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IIXナレッジ Research Memo(1):2019年3月期は産業・サービスと情報・通信分野がけん引し増収増益予想

注目トピックス 日本株
■要約

アイエックス・ナレッジ<9753>は、独立系の中堅システムインテグレーター。IT戦略提案、IT化推進などのコンサルティングからシステム開発、検証、保守・運用までのシステムのライフサイクルに対応した一貫したソリューションを提供する。日立製作所<6501>やNTTデータ<9613>などの大手システムインテグレーターやみずほ情報総研(株)などのエンドユーザー系の情報システム会社、KDDI<9433>などのエンドユーザーなどが主要取引先である。顧客企業上位10社で売上高の約7割を占める。

1. 業績動向
2018年3月期通期の業績は、売上高が前期比3.7%減の16,666百万円、営業利益は同9.5%増の650百万円、経常利益は同9.4%増の692百万円、当期純利益は同14.0%増の465百万円となり、売上高は微減ながらも2年連続の増益を確保した。売上高の減少は、大手通信会社向けシステム検証案件の拡大や車載システム案件の受注拡大などのプラス要因があったものの、金融分野でのメガバンク向け次期システム開発案件の縮小や社会公共分野での開発案件の縮小などのマイナス要因が上回ったことが主要因である。増益の要因としては、事業基盤強化の一環で取り組んできた部門間接費の削減(部門間接費の見える化)、残業抑制、労務費の削減(人員減)、研修費の減少(内製化)などが挙げられる。

2019年3月期業績については、売上高で前期比3.3%増の17,211百万円、営業利益で同7.7%増の700百万円、経常利益で同6.7%増の739百万円、当期純利益で同4.6%増の486百万円と期初の増収増益を予想する。売上高に関しては、産業・サービス分野及び情報・通信分野が成長をけん引する見通しだ。産業・サービス分野では、車載・画像センサーなどの組込みシステムが受注拡大基調のほか、機械・化学業界の大手メーカーの開発案件も期待できる。情報・通信分野では、大手通信会社向けのシステム検証案件がさらに伸びる可能性がある。金融・証券分野は、メガバンクの次期システム収束によるマイナスを、生損保、証券、信託銀行、地銀などの案件でカバーできるかがポイントとなる。2018年3月期ほどの大きな落ち込み(前期比643百万円減)にはならずに、微減にとどめたい考えだ。

2. 成長戦略
同社では2019年3月期の重要な取り組みのポイントとして、2018年4月に組織機構改革を実施した。中核事業に関しては、より広い視点で組織の全体最適の意思決定を行うことができる「事業統括本部制」を導入し、製販一体経営や本社と事業所(関西、新潟)の連携などを行う。次期成長事業に関連しては、「オープンイノベーション戦略事業部」を創設した。この組織は、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するための商品・サービスを顧客企業、パートナーと連携し、組み合せて提供することで新たな高付加価値のビジネスモデルの創出を追及する。

“攻めのIT”分野で様々なプロジェクトがある中で、直近で同社が注力するのが「ブロックチェーン」と「RPA」である。ブロックチェーンに関しては、消費財の原料から製造、流通、小売りまで含めたサプライチェーン全体での適用を共同研究しており、その成果が待たれる。RPAに関しては、市場でのシェアの高いツールである
「WinActor」と「UiPath」の取り扱いを開始し、導入から業務への適用を含めた支援体制を整備した。攻めのITに関しては、組織整備面(オープンイノベーション戦略事業部創設)、個別プロジェクト面でも準備が着々と進んでいる。

3. 株主還元
同社では、株主還元に関して経済環境の変動が激しいことから、安定配当を第一とし、業績や将来の見通し、配当性向、配当利回り等を総合的に勘案し配当を決定する方針である。この方針に従い、2018年3月期は前期同様に1株当たり配当金10円、配当性向は21.9%となった。2019年3月期は1株当たり配当金10円、配当性向は21.0%を予想する。同社は、株主還元の一環として自己株式の取得を実施してきた。2018年3月期においては、268千株(取得価額99百万円)の自己株式の取得を実施し、600千株の消却を行った。

■Key Points
・ 売上高の7割を占める上位顧客10社からの安定受注、強みの源泉は人材マネジメント(採用・教育・処遇)
・2019年3月期は産業・サービス分野と情報・通信分野がけん引し増収増益予想
・ブロックチェーンやRPAなど“攻めのIT”で準備着々

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



<NB>

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