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シャノン Research Memo(3):マーケティングオートメーションサービスが売上高の約7割を占める

注目トピックス 日本株
■会社概要

2. 事業概要
シャノン<3976>は「テクノロジーとサイエンスにもとづくマーケティングによって、顧客の市場拡大化と利益最大化を実現し、企業のより創造的な活動に貢献」することを経営ミッションとして掲げ、また、「企業のマーケティング課題を解決するマーケティングクラウドのリーディングカンパニーとなり、顧客から最も信頼される企業」を目指して事業運営を行っている。

現在は、クラウド製品である統合型マーケティング支援サービス「シャノンマーケティングプラットフォーム」の開発・販売及び関連するコンサルティングサービスや導入支援サービス、BPO(運営代行)サービスなどを行っている。「シャノンマーケティングプラットフォーム」上では、同社の創業からのサービスであるイベントマーケティングサービス(以下、EMサービス)と2011年から開始したMAサービスの2つのサービスを提供している。サービス別の売上高で見ると、主力のMAサービスが全体の約7割、EMサービスが約3割を占めている。EMサービスについては目立った競合もないことから、安定収益基盤の位置付けとなっている。

(1) マーケティングオートメーションサービス
マーケティングオートメーションとは、リード(見込み客)及び既存客から商談を獲得するために実施するオンライン/オフラインのマーケティング活動全般を統合管理して、顧客企業が商談を獲得するために最適なコミュニケーションを自動化する手法、及びそれを可能にするプラットフォームのことを指している(同社の定義)。

簡単に言えば、オンライン/オフラインのマーケティング活動の中で収集した多くのリードから、その行動履歴を分析して、商談につながる可能性が高いものから順にランク付けし自動的に抽出するツールのことを指す。従来は、ダイレクトメールや電子メール、Web広告などで収集したリードの中から、どのように商談につなげていくかは個々の営業マンの裁量に委ねられており、決して効率的な手法とは言えなかった。こうしたマーケティング施策の費用対効果を向上することを目的に開発されたのが「シャノンマーケティングプラットフォーム」となる。実際、同サービスを導入して商談件数が導入前よりも3倍に増加したケースもある。

同製品は、マーケティング施策において収集した各種データの管理(キャンペーンマネジメント)とリードの行動履歴をもとにスコアリングを行うリードデータマネジメントで構成されており、700を超える豊富な機能を有していることが特徴となっている。サービス料金は初期導入費用で10万円、月額基本料金はサービス内容に応じて2.5〜26.5万円まで6段階に区分されている。これに従量課金としてリードデータ件数に応じて課金される格好となる(5千件までは無料、5千件超は1〜5円/件)。現在の1顧客当たり平均月額利用料は20万円弱となっており、同一顧客当たりの平均利用料は年々上昇する傾向にある。契約当初は低い料金プランからスタートし、効果を確認しながら高い料金プランにシフトする傾向にあるためだ。大口顧客では月額数百万円を利用するケースもあるが、ボリュームゾーンは10〜20万円のレンジであり、20万円以上を利用している顧客は全体の2割弱となっている(2017年10月期末の契約アカウント数は337件)。

なお、同社の顧客属性としてはBtoBからBtoCの企業まで幅広く、業種としてはサービス業、情報通信業、金融・保険業で全体の約75%を占めている。業界の中では金融・保険業の売上比率が高く、セキュリティ面での評価の高さの裏付けとなっている。また、顧客企業の規模としては資本金で1億円以上の企業が全体の79%超を占め、10億円以上の企業が全体の過半を占めるなど大企業から中堅規模の企業までが同社の顧客層となっている。

(2) イベントマーケティングサービス
EMサービスとは、イベントや展示会において「シャノンマーケティングプラットフォーム」を使った申込受付管理やバーコード・QRコードによる来場者認証、アフターフォローのメール運用等をワンストップで効率的に実現するクラウドサービスの提供のほか、イベント・展示会に関わる「事務局の運営代行(BPO)」やプロデュースなども行っている。同サービスの顧客対象は、展示会主催者や大規模なプライベートショーを主催する企業、またはこれらのプロデュースを行う広告代理店となる。

システム利用料は基本料とリードデータ件数に応じた従量課金制となっており、基本料はイベント開催数に応じて18〜150万円の5段階に区分されている。これに従量課金としてリードデータ件数に応じて課金される格好となる(5千件までは無料、5千件超は1〜5円/件)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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