クイック Research Memo(1):強みの専門職紹介を背景に、2030年3月期の売上高1,000億円を目指す
[19/12/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
クイック<4318>は、就業希望者と求人企業を結び付ける総合人材サービスを事業としている。人材紹介、人材派遣、紹介予定派遣、業務請負の人材サービス4事業形態のほか、人事労務コンサルティングなど周辺事業も展開している。なかでも労働需給がタイトな専門職の人材紹介に強みがあり、同社の専門職向けの求人サイトやスマートフォンアプリは人気である。事業としては人材サービス事業、リクルーティング事業、情報出版事業、その他(ネット関連事業、海外事業)の5事業を展開しているが、主力の人材サービス事業が売上高で3分の2、営業利益で約8割(連結調整前)と収益の大半を占める。しかし近年は、人材サービス事業以外も活発な動きを見せている。
人材サービス事業では主に人材紹介と人材派遣を行っている。主力の人材紹介では看護師や施工管理技術者など専門職の紹介に強みを持つが、こうした分野でも徐々に競争が始まっている。しかし同社は、コンサルタントの採用や育成、能力開発に加え、専門職分野のノウハウを横展開することでいち早くドメインを拡大するブティック戦略や、自社エンジニアが最新技術を取り入れて開発するサービスやスマートフォンアプリなど登録者獲得施策によって差別化している。そのほか、人材派遣では医療福祉分野向けのスタッフや保育士の派遣、リクルーティング事業では採用活動の企画・提案、情報出版事業では北陸3県と新潟県で地域情報誌の出版、ネット関連事業では人事・労務の情報ポータルサイト「日本の人事部」の企画・運営、海外事業では現地日系企業向け人材紹介や人事労務コンサルティングなどを行っている。
2020年3月期第2四半期の業績は、売上高10,864百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益2,305百万円(同14.3%増)となった。売上高、利益ともに期初計画を上回り、第2四半期としては10期連続の増収増益となり、過去最高を更新した。専門職紹介という差別化されたサービスと機能を磨き上げたことで施工管理技術者や看護師の紹介が好調だったほか、海外展開やスマートフォンアプリの強化など、新たな注力分野の開拓やサービスの拡充も進捗した。2020年3月期通期業績見通しについては、売上高20,940百万円(前期比9.2%増)、営業利益2,920百万円(同13.1%増)と10期連続増収増益、7期連続営業利益最高益更新を見込んでいる。
同社はIT・AIといった最新技術による新たなビジネスモデルの開発を進めている。その一環として(株)クロノスをM&Aしたが、これにより人材サービスの分野においてAIの利用を推進していく方針である。また、国際的な人材流動化に対応した「クロスボーダーリクルートメント」市場の開拓など、グローバルなHRビジネス(人事支援ビジネス)を先駆的に進めている。この布石として、中国上海に人材紹介の新会社を立ち上げた。同社は中長期的にもこうした積極経営を継続する方針であり、これにより2022年3月期に売上高26,170百万円、営業利益3,930百万円を目指している。さらに2030年3月期には、既存事業で450億円、新規事業で200億円、海外で100億円、M&Aで250億円の合計1,000億円の売上高を目指す。
■Key Points
・専門職の人材紹介に強み。M&Aや海外展開を積極化
・2020年3月期も2ケタ営業増益で10期連続増収増益、7期連続営業利益最高益更新へ
・積極経営により2030年に売上高1,000億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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クイック<4318>は、就業希望者と求人企業を結び付ける総合人材サービスを事業としている。人材紹介、人材派遣、紹介予定派遣、業務請負の人材サービス4事業形態のほか、人事労務コンサルティングなど周辺事業も展開している。なかでも労働需給がタイトな専門職の人材紹介に強みがあり、同社の専門職向けの求人サイトやスマートフォンアプリは人気である。事業としては人材サービス事業、リクルーティング事業、情報出版事業、その他(ネット関連事業、海外事業)の5事業を展開しているが、主力の人材サービス事業が売上高で3分の2、営業利益で約8割(連結調整前)と収益の大半を占める。しかし近年は、人材サービス事業以外も活発な動きを見せている。
人材サービス事業では主に人材紹介と人材派遣を行っている。主力の人材紹介では看護師や施工管理技術者など専門職の紹介に強みを持つが、こうした分野でも徐々に競争が始まっている。しかし同社は、コンサルタントの採用や育成、能力開発に加え、専門職分野のノウハウを横展開することでいち早くドメインを拡大するブティック戦略や、自社エンジニアが最新技術を取り入れて開発するサービスやスマートフォンアプリなど登録者獲得施策によって差別化している。そのほか、人材派遣では医療福祉分野向けのスタッフや保育士の派遣、リクルーティング事業では採用活動の企画・提案、情報出版事業では北陸3県と新潟県で地域情報誌の出版、ネット関連事業では人事・労務の情報ポータルサイト「日本の人事部」の企画・運営、海外事業では現地日系企業向け人材紹介や人事労務コンサルティングなどを行っている。
2020年3月期第2四半期の業績は、売上高10,864百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益2,305百万円(同14.3%増)となった。売上高、利益ともに期初計画を上回り、第2四半期としては10期連続の増収増益となり、過去最高を更新した。専門職紹介という差別化されたサービスと機能を磨き上げたことで施工管理技術者や看護師の紹介が好調だったほか、海外展開やスマートフォンアプリの強化など、新たな注力分野の開拓やサービスの拡充も進捗した。2020年3月期通期業績見通しについては、売上高20,940百万円(前期比9.2%増)、営業利益2,920百万円(同13.1%増)と10期連続増収増益、7期連続営業利益最高益更新を見込んでいる。
同社はIT・AIといった最新技術による新たなビジネスモデルの開発を進めている。その一環として(株)クロノスをM&Aしたが、これにより人材サービスの分野においてAIの利用を推進していく方針である。また、国際的な人材流動化に対応した「クロスボーダーリクルートメント」市場の開拓など、グローバルなHRビジネス(人事支援ビジネス)を先駆的に進めている。この布石として、中国上海に人材紹介の新会社を立ち上げた。同社は中長期的にもこうした積極経営を継続する方針であり、これにより2022年3月期に売上高26,170百万円、営業利益3,930百万円を目指している。さらに2030年3月期には、既存事業で450億円、新規事業で200億円、海外で100億円、M&Aで250億円の合計1,000億円の売上高を目指す。
■Key Points
・専門職の人材紹介に強み。M&Aや海外展開を積極化
・2020年3月期も2ケタ営業増益で10期連続増収増益、7期連続営業利益最高益更新へ
・積極経営により2030年に売上高1,000億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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