フリービット Research Memo(3):語学教育のアルクを連結子会社化し“エドテック”領域に進出
[18/10/03]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略
フリービット<3843>は2018年9月28日にアルクの全株式を取得し、完全子会社化した。アルクは、様々な語学教育コンテンツを開発し販売している。主な商品・サービスは、(1) 英語学習月刊誌「ENGLISH JOURNAL」、(2) 英単語学習書籍「キクタン」、(3) 英語学習通信講座「1000時間ヒアリングマラソン」、(4) 「ALC NetAcademy」、「アルクオンライン英会話」などのeラーニング、(5) 国内随一の英和・和英データベース「英辞郎on the WEB」などである。
アルクは、近年ICTを利活用した展開にも力を入れており、Amazonが提供するクラウドベース音声サービス「Alexa(アレクサ)」へのコンテンツ提供なども行っている。2018年1月期は売上高6,272百万円、営業利益301百万円である。前身となる会社の創業は1969年。2006年にはJASDAQ市場に上場。2012年に投資ファンド主導による経営陣による株式公開買い付けが成立し上場廃止となった経緯がある。
同社の取得の狙いとしては、以下の3点が挙げられる。
(1) 今後の教育改革の進展の中でICTの活用が期待される
(2) 中期事業方針「SiLK VISION 2020」の達成とその先の成長
(3) (株)フルスピード<2159>グループとのシナジー
(1)に関しては、文部科学省による2020年以降の「学習指導要領」の改訂に向け、「アクティブラーニング」や「インターネットやAI等のICTを活用した教育」などの方針が示されている。英語学習の現場では、英語学習の低年齢化、英語を話す・書く能力の向上ニーズ、教職員の英語力向上ニーズなど、多様なニーズが顕在化しており、事業機会は大きい。(2)に関しては、既にヘルステック(医療×テクノロジー)、不動産テック(不動産×テクノロジー)に進出し、同社のICTノウハウを活用して成長軌道に乗せる実績を積んできた。エドテック(教育×テクノロジー)に事業領域を広げ、中期事業方針目標である売上高500億円、営業利益50億円(いずれも2020年4月期)を確実にしたい考えだ。
(3)に関しては、既にアルクが展開しているインターネット関連サービスを、インターネット広告などのアドテクノロジーで成長させる可能性がある。株式の取得価額は2,626百万円(アドバイザリー費用等含む概算額)、議決権所有割合は100.00%。2019年4月期の第3四半期から連結計上するため、同社は2019年4月期の業績予想(売上高、営業利益、経常利益)を上方修正している。
■株主還元策
2019年4月期も安定配当7円を予想
同社は株主還元策として配当を実施している。配当の基本方針としては、内部留保の充実や事業拡大のための投資とともに株主への継続的な利益還元を重視する方針である。2018年4月期は親会社株主に帰属する当期純損失を計上したが配当金7円/年を継続した。2019年4月期も同様に配当金7円/年、配当性向は62.2%を見込む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<NB>
フリービット<3843>は2018年9月28日にアルクの全株式を取得し、完全子会社化した。アルクは、様々な語学教育コンテンツを開発し販売している。主な商品・サービスは、(1) 英語学習月刊誌「ENGLISH JOURNAL」、(2) 英単語学習書籍「キクタン」、(3) 英語学習通信講座「1000時間ヒアリングマラソン」、(4) 「ALC NetAcademy」、「アルクオンライン英会話」などのeラーニング、(5) 国内随一の英和・和英データベース「英辞郎on the WEB」などである。
アルクは、近年ICTを利活用した展開にも力を入れており、Amazonが提供するクラウドベース音声サービス「Alexa(アレクサ)」へのコンテンツ提供なども行っている。2018年1月期は売上高6,272百万円、営業利益301百万円である。前身となる会社の創業は1969年。2006年にはJASDAQ市場に上場。2012年に投資ファンド主導による経営陣による株式公開買い付けが成立し上場廃止となった経緯がある。
同社の取得の狙いとしては、以下の3点が挙げられる。
(1) 今後の教育改革の進展の中でICTの活用が期待される
(2) 中期事業方針「SiLK VISION 2020」の達成とその先の成長
(3) (株)フルスピード<2159>グループとのシナジー
(1)に関しては、文部科学省による2020年以降の「学習指導要領」の改訂に向け、「アクティブラーニング」や「インターネットやAI等のICTを活用した教育」などの方針が示されている。英語学習の現場では、英語学習の低年齢化、英語を話す・書く能力の向上ニーズ、教職員の英語力向上ニーズなど、多様なニーズが顕在化しており、事業機会は大きい。(2)に関しては、既にヘルステック(医療×テクノロジー)、不動産テック(不動産×テクノロジー)に進出し、同社のICTノウハウを活用して成長軌道に乗せる実績を積んできた。エドテック(教育×テクノロジー)に事業領域を広げ、中期事業方針目標である売上高500億円、営業利益50億円(いずれも2020年4月期)を確実にしたい考えだ。
(3)に関しては、既にアルクが展開しているインターネット関連サービスを、インターネット広告などのアドテクノロジーで成長させる可能性がある。株式の取得価額は2,626百万円(アドバイザリー費用等含む概算額)、議決権所有割合は100.00%。2019年4月期の第3四半期から連結計上するため、同社は2019年4月期の業績予想(売上高、営業利益、経常利益)を上方修正している。
■株主還元策
2019年4月期も安定配当7円を予想
同社は株主還元策として配当を実施している。配当の基本方針としては、内部留保の充実や事業拡大のための投資とともに株主への継続的な利益還元を重視する方針である。2018年4月期は親会社株主に帰属する当期純損失を計上したが配当金7円/年を継続した。2019年4月期も同様に配当金7円/年、配当性向は62.2%を見込む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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