ネットイヤー Research Memo(5):2020年3月期は単独ベースで4期ぶりの営業黒字に転換する見通し
[19/12/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
3. 2020年3月期業績見通し
ネットイヤーグループ<3622>の2020年3月期の連結業績は売上高で前期比12.4%増の6,200百万円、営業利益で同270.7%増の80百万円、経常利益で同283.5%増の80百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で56百万円(前期は83百万円の損失)となる見通し。
企業のデジタルトランスフォーメーションの取り組みが活発化するなかで、デジタルマーケティングに関する投資意欲も依然旺盛なことから、主要顧客やNTTデータ協業案件に注力していくことで、単独ベースの売上高は前期比10%弱の増収、営業利益は収益改善施策の効果と増収効果により4期ぶりの黒字に転換する見通しだ。2019年8月以降の受注状況も前年同月比で増加に転じており、黒字転換する可能性は高いと弊社では見ている。一方で、上期に大型案件を失注したトライバルメディアハウスについては、今後の受注状況次第で下振れリスクが残る。
なお、NTTデータとの協業プロジェクトについては2019年夏以降、いくつか進んでいる。具体例としては、Salesforceソリューションに関する協業体制を両社合わせて10名程度でチームを構成して、営業活動を行っている。SalesforceではMAからEC、顧客管理、コールセンターまで企業の様々な領域でソリューションを提供しているが、このうち、同社でCXデザインの設計からMA導入、運用支援を行い、NTTデータで顧客管理やコールセンター向けの設計、導入支援を行っていく格好だ。受注窓口はNTTデータとなるため、売上としてはNTTデータ向けとして計上されることになる。顧客側から見れば、Salesforceソリューションを一括して発注できるというメリットがある。
また、レジ支払いのないデジタル店舗導入の1stフェーズとして、実験店舗を活用した体験型ワークショップメニューをNTTデータと共同で開発・提供している。今回の目的はUX/EX(ユーザー体験/従業員体験)がデジタル店舗になってどう変化するかの体験を通して、その有用性や実現性、導入に向けた課題を確認し、今後のアクションを具体化する。同社はUX/EXのデザイン設計を担当しており、今回の実験店舗で蓄積したノウハウを今後の受注活動に生かしていく。
デジタルマーケティングソリューションサービスの拡大により、更なる売上成長とROI向上を目指す
4. 今後の成長戦略
企業のデジタルトランスフォーメーションに対する取り組みが活発化するなかで、デジタルマーケティング支援サービスの需要も拡大していくものと予想される。なかでも、BtoC企業においてはAIとIoTの進化により、消費者と企業との関係が大幅に変化していく可能性があり、成長機会と捉えている。
2015年以降、企業のデジタルマーケティング施策としては、MAツールやDMP(デジタルマネジメントプラットフォーム)の導入により、あらかじめ設定したシナリオによるメール配信が主流であったが、今後は蓄積された顧客データをベースにAIによる行動予測に基づいた新しい提案を、デジタルとリアルが統合されたチャネルで提供していくシステムに進化していくものと予想される。これに対し、同社が持つUXデザイン領域における開発ノウハウとNTTデータの技術力を融合することで、先進的なデジタルマーケティングソリューションを提案し、成長を目指していく戦略となる。
同社はソリューションビジネスを、「デザインする」(あるべき顧客体験を描き変革をけん引する)、「構築」(あるべき顧客体験を実現させる仕組みづくり)、「成長する」(仕組みの活用を支援して、あるべき顧客体験を実現させる)と3つの視点で再定義し、これらをNTTデータで開発するシステム基盤上で実現していくことで、今後は更なる売上成長とROIの向上を目指していく考えだ。当面の課題としては、今後の成長に見合うだけのスキルの高い人材の採用・育成が進むかどうかという点が挙げられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 2020年3月期業績見通し
ネットイヤーグループ<3622>の2020年3月期の連結業績は売上高で前期比12.4%増の6,200百万円、営業利益で同270.7%増の80百万円、経常利益で同283.5%増の80百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で56百万円(前期は83百万円の損失)となる見通し。
企業のデジタルトランスフォーメーションの取り組みが活発化するなかで、デジタルマーケティングに関する投資意欲も依然旺盛なことから、主要顧客やNTTデータ協業案件に注力していくことで、単独ベースの売上高は前期比10%弱の増収、営業利益は収益改善施策の効果と増収効果により4期ぶりの黒字に転換する見通しだ。2019年8月以降の受注状況も前年同月比で増加に転じており、黒字転換する可能性は高いと弊社では見ている。一方で、上期に大型案件を失注したトライバルメディアハウスについては、今後の受注状況次第で下振れリスクが残る。
なお、NTTデータとの協業プロジェクトについては2019年夏以降、いくつか進んでいる。具体例としては、Salesforceソリューションに関する協業体制を両社合わせて10名程度でチームを構成して、営業活動を行っている。SalesforceではMAからEC、顧客管理、コールセンターまで企業の様々な領域でソリューションを提供しているが、このうち、同社でCXデザインの設計からMA導入、運用支援を行い、NTTデータで顧客管理やコールセンター向けの設計、導入支援を行っていく格好だ。受注窓口はNTTデータとなるため、売上としてはNTTデータ向けとして計上されることになる。顧客側から見れば、Salesforceソリューションを一括して発注できるというメリットがある。
また、レジ支払いのないデジタル店舗導入の1stフェーズとして、実験店舗を活用した体験型ワークショップメニューをNTTデータと共同で開発・提供している。今回の目的はUX/EX(ユーザー体験/従業員体験)がデジタル店舗になってどう変化するかの体験を通して、その有用性や実現性、導入に向けた課題を確認し、今後のアクションを具体化する。同社はUX/EXのデザイン設計を担当しており、今回の実験店舗で蓄積したノウハウを今後の受注活動に生かしていく。
デジタルマーケティングソリューションサービスの拡大により、更なる売上成長とROI向上を目指す
4. 今後の成長戦略
企業のデジタルトランスフォーメーションに対する取り組みが活発化するなかで、デジタルマーケティング支援サービスの需要も拡大していくものと予想される。なかでも、BtoC企業においてはAIとIoTの進化により、消費者と企業との関係が大幅に変化していく可能性があり、成長機会と捉えている。
2015年以降、企業のデジタルマーケティング施策としては、MAツールやDMP(デジタルマネジメントプラットフォーム)の導入により、あらかじめ設定したシナリオによるメール配信が主流であったが、今後は蓄積された顧客データをベースにAIによる行動予測に基づいた新しい提案を、デジタルとリアルが統合されたチャネルで提供していくシステムに進化していくものと予想される。これに対し、同社が持つUXデザイン領域における開発ノウハウとNTTデータの技術力を融合することで、先進的なデジタルマーケティングソリューションを提案し、成長を目指していく戦略となる。
同社はソリューションビジネスを、「デザインする」(あるべき顧客体験を描き変革をけん引する)、「構築」(あるべき顧客体験を実現させる仕組みづくり)、「成長する」(仕組みの活用を支援して、あるべき顧客体験を実現させる)と3つの視点で再定義し、これらをNTTデータで開発するシステム基盤上で実現していくことで、今後は更なる売上成長とROIの向上を目指していく考えだ。当面の課題としては、今後の成長に見合うだけのスキルの高い人材の採用・育成が進むかどうかという点が挙げられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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