スターティア Research Memo(3):ARソフトのCOCOARが本格拡大。フリーミアムモデルの導入も順調に進捗
[18/01/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■スターティア<3393>の業績の動向
2. デジタルマーケティング関連事業の動向
デジタルマーケティング関連事業の今第2四半期は、売上高868百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益32百万円(前年同期は99百万円の損失)で着地した。
同セグメントの業績は2016年3月期から低迷期に入った。これは顧客層の切り替わり期に当たったことが主な原因だ。同セグメントの商材はクリエイティブ企業(広告代理店や印刷会社等)向けの販売支援・販売促進等のソフトウェアで、新規性が高いのが特長だ。従来は新規商材に対して導入意欲の高いアーリーアダプター層を顧客に業容を拡大してきたが、その需要が一巡し、次のターゲット顧客はマジョリティ層(特にその中のアーリーマジョリティ層)へと移行した。しかしマジョリティ層への売込みが思うように進まず苦戦したのが2016年3月期から2017年3月期であった。
2018年3月期に入り、同社は販売戦略を大きく変え、フリーミアムの導入に踏み切った。フリーミアムとは基本的な機能は無料で提供し、一定量を超えた部分や特別な機能については、従量制や追加料金の形で課金するビジネスモデルのことを言う。オンラインゲームのF2P(フリー・トウ・プレイ)に近いモデルと言える。
このフリーミアムは、スマホ用ランディングページサイト制作用ソフトの「creca」を皮切りに、アプリ制作ソフト「App Goose」、MA(マーケティングオートメーション)ツールの「BowNow」と順次提供商品を拡大した。この中で最も期待が大きい「BowNow」は2017年7月末からのスタートで、今第2四半期決算では2か月間しか経過していないため、目に見える貢献までには至っていない。しかしながら、フリープランの提供は順調に推移しており、将来の収益源転化の手応えは感じている模様だ。また、フリーミアム適用のソフトウェアは今後順次拡大の予定だ。
今第2四半期の業績回復のけん引役は、AR(Augmented Realty、拡張現実)ソフト「COCOAR(ココアル)」だったとみられる(COCOARの特長や詳細は2014年6月4日付レポート参照)。COCOARは今第2四半期において、主要なものだけでもカルビー<2229>のハロウィン限定商品のマーケティングや、人気アニメ“ドラゴンボール”のファンランイベント「ドラゴンボールラン」、東京スカイツリータウン®と人気アニメ“弱虫ペダル”のコラボイベント等で採用された。2017年9月末時点で、COCOARの導入企業数は1,414社、COCOARを利用するためのアプリのダウンロード数は150万件にそれぞれ達している。過去の同社の業績をけん引した電子ブックソフト「Actibook」の時と比べても、COCOARの成長スピードは速い。Actibookではソフトの導入社数が1,000社に達するのに5年を要したが、COCOARは実質的に3年で1,000社に達しており、スピードの違いが際立っている。
今下期に入ってもCOCOARの勢いは持続しており、導入企業数は増加を続けると期待される。一方、フリーミアムによる販売戦略も、今下半期には時間の経過と商材のラインアップの充実により、収益貢献の効果が発現してくると期待される。COCOARを中核として、BowNowやApp Gooseなどのソフトウェアがどこまで売り上げを伸ばすか見守りたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<MH>
2. デジタルマーケティング関連事業の動向
デジタルマーケティング関連事業の今第2四半期は、売上高868百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益32百万円(前年同期は99百万円の損失)で着地した。
同セグメントの業績は2016年3月期から低迷期に入った。これは顧客層の切り替わり期に当たったことが主な原因だ。同セグメントの商材はクリエイティブ企業(広告代理店や印刷会社等)向けの販売支援・販売促進等のソフトウェアで、新規性が高いのが特長だ。従来は新規商材に対して導入意欲の高いアーリーアダプター層を顧客に業容を拡大してきたが、その需要が一巡し、次のターゲット顧客はマジョリティ層(特にその中のアーリーマジョリティ層)へと移行した。しかしマジョリティ層への売込みが思うように進まず苦戦したのが2016年3月期から2017年3月期であった。
2018年3月期に入り、同社は販売戦略を大きく変え、フリーミアムの導入に踏み切った。フリーミアムとは基本的な機能は無料で提供し、一定量を超えた部分や特別な機能については、従量制や追加料金の形で課金するビジネスモデルのことを言う。オンラインゲームのF2P(フリー・トウ・プレイ)に近いモデルと言える。
このフリーミアムは、スマホ用ランディングページサイト制作用ソフトの「creca」を皮切りに、アプリ制作ソフト「App Goose」、MA(マーケティングオートメーション)ツールの「BowNow」と順次提供商品を拡大した。この中で最も期待が大きい「BowNow」は2017年7月末からのスタートで、今第2四半期決算では2か月間しか経過していないため、目に見える貢献までには至っていない。しかしながら、フリープランの提供は順調に推移しており、将来の収益源転化の手応えは感じている模様だ。また、フリーミアム適用のソフトウェアは今後順次拡大の予定だ。
今第2四半期の業績回復のけん引役は、AR(Augmented Realty、拡張現実)ソフト「COCOAR(ココアル)」だったとみられる(COCOARの特長や詳細は2014年6月4日付レポート参照)。COCOARは今第2四半期において、主要なものだけでもカルビー<2229>のハロウィン限定商品のマーケティングや、人気アニメ“ドラゴンボール”のファンランイベント「ドラゴンボールラン」、東京スカイツリータウン®と人気アニメ“弱虫ペダル”のコラボイベント等で採用された。2017年9月末時点で、COCOARの導入企業数は1,414社、COCOARを利用するためのアプリのダウンロード数は150万件にそれぞれ達している。過去の同社の業績をけん引した電子ブックソフト「Actibook」の時と比べても、COCOARの成長スピードは速い。Actibookではソフトの導入社数が1,000社に達するのに5年を要したが、COCOARは実質的に3年で1,000社に達しており、スピードの違いが際立っている。
今下期に入ってもCOCOARの勢いは持続しており、導入企業数は増加を続けると期待される。一方、フリーミアムによる販売戦略も、今下半期には時間の経過と商材のラインアップの充実により、収益貢献の効果が発現してくると期待される。COCOARを中核として、BowNowやApp Gooseなどのソフトウェアがどこまで売り上げを伸ばすか見守りたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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