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タナベ経営 Research Memo(1):人材開発コンサルとSPコンサルが成長を牽引し、増収増益が続く見通し

注目トピックス 日本株
■要約

タナベ経営<9644>は、創業62年目を迎える日本の民間経営コンサルティングのパイオニアであり、大手の一角を占める。経営ミッションとして、「『ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社』の創造」を掲げている。「ドメイン(事業領域・業種)×ファンクション(組織・経営テーマ)×リージョン(地域)を最適化するチームコンサルティング」を主に中堅企業へ提供することで持続的成長を実現している。中期事業戦略として、「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」を推進。これまでに取り組んできた「コンサルティング領域の多角化戦略」から、それを全国主要10都市の拠点へと展開していく「コンサルティングプラットフォーム戦略」へと進化させている。堅実経営と無借金経営、自己資本比率で80%超となる強固な財務体質を強みとする。

1. 2019年3月期第2四半期累計業績
2019年3月期第2四半期累計(2018年4月-9月)の業績は売上高で前年同期比3.5%増の4,083百万円、経常利益で同4.3%増の461百万円といずれも会社計画(売上高4,000百万円、経常利益340百万円)を上回って着地した。経営コンサルティング事業では、働き方・生産性改革、ビジネスモデル・成長戦略などをテーマとした経営コンサルティングが増加したほか、FCCアカデミー(企業内大学)設立等の人材開発コンサルティングも想定以上の伸びを見せた。また、SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業でも、注力中のSPコンサルティングが順調に増加している。主要KPIとしているチームコンサルティング※の期中平均契約社数は前年同期比40社増の597社となり、売上高も同6.8%増の2,052百万円と拡大した。

※チームコンサルティング=経営コンサルティング+人材開発コンサルティング+セールスプロモーションコンサルティング(月契約型)

2. 2019年3月期業績見通し
2019年3月期の業績は売上高で前期比2.3%増の9,000百万円、経常利益で同2.6%増の990百万円と期初計画を据え置いている。経営コンサルティング事業では、経営コンサルティング、人材開発コンサルティングの契約数増加により増収増益を見込む。また、SPコンサルティング事業についても、需要が旺盛なSP・WebプロモーションコンサルティングやSPデザインの提案を強化し、付加価値向上と契約数増加により増収増益を目指す。チームコンサルティング売上高については前期比4.8%増の4,000百万円となり、全売上高に占める比率は前期の43.4%から44.4%に上昇し、利益率向上に寄与する。足元の受注状況は引き続き堅調なことから、通期業績についても会社計画を若干上回る可能性があると弊社では見ている。

3. 中期経営計画
期初に発表した新中期経営計画「Tanabe Vision 2020(2018−2020)」では、成長戦略として「コンサルティングプラットフォーム戦略」を全国規模で推進し、顧客基盤を拡大しながら、チームコンサルティング売上高を伸ばしていくことで持続的な成長を目指していく方針となっている。2021年3月期の業績目標としては売上高9,600百万円、経常利益1,060百万円を掲げており、年平均成長率で3%と堅実な成長を見込んでいる。成長の原動力となるコンサルタント人員は、2018年3月期末の218名から2021年3月期末に291名と3割の増員を計画している。新卒採用だけでなく各業界に精通するプロフェショナル人材の中途採用も強化する。当面は人材投資が先行するため、利益率は横ばいで推移する見込みとなっているが、これら人材が戦力化してくれば収益性も向上していくものと予想される。

4. 株主還元策
株主還元策として、同社は配当金と株主優待制度を導入している。配当金に関しては配当性向60%を目安に、業績等を勘案しながら検討していくとしており、2019年3月期は前期比1.0円増配の42.0円(配当性向53.3%)と7期連続の増配を予定している。今後も増収増益を続けていくことで、配当についても増配を目指していく考えだ。また、株主優待制度として毎年9月末時点の株主に対してオリジナル手帳「ブルーダイアリー」を1冊(3,000円相当)贈呈している。2019年2月1日の株価水準(1,253円)を基準にすると、配当利回りは3.4%、株主優待も含めると5.7%の投資利回りとなる。

■Key Points

・人材開発コンサルティング及びSPコンサルティングの成長により、2019年3月期第2四半期累計業績は期初計画を上回る増収増益を達成
・教育体系の構築からWeb教育コンテンツのプロデュースまで、人材育成をワンストップでトータル支援する「FCCアカデミー(企業内大学)設立コンサルティング」が好調
・経営コンサルティング、人材開発コンサルティング、SPコンサルティングにより、今後も持続的安定成長を目指していく方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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