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アバント Research Memo(1):不採算案件が収束、今期は増収増益へ

注目トピックス 日本株
アバント<3836>は連結経営・会計システムのパッケージソフト事業大手である(株)ディーバのほか、ERPやビジネスインテリジェンス(BI)ツールの導入支援、企業開示情報の検索サービス等を提供する子会社を傘下に有する持株会社。

8月21日付で新中期3ヶ年計画を発表した。最終年度となる2018年6月期の業績目標値は、売上高で11,740百万円、営業利益で1,360百万円とし、年平均成長率で見ると売上高が9.5%増、営業利益が19.1%増となる。売上高については、企業におけるガバナンス強化及びマネジメント力強化に対するニーズの高まりを追い風に、既存事業の成長により実現を目指していく。連結経営・会計システムやERP、BIツールなどの導入支援サービスに加えて、第3の柱として企業の決算関連業務のアウトソーシング・サービスを強化していく方針。ここ数年で大企業からの受注が増え始めているため、人員体制を強化すると同時に、プロセスの自動化を進めることで競争力を高め、事業規模を拡大していく戦略だ。一方、営業利益率の向上施策としては、外注費削減の取り組みや多岐にわたるサービス事業の効率化、標準化による生産性向上に取り組んでいく。

2016年6月期の連結業績は売上高が前期比7.5%増の9,600百万円、営業利益が同16.1%増の935百万円と2期ぶりに増益に転じる見通し。前期は一部子会社における不採算案件の発生や、人財投資にかかる費用増などにより減益となったが、今期は不採算案件が収束することに加え、主力の連結会計システムで使い勝手を大幅に向上し、クラウドサービスにも対応した「DivaSystem10」をリリースしたことにより、顧客層の拡大が期待できること、また、ドイツBELLIN社と提携し、グローバル資金管理システムとして導入実績の高い「tm5」の提供を開始する等、サービスラインナップの強化を進めることなどで、増収増益に転じる見通しだ。

株主還元策についても今回新たな方針を示した。安定配当を継続していくことを基本にしつつも、今後は純資産配当率や平均配当利回りに着目し、中期計画期間内でこれらの値が少なくとも全上場企業の平均値を上回ることを目標とした。2016年6月期については前期比4.0円増配の22.0円を見込むが、今後も収益成長が続けば増配が期待される。

■Check Point
・15/6期は、増収減益決算で着地
・増収効果や受注損失引当金がなくなることで2期ぶりの増益へ
・今期は前期比4円の増配を予定、18/6期に36円が目標

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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