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イーストン Research Memo(3):2019年3月期は次の飛躍を目指した先行投資を決断

注目トピックス 日本株
■中長期の成長に向けた重点取組みと進捗状況

1. 中期経営計画『Project“C”』と進捗状況
ルネサスイーストン<9995>は現在、2017年3月期−2019年3月期の3ヶ年中期経営計画『Project“C”』に取り組んでいる。

Project“C”の基本路線は、1)スマート社会を支えるIoTへの積極的な取り組みと、2)新たな市場に向けたシステムソリューション提案の強化による事業拡大を目指す、の2つからなる。これを踏まえて、項目別・製品分野別の具体的な重点取り組み事項を設定し、その着実な実現を目指してきた。

これまでの業績を振り返ると、中期経営計画初年度の2017年3月期は、売上高は若干の未達だったものの、利益は期初予想を上回って着地した。2年目に当たる2018年3月期は、売上高、利益ともに、期初の業績予想ばかりか修正予想をもさらに上回り、営業利益と経常利益は、ルネサスイーストンとして過去最高を更新した。

ここまでは非常に順調な進捗を示している『Project“C”』であるが、最終年度の2019年3月期を迎えるに当たり、若干の変更が加えられた。上記の2つの基本路線に、『3)IoT市場への参入に向けた先行投資の実施』、が追加されたことだ。

この“IoT市場への参入に向けた先行投資”とは、同社が2018年2月27日に発表した半導体ひずみセンサーを活用した新規事業の開始のことだ。詳細は後述するが、この新製品は、商社である同社がメーカー的な役割を果たす形となるため、利益率が従来型事業に比べてはるかに高くなると期待されている。それゆえ同社は、2019年3月期はこの新製品の事業化に向けて研究開発費を新たに計画に組み込み、それが2019年3月期の業績予想において、前期比及び従来計画比で大幅減益見通しという形で反映されている。

2019年3月期の重点取り組み事項5項目は、前掲の2018年3月期のそれと同じ内容となっている。同社が取り扱う製品の特性から、顧客企業の開発段階から参画する、いわゆるデザイン-イン活動を通じた営業活動が中心のため一定の時間を要することが、同社が頻繁に取り組み事項を変えないことの背景にある。これら5つの項目別・製品分野別の取り組みに事項に加え、成長製品としての期待が高まる半導体ひずみセンサーを活用したセンサーモジュールの開発の進捗が2019年3月期の最大の注目ポイントと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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