ヘリオステクノHD Research Memo(1):既存事業は順調に進捗。M&Aや提携により半導体分野進出を目指す
[19/01/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ヘリオステクノホールディング<6927>は旧フェニックス電機(株)が経営統合や事業譲受などを経て、2009年に商号変更して誕生した。会社分割によって現在は純粋持株会社となっており、傘下の事業会社において、ランプ事業、製造装置事業及び人材サービス事業の3つの事業を展開している。
1. 2019年3月期第2四半期は利益が期初予想を大きく上回って着地
同社の2019年3月期第2四半期決算は、売上高12,478百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益1,571百万円(同7.9%減)と増収減益で着地した。期初予想との比較では売上高は222百万円の未達だったものの、営業利益は期初予想を671百万円上回り、好決算と言える内容であった。売上高の未達は、一部案件の売上計上のタイミングが下期にずれ込んだことによる。一方利益の上振れは、1)中古設備の移設案件における追加要求に伴う上振れ、2)MLS(Multi Lamp System:露光装置用光源ユニット)の仕様変更に伴う上振れ、3)前期納入した装置の製品保証引当金の戻入れ、の3つの理由による。
2. 半導体分野への進出を狙いM&Aや事業提携の推進に本腰
同社は、これまで、印刷技術をベースに製造装置事業を展開し、配向膜製造装置やMLS、HRPなどを開発販売している。これらの事業は製品開発も順調に進捗し、今後も一段の伸長が期待される状況だ。しかし一面では、同社の既存の製造装置事業はFPD(フラットパネルディスプレイ)業界向けが主体となっており、長期的には需要が頭打ちとなるリスクも抱えている。それに対する対応として同社は、半導体製造装置関連の事業強化を狙っている。現状では中古設備の移設などを手掛けているが、中古設備は安定的に仕入れができる性質のものではないため、新品装置も含めて今後の事業展開の在り方を模索している状況だ。その一環としてM&Aや事業提携に対してはこれまで以上に前向きに取り組む方針を固め、情報収集拠点として東京に事務所を設置した。
3. 2019年3月期通期見通しを上方修正
2019年3月期について同社は、売上高24,300百万円(前期比3.5%増)、営業利益2,300百万円(同24.3%減)と増収減益を予想している。期初予想との比較では、第2四半期までの進捗を踏まえて営業利益については21.0%の上方修正となっているが、前期の利益水準が一時的に高水準にあるため、前期比較では減益になっているという状況だ。事業の実態としては、収益源の製造装置事業で前期のHRPに引き続いて新製品の開発が完了し、今後の収益貢献が期待される状況だ。中古移設やメンテナンスの事業も順調な拡大が続いている。ランプ事業では超広帯域LEDの開発に成功した。現在はソフトウエアや用途開発を進めており数年後の商品化に向けて準備が進められている。全体としてオーガニックグロースの部分は着実に進捗しており、ここにM&Aや事業提携等によってどのような新規事業を上積みできるかが注目される構図が現在の同社の状況と言える。
■Key Points
・M&A/戦略的提携は同社本体が主導し、早期の実現を目指す
・高精細PI印刷機と曲面印刷技術の早期立ち上がりに期待
・世界初の超広帯域LEDの開発を発表。システム化して販売することを目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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ヘリオステクノホールディング<6927>は旧フェニックス電機(株)が経営統合や事業譲受などを経て、2009年に商号変更して誕生した。会社分割によって現在は純粋持株会社となっており、傘下の事業会社において、ランプ事業、製造装置事業及び人材サービス事業の3つの事業を展開している。
1. 2019年3月期第2四半期は利益が期初予想を大きく上回って着地
同社の2019年3月期第2四半期決算は、売上高12,478百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益1,571百万円(同7.9%減)と増収減益で着地した。期初予想との比較では売上高は222百万円の未達だったものの、営業利益は期初予想を671百万円上回り、好決算と言える内容であった。売上高の未達は、一部案件の売上計上のタイミングが下期にずれ込んだことによる。一方利益の上振れは、1)中古設備の移設案件における追加要求に伴う上振れ、2)MLS(Multi Lamp System:露光装置用光源ユニット)の仕様変更に伴う上振れ、3)前期納入した装置の製品保証引当金の戻入れ、の3つの理由による。
2. 半導体分野への進出を狙いM&Aや事業提携の推進に本腰
同社は、これまで、印刷技術をベースに製造装置事業を展開し、配向膜製造装置やMLS、HRPなどを開発販売している。これらの事業は製品開発も順調に進捗し、今後も一段の伸長が期待される状況だ。しかし一面では、同社の既存の製造装置事業はFPD(フラットパネルディスプレイ)業界向けが主体となっており、長期的には需要が頭打ちとなるリスクも抱えている。それに対する対応として同社は、半導体製造装置関連の事業強化を狙っている。現状では中古設備の移設などを手掛けているが、中古設備は安定的に仕入れができる性質のものではないため、新品装置も含めて今後の事業展開の在り方を模索している状況だ。その一環としてM&Aや事業提携に対してはこれまで以上に前向きに取り組む方針を固め、情報収集拠点として東京に事務所を設置した。
3. 2019年3月期通期見通しを上方修正
2019年3月期について同社は、売上高24,300百万円(前期比3.5%増)、営業利益2,300百万円(同24.3%減)と増収減益を予想している。期初予想との比較では、第2四半期までの進捗を踏まえて営業利益については21.0%の上方修正となっているが、前期の利益水準が一時的に高水準にあるため、前期比較では減益になっているという状況だ。事業の実態としては、収益源の製造装置事業で前期のHRPに引き続いて新製品の開発が完了し、今後の収益貢献が期待される状況だ。中古移設やメンテナンスの事業も順調な拡大が続いている。ランプ事業では超広帯域LEDの開発に成功した。現在はソフトウエアや用途開発を進めており数年後の商品化に向けて準備が進められている。全体としてオーガニックグロースの部分は着実に進捗しており、ここにM&Aや事業提携等によってどのような新規事業を上積みできるかが注目される構図が現在の同社の状況と言える。
■Key Points
・M&A/戦略的提携は同社本体が主導し、早期の実現を目指す
・高精細PI印刷機と曲面印刷技術の早期立ち上がりに期待
・世界初の超広帯域LEDの開発を発表。システム化して販売することを目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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