はてな Research Memo(4):BtoBストック型ビジネスでの成長に注力する
[18/04/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■はてな<3930>の業績動向
3. 今後の事業方針
(1) 技術基盤への投資拡大
今後の成長に耐え得るITインフラを構築するため、2018年7月期から2年間かけてサーバーの移転・拡張を進めている。「はてなブックマーク」等のコンテンツプラットフォームサービスの顧客数・アクセス数増大に対応するほか、「Mackerel」や「GigaViewer」などの成長事業のインフラ強化(AWSへの移転・展開)が目的となっている。今回のITインフラ投資によって、能力増強と同時にシステムの安定稼働、コストの効率化が進むことが見込まれている。特に、「Mackerel」については、今回のインフラ強化によって、時系列データ保持期間を25時間から460日に大幅に長期化することが可能となり、製品力強化により更なる拡販が期待されている。
(2) BtoBストック型ビジネスへの注力
同社は安定的な収益基盤を構築するために、BtoBのストック型ビジネスへ注力する方針を示している。具体的には、「はてなブログMedia」や「Mackerel」「GigaViewer」の拡販に注力している。
特に、「Mackerel」についてはクラウド事業者及びスタートアップ企業との連携による拡販を進めていく方針。クラウド事業者との連携では2017年11月より「Cloud Provider(クラウド・プロバイダー)インテグレーション」の提供を開始し、ビッグローブで初採用となった。ビッグローブが提供する「BIGLOBEクラウドホスティング」(2017年9月末で1,900社超の導入社数)のオプションサービスとして「Mackerel」のサービスが利用できるようになり、契約数の増加が期待される。今後も他のクラウド事業者への導入を進めていく方針となっている。
また、スタートアップ企業向けでは、2018年1月よりシリコンバレーのベンチャーキャピタル「500 Startups」の日本向けファンド「500 Startups Japan」と連携し、同ファンドの投資先企業向けに格安プラン※での提供を開始した。スタートアップ企業のため、当初は売上への貢献は軽微だが、当該企業が成長することで使用サーバー数の増加による売上アップが期待できることになる。
※標準プラン(1,800円/ホスト月)を12ヶ月間半額で提供
(3) 新規事業への布石
新たな取り組みとして、ユニロボット(株)が開発するパートナーロボット「unibo(ユニボ)」と、同社のソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」を機能連携し、「unibo」とコミュニケーションしながら、ユーザーの関心の高い最適なニュース記事を「unibo」が選定し、配信するサービスを開始した。同社では今後もサービスロボットなど新しいデバイスに対応し、蓄積された高品質な「はてなブックマーク」の情報をビジネスや社会課題の解決に活用していくサービスの開発を進めていく方針となっている。
3つのサービス分野でシナジー効果を生かしつつ、年率20%の売上成長を目指していく
4. 短中期成長見通し
今後2〜3年の短中期の成長イメージとして、売上高では年率20%の成長を見込んでいる。3つのサービスのシナジー効果を最大限に活用しつつ、すべてのサービス分野で2ケタ成長を目指している。
コンテンツプラットフォームサービスでは、機能開発や他社との提携等により会員数の増加と読者数増加による月間UB数の拡大を図り、広告収入だけでなく課金サービスの増大にも取り組んでいく。また、コンテンツマーケティングサービスでは「はてなブログMedia」の企業への拡販を進め、テクノロジーソリューションサービスでは、個別の受託開発案件の獲得に加えて、「Mackerel」の拡販に注力していく。
■株主還元策
同社は株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識しており、財政状態や業績、キャッシュ・フローの状態、今後の設備資金需要等を勘案して、利益還元策を決定していく意向である。当面は内部留保の充実を図り、企業体質の強化、事業拡大のための投資等に資金を優先配分して、収益を拡大していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えており、無配を継続する方針となっている。
■情報セキュリティ対策
同社はインターネットを活用したサービスを展開していることから、情報セキュリティ対策については経営の最重要課題の1つとして、取り組んでいる。社内でセキュリティポリシーを策定し、また、セキュリティ管理担当者を配置し、定期的に研修、情報共有などを行っているほか、インフラ面では外部からの不正アクセス防止策やマルウェア対策などを実施している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 今後の事業方針
