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RSテクノ Research Memo(6):中国市場の発展性と同社の高い技術力でプライムウェーハ事業成功の可能性は高い

注目トピックス 日本株
■プライムウェーハ事業の現状と見通し

4. プライムウェーハ事業についての考え方と今後の注目ポイント
弊社はウェーハの再生加工事業とプライムウェーハ事業の技術面でのハードルの高さの違いから、当初はRS Technologies<3445>のプライムウェーハ事業に警戒心を抱いていた。しかしながら、初年度の2018年12月期及び2019年12月期第2四半期の実績を見る限り、弊社の懸念は杞憂だったと言えるだろう。

今後の焦点は山東有研の新工場の立ち上げへと移るが、これまでの実績から、新工場の立ち上げについても成功する可能性が高いとみている。同社がプライムウェーハ事業で弊社が予想した以上にスムーズな立ち上げに成功した背景には、事前の周到な準備がある。詳細は明らかにされていないが、同社は日本国内で豊富な経験を積んだ技術者を複数採用し、中国に派遣して中国でのプライムウェーハ事業の検討・準備を進めてきた。これら技術者が中国市場やパートナー企業の動向を見極め、GRINM/GRITEKという最適なパートナーの選定とその後の安定操業で大きな役割を果たしたものと考えられる。これらのプロセスで得られた知見を生かすことで、山東有研の新工場の立ち上げも成功する可能性が高いというのが現時点での弊社の見方だ。

販売面については弊社ではあまり懸念していない。第1に、同社のプライムウェーハ事業は“内資企業”として中国政府の後押しを受けられる存在であることが挙げられる。半導体の国産化率引き上げ策の一環で、内資企業にはウェーハ価格の20%〜30%相当の補助金が交付される。これは、GRITEK製品の価格競争力がそれだけ高まることを意味する。またGRITEKは現時点でも充実した顧客基盤を有しているもようだ。現状は約90社を顧客として抱えており、中でも中国の半導体メーカーとの結びつきは相当に強いとみられる。前述のように、中国でのウェーハ需要拡大見通しとあいまって、生産が順調に進展すれば販売面でのリスクは小さいと考えている。

米中貿易摩擦については懸念していない。前述のように、摩擦の激化は、中国の半導体内製化率上昇を加速させる方向に働くと考えられることがその理由だ。GRITEKの事業のうち半導体製造装置の消耗部材については米国への直接輸出分があり、この点は現に影響を受けているが、プライムウェーハ事業の成長等で十分カバーできるとみている。米中貿易摩擦が中国の国内景気に深刻な影響を及ぼすことになれば、同社もその影響を免れず、その点は注意が必要だ。しかしながら相対的に優位なポジションにあるのは変わらないと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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