ウィルグループ Research Memo(1):今期も売上高、営業利益、経常利益ともに2ケタ成長を見込む
[15/07/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ウィルグループ<6089>は、5月8日、2015年3月期連結決算を発表した。売上高、利益ともに前年同期比で2ケタの成長を達成し、4期連続で過去最高を更新した。順調な業績拡大を続けているため、上場からわずか1年後の2014年12月に東証二部から一部銘柄への指定も果たした。
商品販売のスタッフ派遣及び業務請負を行う「セールスアウトソーシング事業」、コールセンターのオペレーター派遣及びコールセンター業務の請負をする「コールセンターアウトソーシング事業」、製造業における工場などの軽作業の業務スタッフの派遣と業務請負を行う「ファクトリーアウトソーシング事業」の主力3事業のすべてが大幅な増収となった。利益に関しては、コールセンターアウトソーシング事業で短期案件の増加がコストアップ要因となり、セグメント利益は微減となったものの、他の2事業のセグメント利益は前期比40%前後の大きな伸びを示した。
好調な業績を達成できた理由は、「ハイブリッド派遣」という特有の派遣方式による独自のビジネスモデルをもとに「シェア拡大」「エリア拡大」「新規事業の拡充」という3つの成長戦略が着実に進展しているためである。
「新規事業の拡充」において、今後の更なる成長を担う「その他の事業」は、複数の国内新規事業と海外事業で構成され、全体としては赤字が続くものの、個々の事業を見ると複数の事業で大きな進展が見られた。国内では介護職派遣とインターネット業界系人材紹介の2事業が急拡大した。海外では2014年8月にシンガポールの人材紹介会社を買収したのを始め、複数の資本業務提携や新市場進出を行い、ASEAN市場全域で事業を展開できる体制の構築を大きく前進させた。
「新規事業の拡充」におけるトピックは、それだけではない。社内のビジネスコンテストなどから複数のユニークな新事業が立ち上がっている。さらに、新年度に入った2015年4月にはコーポレートベンチャーキャピタルを設立し、既に複数の投資案件を決定するなど、外部の優れたビジネスの発掘にも乗り出した。また、M&Aが事業拡大の有力な手法として今後も積極的に行われることから、2015年3月期からは重要な経営指標にEBITDAを加えた。
2016年3月期も売上高、営業利益、経常利益ともに実質、2ケタ成長を予定している。また、2015年3月期の結果に伴い、新規事業である介護職派遣、インターネット人材紹介を2〜3年後には中核事業に位置付けられる規模での拡大が可能になったと見ており、主力3事業とともに同社の収益のけん引役になると期待している。海外事業も5年間程度のスパンで大きな収益源として拡大していくめどが付いた。中期的には、2020年代の早い段階で売上高1,000億円超の規模に成長させるとしている。
■Check Point
・4期連続の増収・増益、売上高、利益とも過去最高を更新
・3つの成長戦略が着実に進展、セクター比で高い成長率を維持
・大幅増収増益を予想、派遣法改正で同社の優位性の再認知も
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)
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商品販売のスタッフ派遣及び業務請負を行う「セールスアウトソーシング事業」、コールセンターのオペレーター派遣及びコールセンター業務の請負をする「コールセンターアウトソーシング事業」、製造業における工場などの軽作業の業務スタッフの派遣と業務請負を行う「ファクトリーアウトソーシング事業」の主力3事業のすべてが大幅な増収となった。利益に関しては、コールセンターアウトソーシング事業で短期案件の増加がコストアップ要因となり、セグメント利益は微減となったものの、他の2事業のセグメント利益は前期比40%前後の大きな伸びを示した。
好調な業績を達成できた理由は、「ハイブリッド派遣」という特有の派遣方式による独自のビジネスモデルをもとに「シェア拡大」「エリア拡大」「新規事業の拡充」という3つの成長戦略が着実に進展しているためである。
「新規事業の拡充」において、今後の更なる成長を担う「その他の事業」は、複数の国内新規事業と海外事業で構成され、全体としては赤字が続くものの、個々の事業を見ると複数の事業で大きな進展が見られた。国内では介護職派遣とインターネット業界系人材紹介の2事業が急拡大した。海外では2014年8月にシンガポールの人材紹介会社を買収したのを始め、複数の資本業務提携や新市場進出を行い、ASEAN市場全域で事業を展開できる体制の構築を大きく前進させた。
「新規事業の拡充」におけるトピックは、それだけではない。社内のビジネスコンテストなどから複数のユニークな新事業が立ち上がっている。さらに、新年度に入った2015年4月にはコーポレートベンチャーキャピタルを設立し、既に複数の投資案件を決定するなど、外部の優れたビジネスの発掘にも乗り出した。また、M&Aが事業拡大の有力な手法として今後も積極的に行われることから、2015年3月期からは重要な経営指標にEBITDAを加えた。
2016年3月期も売上高、営業利益、経常利益ともに実質、2ケタ成長を予定している。また、2015年3月期の結果に伴い、新規事業である介護職派遣、インターネット人材紹介を2〜3年後には中核事業に位置付けられる規模での拡大が可能になったと見ており、主力3事業とともに同社の収益のけん引役になると期待している。海外事業も5年間程度のスパンで大きな収益源として拡大していくめどが付いた。中期的には、2020年代の早い段階で売上高1,000億円超の規模に成長させるとしている。
■Check Point
・4期連続の増収・増益、売上高、利益とも過去最高を更新
・3つの成長戦略が着実に進展、セクター比で高い成長率を維持
・大幅増収増益を予想、派遣法改正で同社の優位性の再認知も
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)
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