C&GSYS Research Memo(1):金型用CAD/CAMシステム専業メーカー、シェアアップで事業成長を目指す
[18/09/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
C&Gシステムズ<6633>は金型用CAD/CAMシステムの専業メーカーで国内シェアは20%(推定)を誇る。大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまで顧客数は約7,000事業所に上る。
1. 2018年12月期第2四半期決算:期初予想を下回り大幅減益
発表された2018年12月期第2四半期決算は、売上高が1,889百万円(前年同期比9.4%減)、営業利益が62百万円(同73.1%減)、経常利益が77百万円(同69.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が26百万円(同81.5%減)となった。主力のCAD/CAMシステム等事業では、国内市場ではユーザーの設備投資意欲が工作機械確保に偏る中、工作機械業界では部品不足等から納品時期が長期化している。同社の取扱製品であるCAD/CAMシステムは工作機械の納品と同期して発注されるケースが多く、これにより同社製品の選定や出荷にも遅れが生じてライセンス販売は低調に推移した。加えて製造業向け政府補助金の採択が6月末であったため購入を先送りするケースが見られたことも売上に影響した。保守関連売上高は堅調に推移、海外市場も前年同期並みを確保したが、国内市場での減収が影響し、さらに先行投資としての開発外注費の負担が増加したことなどから利益も大幅減となった。金型製造事業では、新車開発の動向変化により主要顧客である日系部品メーカーからの開発案件が減少し、減収・赤字転落となった。
2. 2018年12月期通期予想:下方修正されたが底打ちの気配
上期の結果を受けて、2018年12月期通期予想も下方修正され、現時点では売上高3,929百万円(前期比3.8%減)、営業利益182百万円(同44.4%減)、経常利益205百万円(同45.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益100百万円(同80.0%減)と予想されている。主力の国内CAD/CAMシステム等事業、金型製造事業ともに下期には回復を見込んでいるが、通期業績としては前期を下回る見込みだ。先行きは不透明な部分もあるが、事業環境がこれ以上悪化する(工作機械の出荷遅延等)可能性は少ないと思われ、現在の予想がボトムラインとなりそうだ。
3. 安定した既存収益源に加え次世代収益源の育成により成長を目指す
足元の業績はやや低調に推移しているが、同社では中長期の目標として、既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張、成長する海外CAD/CAM市場の取り込み、次世代収益源の育成という3つの柱を掲げて業容の拡大を図っている。その中でも次の収益源として特に注目されるのが、同社が培ってきたCAM技術を活かして開発された積層造形向けCAM「AM-CAM」※と金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ(アイク)」だ。特にAIQは、以前は日報(紙)ベースで行っていた金型の製造工程管理を、各種データや工程状況をデジタルデータ化してシステム上で活用するものであり、今後の展開が大いに注目される。
※AM-CAM:AMとは「Additive Manufacturing(積層造形法)」の略で、いわゆる3Dプリンタなどの「付加加工」を実現するためのCAMのことをAM-CAMと言う。一般的に製品(部品)の加工法では、3Dプリンタなどによる「付加加工」に加えて、マシニングセンターなどによる「除去加工」、金型などによる「成型加工」がある。
■Key Points
・金型用CAD/CAMシステム専業メーカーで国内シェア20%(推定)、顧客数は7,000事業所超
・2018年12月期は営業利益44.4%減へ下方修正だが、底打ちの気配
・積層造形向けCAM「AM-CAM」や金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ」の展開が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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C&Gシステムズ<6633>は金型用CAD/CAMシステムの専業メーカーで国内シェアは20%(推定)を誇る。大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまで顧客数は約7,000事業所に上る。
1. 2018年12月期第2四半期決算:期初予想を下回り大幅減益
発表された2018年12月期第2四半期決算は、売上高が1,889百万円(前年同期比9.4%減)、営業利益が62百万円(同73.1%減)、経常利益が77百万円(同69.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が26百万円(同81.5%減)となった。主力のCAD/CAMシステム等事業では、国内市場ではユーザーの設備投資意欲が工作機械確保に偏る中、工作機械業界では部品不足等から納品時期が長期化している。同社の取扱製品であるCAD/CAMシステムは工作機械の納品と同期して発注されるケースが多く、これにより同社製品の選定や出荷にも遅れが生じてライセンス販売は低調に推移した。加えて製造業向け政府補助金の採択が6月末であったため購入を先送りするケースが見られたことも売上に影響した。保守関連売上高は堅調に推移、海外市場も前年同期並みを確保したが、国内市場での減収が影響し、さらに先行投資としての開発外注費の負担が増加したことなどから利益も大幅減となった。金型製造事業では、新車開発の動向変化により主要顧客である日系部品メーカーからの開発案件が減少し、減収・赤字転落となった。
2. 2018年12月期通期予想:下方修正されたが底打ちの気配
上期の結果を受けて、2018年12月期通期予想も下方修正され、現時点では売上高3,929百万円(前期比3.8%減)、営業利益182百万円(同44.4%減)、経常利益205百万円(同45.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益100百万円(同80.0%減)と予想されている。主力の国内CAD/CAMシステム等事業、金型製造事業ともに下期には回復を見込んでいるが、通期業績としては前期を下回る見込みだ。先行きは不透明な部分もあるが、事業環境がこれ以上悪化する(工作機械の出荷遅延等)可能性は少ないと思われ、現在の予想がボトムラインとなりそうだ。
3. 安定した既存収益源に加え次世代収益源の育成により成長を目指す
足元の業績はやや低調に推移しているが、同社では中長期の目標として、既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張、成長する海外CAD/CAM市場の取り込み、次世代収益源の育成という3つの柱を掲げて業容の拡大を図っている。その中でも次の収益源として特に注目されるのが、同社が培ってきたCAM技術を活かして開発された積層造形向けCAM「AM-CAM」※と金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ(アイク)」だ。特にAIQは、以前は日報(紙)ベースで行っていた金型の製造工程管理を、各種データや工程状況をデジタルデータ化してシステム上で活用するものであり、今後の展開が大いに注目される。
※AM-CAM:AMとは「Additive Manufacturing(積層造形法)」の略で、いわゆる3Dプリンタなどの「付加加工」を実現するためのCAMのことをAM-CAMと言う。一般的に製品(部品)の加工法では、3Dプリンタなどによる「付加加工」に加えて、マシニングセンターなどによる「除去加工」、金型などによる「成型加工」がある。
■Key Points
・金型用CAD/CAMシステム専業メーカーで国内シェア20%(推定)、顧客数は7,000事業所超
・2018年12月期は営業利益44.4%減へ下方修正だが、底打ちの気配
・積層造形向けCAM「AM-CAM」や金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ」の展開が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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