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3Dマトリック Research Memo(1):中期経営計画を発表、自己組織化ペプチド技術による医療製品の開発に注力

注目トピックス 日本株
スリー・ディー・マトリックス<7777>は2004年に設立されたバイオマテリアル(医療用材料)のベンチャー企業である。米マサチューセッツ工科大学において開発された「自己組織化ペプチド技術」を使って外科医療分野の止血材・血管塞栓材、再生医療分野の歯槽骨再建材・創傷治癒材、その他では核酸医薬向けDDS(ドラッグデリバリーシステム)の開発を国内外で進めている。

2016年4月期の事業収益は前期比42.2%増の141百万円、営業損失は1,821百万円(前期は1,903百万円の損失)となった。事業収益のうち吸収性局所止血材「PuraStat®」(以下、止血材)の売上高は、前期の3百万円から約80百万円に拡大した。当初の計画よりも拡大ペースは遅れているものの現場での評価は良好で、医療施設での採用は着実に広がっている。一方、日本と米国での治験計画については関係当局との協議が長引いており、開始時期が先送りされた。

2017年4月期の業績は事業収益が547百万円、営業損失が1,807百万円となる見通し。止血材の売上高は欧州、アジア・オセアニア、中南米向けに497百万円を見込んでいる。欧州の販売契約交渉は、売上実績の積み上げが必要との判断から今期の計画には織り込んでいない。また、欧州では消化器内視鏡手術後の後出血予防材としての関心が2015年末以降高まっており、同領域での販売も今期中にCEマーキングを取得して開始する予定だ。潜在需要としては同領域における止血材と同程度の規模(欧州市場で約150百万ドル)が見込まれる。一方、国内及び米国での治験についても2017年4月期中の開始を目指していく。

新たに発表された中期経営計画では、2018年4月期に事業収益で2,607〜5,907百万円、営業利益で-435〜2,865百万円を見込んでいる。止血材の販売で2,607百万円、欧州、中国での止血材の販売契約一時金で2,600百万円、その他パイプラインの販売契約一時金・マイルストーン収益で700百万円を計画している。予想レンジは止血材の契約一時金の有無によるものとなっている。なお、今回の中期経営計画には後出血予防材の売上を織り込んでいない。

同社の業績は、欧州での販売契約交渉や日米での治験計画が遅延していること等により、ここ数年赤字が続いている状況にある。今後もこれらイベントが計画どおり進捗しなければ、業績低迷が続くリスクがあることには留意する必要がある。

■Check Point
・中国での販売パートナー候補先との交渉が始まる
・TDM‐711は18/4期に製造販売承認申請の予定
・19/4期に事業収益5,866百万円、営業利益で2,300万円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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