物取引業者の数はバブル崩壊以降減り続ける傾向にある(1995年度:約14.1万業者、2014年度:約12.2万業者)。一方でチェーン化した企業グループが業界内のポジションを高めている。同社は、週刊全国賃貸住宅新聞が発表した賃貸仲介件数ランキング(直営店のみ、2013年10月〜2014年9月)において、大東建託(1位)、ミニミニ(2位)、エイブル(3位)に次ぐ4位に位置している。競合他社には、仲介手数料を半額にするなど価格面の競争を指向する不動産業者もあるが、同社はサービス内容の充実を図ることで顧客満足度を高め、価格競争を回避している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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