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アイエスビー Research Memo(11):最終年度に売上高170億円、営業利益率5%を目指す中期経営計画

注目トピックス 日本株
■中期経営計画

(1)中期経営計画の概要

アイ・エス・ビー<9702>は現在2015年12月期−2017年12月期の3ヶ年中期経営計画に取り組んでいる。元来、2013年12月期−2015年12月期の3ヶ年中期経営計画に取り組んでいたが、計画と事業環境の差が大きくなってきたこともあり、前中期経営計画を途中で見直し、改めて2015年−2017年中期経営計画として発表したのが現行の中期経営計画だ。

現中期経営計画の業績計画は、最終年度となる2017年12月期においては、売上高17,000百万円、営業利益率5.0%(これから求められる営業利益は850百万円)となっている。業績計画において営業利益率を前面に打ち出した理由は、売上げの成長と同時に採算性の改善が重要な経営目標であるという意識を徹底させるためであると弊社では推測している。

現中期経営計画のテーマは『NEXTステージへ』となっており、その骨格に据えられた4つの経営目標は前中期経営計画から引き継いだものだ。これら4つの経営目標はいずれも同時並行的に進められることになるが、なかでも重要なのは「ITサービス業へのシフト」だ。同社の現在の事業であるソフト開発やシステム構築といった業務は、受注した案件について作業を完成・納品して終了という、いわゆるフロー型モデルだ。同社が掲げる「ITサービス業へのシフト」というのはストック型モデルへのシフトを意味している。

ITサービスへシフトするということは、ストック型ビジネスモデルの新たな事業を開始し収益の柱へと育てることが必要だ。そのために同社は具体的アクションとして「新事業展開」を掲げている。同社が現在注力している新事業にはL-ShareやMDM、Wi-SUNなど7種類がある。

これら7つの新事業は、その進捗において差が生じている。現状ではL-ShareやMDMが収益に実質的な貢献をしている一方、それ以外のものは当初の見通しに対して遅れ気味だ。それらの中でも、今後の立ち上がりが見えてきているものと、現在の状況打破のために何らかのもうひと工夫が必要なものとに分かれているというのが実情だ。

2015年12月期の新事業の実績は総売上高12,823百万円の2.2%だったと発表されている。金額ベースでは約282百万円と推測される。これは期初予想の238百万円を上回っており、ポジティブに評価してよいであろう。2016年12月期については総売上高14,000百万円の3.7%(約518百万円)が新事業売上高と予想されている。今中期経営計画策定時の計画に対しては下方修正となるが、現実の動きを踏まえて実現性の高い目標に修正された結果であると弊社では理解している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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