(1) 技術基盤への投資拡大
今後の成長に耐え得るITインフラを構築するため、2018年7月期から2年間かけてサーバーの移転・拡張を進めている。「はてなブックマーク」等のコンテンツプラットフォームサービスの顧客数・アクセス数増大に対応するほか、「Mackerel」や「GigaViewer」などの成長事業のインフラ強化(AWSへの移転・展開)が目的となっている。今回のITインフラ投資によって、能力増強と同時にシステムの安定稼働、コストの効率化が進むことが見込まれている。特に、「Mackerel」については、今回のインフラ強化によって、時系列データ保持期間を25時間から460日に大幅に長期化することが可能となり、製品力強化により更なる拡販が期待されている。
(2) BtoBストック型ビジネスへの注力
同社は安定的な収益基盤を構築するために、BtoBのストック型ビジネスへ注力する方針を示している。具体的には、「はてなブログMedia」や「Mackerel」「GigaViewer」の拡販に注力している。
特に、「Mackerel」についてはクラウド事業者及びスタートアップ企業との連携による拡販を進めていく方針。クラウド事業者との連携では2017年11月より「Cloud Provider(クラウド・プロバイダー)インテグレーション」の提供を開始し、ビッグローブで初採用となった。ビッグローブが提供する「BIGLOBEクラウドホスティング」(2017年9月末で1,900社超の導入社数)のオプションサービスとして「Mackerel」のサービスが利用できるようになり、契約数の増加が期待される。今後も他のクラウド事業者への導入を進めていく方針となっている。
また、スタートアップ企業向けでは、2018年1月よりシリコンバレーのベンチャーキャピタル「500 Startups」の日本向けファンド「500 Startups Japan」と連携し、同ファンドの投資先企業向けに格安プラン※での提供を開始した。スタートアップ企業のため、当初は売上への貢献は軽微だが、当該企業が成長することで使用サーバー数の増加による売上アップが期待できることになる。
※標準プラン(1,800円/ホスト月)を12ヶ月間半額で提供
(3) 新規事業への布石
新たな取り組みとして、ユニロボット(株)が開発するパートナーロボット「unibo(ユニボ)」と、同社のソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」を機能連携し、「unibo」とコミュニケーションしながら、ユーザーの関心の高い最適なニュース記事を「unibo」が選定し、配信するサービスを開始した。同社では今後もサービスロボットなど新しいデバイスに対応し、蓄積された高品質な「はてなブックマーク」の情報をビジネスや社会課題の解決に活用していくサービスの開発を進めていく方針となっている。
3つのサービス分野でシナジー効果を生かしつつ、年率20%の売上成長を目指していく
4. 短中期成長見通し
今後2〜3年の短中期の成長イメージとして、売上高では年率20%の成長を見込んでいる。3つのサービスのシナジー効果を最大限に活用しつつ、すべてのサービス分野で2ケタ成長を目指している。
コンテンツプラットフォームサービスでは、機能開発や他社との提携等により会員数の増加と読者数増加による月間UB数の拡大を図り、広告収入だけでなく課金サービスの増大にも取り組んでいく。また、コンテンツマーケティングサービスでは「はてなブログMedia」の企業への拡販を進め、テクノロジーソリューションサービスでは、個別の受託開発案件の獲得に加えて、「Mackerel」の拡販に注力していく。
■株主還元策
同社は株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識しており、財政状態や業績、キャッシュ・フローの状態、今後の設備資金需要等を勘案して、利益還元策を決定していく意向である。当面は内部留保の充実を図り、企業体質の強化、事業拡大のための投資等に資金を優先配分して、収益を拡大していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えており、無配を継続する方針となっている。
■情報セキュリティ対策
同社はインターネットを活用したサービスを展開していることから、情報セキュリティ対策については経営の最重要課題の1つとして、取り組んでいる。社内でセキュリティポリシーを策定し、また、セキュリティ管理担当者を配置し、定期的に研修、情報共有などを行っているほか、インフラ面では外部からの不正アクセス防止策やマルウェア対策などを実施している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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