ネットイヤー Research Memo(1):受注は回復傾向、NTTデータとの協業推進で更なる売上成長を目指す
[19/12/19]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
ネットイヤーグループ<3622>は、インターネット技術を活用したデジタルマーケティング支援事業を展開しており、主にWebマーケティング領域において豊富な実績を持つ。子会社にソーシャルメディアを活用したデジタルマーケティング支援で業界トップクラスの(株)トライバルメディアハウスを持つ。2019年2月にNTTデータ<9613>と資本業務提携契約を締結し、同年3月にはNTTデータが株式公開買い付けにより同社株式の48.5%を保有する筆頭株主となった。
1. 2020年3月期第2四半期累計業績の概要
2020年3月期第2四半期累計(2019年4月-9月)の売上高は前年同期比10.2%減の2,278百万円、営業損失は273百万円(前年同期は154百万円の損失)となった。営業効率の向上を図るため、取引先を上位顧客とNTTデータ協業案件に絞り込んだことにより単独ベースの売上高は前年同期比1割減となったものの、営業損失はプロジェクトの採算改善により縮小した。一方で、子会社のトライバルメディアハウスにおいて複数の大口案件を失注したことによる売上減と、社内の管理体制強化による人件費増等が響き、連結ベースの営業損失は拡大する格好となった。なお、同社の業績は第4四半期に売上が集中するため、第3四半期までは損失が続く傾向にある。
2. 2020年3月期の業績見通し
2020年3月期の売上高は前期比12.4%増の6,200百万円、経常利益は同283.5%増の80百万円と期初計画を据え置いた。2019年8月以降、NTTデータとの協業案件を含めて単独ベースの受注は前年同月比で増加に転じるなど回復感が出てきており、単独ベースで見ると4期ぶりの営業黒字に転換する見通しだ。トライバルメディアハウスについても第2四半期までの失注分を取り戻すべく営業活動を強化しており、これらの取り組みで第4四半期にどの程度売上を回復できるかが、連結業績計画達成のポイントとなる。
3. 成長戦略
デジタルトランスフォーメーション※に取り組む企業が増加するなか、同社は既存の主要顧客向けに加えて、NTTデータと協業してプロジェクトを受注していくことで収益回復を目指していく方針となっている。ここ数年、同社の業績が苦戦してきた背景にはプロジェクトの難易度が上がり、かつ大規模化するなかで、それに対応するだけのシステムエンジニアが不足していたことが一因となっていた。NTTデータとの協業によって、同社が強みとするCX(Customer Experience:顧客体験)デザインの領域に集中することができ、難易度の高い案件にも対応していくことが可能となる。具体的な取り組みとして、Salesforceソリューションの導入を検討している企業に対して、両社が共同でプロジェクト提案(CX、MA、EC、CRMの設計、開発、導入支援等)を行い、このうちCXデザインからMAの導入、運用支援などを同社が担当していく格好となる。受注はNTTデータを経由することになるため、今後はNTTデータ向けの売上比率が上昇していくものと予想される。同社ではNTTデータとの協業を推進することで、デジタルマーケティング分野でトップブランド確立を目指していく考えだ。
※ITを用いて企業のビジネスモデルやビジネスプロセスを変革すること。
■Key Points
・NTTデータとの協業に注力し、デジタルマーケティング業界のトップブランドを目指す
・2020年3月期は単独ベースで4期ぶりの営業黒字に転換する見通し
・デジタルマーケティングソリューションサービスの拡大により、更なる売上成長とROI向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
ネットイヤーグループ<3622>は、インターネット技術を活用したデジタルマーケティング支援事業を展開しており、主にWebマーケティング領域において豊富な実績を持つ。子会社にソーシャルメディアを活用したデジタルマーケティング支援で業界トップクラスの(株)トライバルメディアハウスを持つ。2019年2月にNTTデータ<9613>と資本業務提携契約を締結し、同年3月にはNTTデータが株式公開買い付けにより同社株式の48.5%を保有する筆頭株主となった。
1. 2020年3月期第2四半期累計業績の概要
2020年3月期第2四半期累計(2019年4月-9月)の売上高は前年同期比10.2%減の2,278百万円、営業損失は273百万円(前年同期は154百万円の損失)となった。営業効率の向上を図るため、取引先を上位顧客とNTTデータ協業案件に絞り込んだことにより単独ベースの売上高は前年同期比1割減となったものの、営業損失はプロジェクトの採算改善により縮小した。一方で、子会社のトライバルメディアハウスにおいて複数の大口案件を失注したことによる売上減と、社内の管理体制強化による人件費増等が響き、連結ベースの営業損失は拡大する格好となった。なお、同社の業績は第4四半期に売上が集中するため、第3四半期までは損失が続く傾向にある。
2. 2020年3月期の業績見通し
2020年3月期の売上高は前期比12.4%増の6,200百万円、経常利益は同283.5%増の80百万円と期初計画を据え置いた。2019年8月以降、NTTデータとの協業案件を含めて単独ベースの受注は前年同月比で増加に転じるなど回復感が出てきており、単独ベースで見ると4期ぶりの営業黒字に転換する見通しだ。トライバルメディアハウスについても第2四半期までの失注分を取り戻すべく営業活動を強化しており、これらの取り組みで第4四半期にどの程度売上を回復できるかが、連結業績計画達成のポイントとなる。
3. 成長戦略
デジタルトランスフォーメーション※に取り組む企業が増加するなか、同社は既存の主要顧客向けに加えて、NTTデータと協業してプロジェクトを受注していくことで収益回復を目指していく方針となっている。ここ数年、同社の業績が苦戦してきた背景にはプロジェクトの難易度が上がり、かつ大規模化するなかで、それに対応するだけのシステムエンジニアが不足していたことが一因となっていた。NTTデータとの協業によって、同社が強みとするCX(Customer Experience:顧客体験)デザインの領域に集中することができ、難易度の高い案件にも対応していくことが可能となる。具体的な取り組みとして、Salesforceソリューションの導入を検討している企業に対して、両社が共同でプロジェクト提案(CX、MA、EC、CRMの設計、開発、導入支援等)を行い、このうちCXデザインからMAの導入、運用支援などを同社が担当していく格好となる。受注はNTTデータを経由することになるため、今後はNTTデータ向けの売上比率が上昇していくものと予想される。同社ではNTTデータとの協業を推進することで、デジタルマーケティング分野でトップブランド確立を目指していく考えだ。
※ITを用いて企業のビジネスモデルやビジネスプロセスを変革すること。
■Key Points
・NTTデータとの協業に注力し、デジタルマーケティング業界のトップブランドを目指す
・2020年3月期は単独ベースで4期ぶりの営業黒字に転換する見通し
・デジタルマーケティングソリューションサービスの拡大により、更なる売上成長とROI向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>