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電算システム Research Memo(5):今期の増収増益予想に変更なし

注目トピックス 日本株
■2015年12月期下期業績見通し

電算システム<3630>の2015年12月期通期の業績見通しは、売上高30,000百万円(前期比13.2%増)、営業利益1,200百万円(同4.0%増)、経常利益1,210百万円(同4.0%増)、当期利益745百万円(同8.7%増)となっており、期初予想から変更はない。

中間決算においては、前述のようにSI・ソフト開発において不採算案件が発生したため、決算の中身は想定と異なっていた。しかし、需要動向や競争環境、同社の製品・サービスの競争力といったファンダメンタルズにおいては想定と大きく異なる事態は起きていない。また、中間期の不採算案件は下期業績には影響を及ぼさないような会計処理が完了している。したがって、下期において想定どおりに事業が進展すれば、現在の会社予想の達成は十分に可能であると弊社では考えている。

情報サービス事業では、下期も上期に引き続いてSI案件の需要が高水準で続く見通しだ。子会社のガーデンネットワークとのシナジー効果も、下期により顕著になってくると期待される。さらに、Google関連事業において円安対策効果の発現、BPOの大口顧客案件の稼働、という収益上乗せ要因も加わってくる予定だ。また、マイナンバー関連需要の存在も追い風となろう。マイナンバーに関しては、マイナンバー導入をきっかけとして、人事・給与関連についてアウトソーシング需要が出てくと期待されており、同社もBPOビジネスの一環としてそうした新たなアウトソーシング需要の取込み期待している。今期の業績計画には多くを織り込んでいないと推察されるため、仮にマイナンバー関連需要が予想以上の盛り上がりを見せた場合には、同社にとって業績上ブレ要因となることも十分考えられる。

収納代行サービスでは、主力の払込票決済サービスや成長著しい国際送金サービスが下期も堅調に推移すると期待される。上期予定だった新規案件が下期にずれ込んだことや、海外展開の遅れは業績に対してマイナスだが、それらを補って計画どおりの業績を達成するだけの力強さが、現在の払込票決済サービスや国際送金サービスには存在しているということのようだ。導入が遅れているWill Callについては、同社はコンプライアンス・リスクを回避するために、日系企業主体の取扱店舗開拓へと方針を転換したことの影響がどこまで続くのかがポイントである。また、前述の払込票決済サービスのマーケットを広げる収納窓口サービスにおいて大口見込み客と交渉中で、これが今下期に順調にいけばWill Callの不安要素もカバーできる可能性もある(ただしこれは、同社は業績予想には織り込んでおらず、弊社も過度な期待は避けるべきと考えている)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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