ADワークス Research Memo(8):最終年度の経営目標値は連結売上高180億円、EBITDAで16億円
[16/11/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■第5次中期経営計画
(1)中期経営計画の位置付けと基本方針
エー・ディー・ワークス<3250>は2017年3月期から始まる第5次中期経営計画において、2019年3月期までの3年間を「次の飛躍に向けた準備期間」と位置付け、3つの基本方針を掲げている。
第1に、「収益不動産残高の戦略的な拡充を通じた、強固な事業基盤の確立と安定的な収益基盤の追求」に取り組んでいく。従来戦略の踏襲となるが、超低金利が続く現状において、財務レバレッジを効かせながら収益不動産残高を積み上げていく。これにより、賃料収益という安定収益を増加させながら、収益不動産販売によるキャピタルゲインを得ることで、国内事業を着実に拡大させていく。
第2に、「新たな収益の柱となる事業の開発と育成」に取り組んでいく。新規事業については、米国事業に加えて今回新たに発表した不動産テック事業を収益柱の1つに育てていく。また、新規事業についても2016年9月に専門組織となる事業企画部を新設し、8名体制で新たなサービスの開発、検討を進めている。想定されるサービスとしては、不動産に関連する保険サービスなどが考えられる。
第3に、「規模拡大に耐え得るケイパビリティの再構築」に取り組んでいく。具体的には、収益不動産残高の拡大に伴うアセットマネジメント機能の強化、収益不動産管理戸数の増加に伴うPM事業の質と量を強化するためのシステム再構築、オーナーズクラブ「Royaltorch」を始めとするクライアントリレーション機能の強化などが挙げられる。
こうした3つの取組みを進めることにより、2020年3月期以降の成長基盤を構築していくことになる。
(2)経営目標値
最終年度となる2019年3月期の経営目標値としては、連結売上高で18,000百万円、EBITDAで1,600百万円、経常利益で1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で660百万円、ROEで7.4%を設定した。また、収益不動産残高は前期末の14,551百万円から2019年3月末は30,000百万円と2倍以上に拡大していく計画となっている。
3年間の年平均売上成長率は4.6%と堅実な成長を見込んでおり、利益ベースでは収益不動産残高の積み上げに伴う賃料収益の増加で達成可能な計画となっている。国内の収益不動産販売事業についてはほぼ横ばいで保守的な計画となっており、米国事業の増加分とその他新規事業等の立上げ費用分でほぼ相殺する格好となる。
このため、今後市場環境に大きな変化がない限りは、中期計画を達成する可能性が高いと弊社では見ている。課題は収益不動産残高を30,000百万円まで引き上げていくための資金調達となる。9月末の収益不動産残高が18,227百万円なので、30,000百万円まで積み上げるには約12,000百万円ほどの資金が新たに必要となる。今後3年間のフリーキャッシュフローは2,000百万円弱程度(当期純利益+償却費の3年間累計)と予想され、9月末の現金及び預金も2,911百万円と多くはないため、借入金やエクイティ・ファイナンスの実施で不足分を補うことになると見られる。
なお、同社は2015年12月17日付で発表した「コーポレートガバナンスコードに対する当社ガイドラインの制定に関するお知らせ」の中で、同社が目指す今後の規模感をガイダンスとして示している。具体的には、連結純資産で250億円、連結社員数で200名、時価総額350〜400億円としている。現状の連結純資産は59億円、社員数は129名、時価総額は80億円規模となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(1)中期経営計画の位置付けと基本方針
エー・ディー・ワークス<3250>は2017年3月期から始まる第5次中期経営計画において、2019年3月期までの3年間を「次の飛躍に向けた準備期間」と位置付け、3つの基本方針を掲げている。
第1に、「収益不動産残高の戦略的な拡充を通じた、強固な事業基盤の確立と安定的な収益基盤の追求」に取り組んでいく。従来戦略の踏襲となるが、超低金利が続く現状において、財務レバレッジを効かせながら収益不動産残高を積み上げていく。これにより、賃料収益という安定収益を増加させながら、収益不動産販売によるキャピタルゲインを得ることで、国内事業を着実に拡大させていく。
第2に、「新たな収益の柱となる事業の開発と育成」に取り組んでいく。新規事業については、米国事業に加えて今回新たに発表した不動産テック事業を収益柱の1つに育てていく。また、新規事業についても2016年9月に専門組織となる事業企画部を新設し、8名体制で新たなサービスの開発、検討を進めている。想定されるサービスとしては、不動産に関連する保険サービスなどが考えられる。
第3に、「規模拡大に耐え得るケイパビリティの再構築」に取り組んでいく。具体的には、収益不動産残高の拡大に伴うアセットマネジメント機能の強化、収益不動産管理戸数の増加に伴うPM事業の質と量を強化するためのシステム再構築、オーナーズクラブ「Royaltorch」を始めとするクライアントリレーション機能の強化などが挙げられる。
こうした3つの取組みを進めることにより、2020年3月期以降の成長基盤を構築していくことになる。
(2)経営目標値
最終年度となる2019年3月期の経営目標値としては、連結売上高で18,000百万円、EBITDAで1,600百万円、経常利益で1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で660百万円、ROEで7.4%を設定した。また、収益不動産残高は前期末の14,551百万円から2019年3月末は30,000百万円と2倍以上に拡大していく計画となっている。
3年間の年平均売上成長率は4.6%と堅実な成長を見込んでおり、利益ベースでは収益不動産残高の積み上げに伴う賃料収益の増加で達成可能な計画となっている。国内の収益不動産販売事業についてはほぼ横ばいで保守的な計画となっており、米国事業の増加分とその他新規事業等の立上げ費用分でほぼ相殺する格好となる。
このため、今後市場環境に大きな変化がない限りは、中期計画を達成する可能性が高いと弊社では見ている。課題は収益不動産残高を30,000百万円まで引き上げていくための資金調達となる。9月末の収益不動産残高が18,227百万円なので、30,000百万円まで積み上げるには約12,000百万円ほどの資金が新たに必要となる。今後3年間のフリーキャッシュフローは2,000百万円弱程度(当期純利益+償却費の3年間累計)と予想され、9月末の現金及び預金も2,911百万円と多くはないため、借入金やエクイティ・ファイナンスの実施で不足分を補うことになると見られる。
なお、同社は2015年12月17日付で発表した「コーポレートガバナンスコードに対する当社ガイドラインの制定に関するお知らせ」の中で、同社が目指す今後の規模感をガイダンスとして示している。具体的には、連結純資産で250億円、連結社員数で200名、時価総額350〜400億円としている。現状の連結純資産は59億円、社員数は129名、時価総額は80億円規模となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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