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トライSTG Research Memo(1):国内外のダイレクトマーケティング市場でM&Aを積極活用し、高成長を目指す

注目トピックス 日本株
■要約

トライステージ<2178>は、通販事業者に対して主にテレビ放送番組枠を使ったダイレクトマーケティング支援事業を手掛け、テレビ通販の放送枠では業界トップシェアを握る。子会社でDM事業を展開するほか、2017年2月期にM&Aで東南アジアのダイレクトマーケティング企業2社を子会社化するなど海外事業も本格的に立ち上げた。また、2017年3月には国内でWeb広告事業を展開する(株)アドフレックス・コミュニケーションズ(以下、アドフレックス)を子会社化し、テレビ事業やDM事業とのシナジーを生かした事業展開を進めていく戦略となっている。

1. 2018年2月期第2四半期累計業績は増収、営業減益に
2018年2月期第2四半期累計(2017年3月-8月)の連結業績は、テレビ事業やDM事業の拡大により売上高が前年同期比22.5%増の27,807百万円と好調に推移したが、営業利益はテレビ事業の粗利率低下や新規事業となる通販事業の立ち上げ費用等により同35.6%減の553百万円となった。期初会社計画(売上高27,014百万円、営業利益663百万円)に対して、売上高はDM事業の好調で上回ったものの、営業利益はテレビ事業で一部値引き販売等を行ったことが下振れ要因となった。また、持分法適用関連会社であるTV Direct Public Company Limited(タイ)の株価が8月末時点で大きく下落したことにより、持分法による投資損失621百万円を営業外費用で計上したことで、経常利益は72百万円の損失(前年同期は839百万円の利益)となった。

2. 2018年2月期通期業績は状況が見えてきた段階で発表予定
2018年2月期通期の業績について今回は修正されなかったが、12月下旬に発表予定の第3四半期決算と合わせて修正発表する可能性が高いと見られる。収益性が悪化したテレビ事業については、レギュラー枠の仕入量を10月以降絞ることで値引き販売を抑制し、粗利率を2017年2月期下期並みに回復させる考えだ。仕入量を絞るため売上高が減少する可能性はあるものの、スポット枠を需要動向に応じて仕入販売していくことで、下期の売上高についても前年同期並みの水準を目指していく。DM事業については下期も好調を持続するほか、第2四半期より連結対象となったWeb広告のアドフレックスも期初計画どおりの推移が見込まれる。海外子会社については主力商材の販売がピークアウトしたことで、当初の想定を下回っているが、第3四半期以降は日本や韓国の商材を拡販していくほか、広告宣伝費の見直し等を行っていくことで、収益を回復していく方針となっている。

3. グループ収益力の回復を優先し、M&A投資は一旦凍結
同社では2018年2月期までの3ヶ年中期経営計画で、100億円の投融資枠を設定し、積極的なM&Aにより事業規模を拡大していく戦略を推進してきた。2017年8月までに53億円の投資を実施し、残り47億円の枠が残っているが、業績が一時的に悪化したこともありM&A投資については一旦凍結し、収益力回復の道筋が見えてきてから再開する意向を示した。中期経営計画の経営目標値(連結売上高555億円、EBITDA(債却前営業利益)24億円、のれん控除前ROE10%)は未達となる可能性が高いが、国内でDM事業やWEB事業が育ってきているほか、海外についても拠点構築は終えるなど、中期的な成長に向けた体制はほぼ整ったと言え、2019年2月期以降の成長が期待される。

4. 株主優待も含めた投資利回りは4%台と高水準
同社は株主還元として配当のほか株主優待を実施している。2018年2月期の1株当たり配当金は前期比実質横ばいの22.50円(配当性向109.0%)としている。また、株主優待については、400株以上2,000株未満の株主に対して1,000円相当、2,000株以上保有の株主に対しては、5,000円相当のQUOカードを年2回(2月末、8月末株主)贈呈している。配当金とQUOカードを合わせた年間投資利回り(400株保有株主)は、現在の株価水準(10月30日終値588円)で計算すると4.7%の水準となる。

■Key Points
・ダイレクトマーケティング支援事業が主力、M&Aにより業容を拡大中
・2018年2月期の業績見通しは現在見直し中で、状況の見極めがつき次第発表する予定
・M&A投資については一旦凍結し、既存事業の収益力回復を最優先課題に取り組む

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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