ビ花壇 Research Memo(4):低価格戦略により「業界のコストリーダー」としてのポジショニングを確立
[20/03/27]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■会社概要
3. 企業特長
(1) 差別化と価格競争力
ビューティ花壇<3041>の特長は、技術難易度の高いデザイン性による差別化に加え、独自の調達ルートやスケールメリット、業務効率化を通じた価格競争力にある。特に、低価格戦略により「業界のコストリーダー」としてのポジショニングを確立してきたことは、環境変化への対応や今後の事業拡大に向けて大きな強みとなっている。同社は、従来の流通ルートである中間業者や卸売市場、仲卸市場、仲卸・小売業者などの複数の段階を経ずに、国内外の生産者からの直接調達ルートを確保することで、安価でスピーディな仕入れを可能としている。また、コスト削減のための海外調達に積極的に取り組むとともに、全国の相場動向※を把握することにより、その時々の最適な仕入れを通じて価格メリットを享受できる体制も構築している。今後も、生産から加工、販売の統合によるサプライチェーンの構築(事業の六次化を含む)や大量物流の実現によるスケールメリットの追求、フューネラルに特化した少品種大量仕入れの実現、効率的な業務プロセスの確立(物流網の構築や各業務の集約など)により更なる低コスト化にも取り組む。
※同じ規格であっても、それぞれの地域の需給バランスによって価格が異なる。
(2) M&Aによる水平展開
同社は、M&Aを軸とした周辺事業への水平展開により、規模拡大とシナジー創出(大量物流の実現、顧客基盤や人材等の相互活用、一体となったサービス提供など)にも注力している。まだ、十分な成果を発揮できているとは言えないが、逆に今後の伸びしろとして、その進捗状況に注目すべきである。
2007年5月に参入した「ブライダル装花事業」は、「生花祭壇事業」と繁忙期が重ならないため、スタッフや車両、設備などの経営資源をうまく融通し合うことで営業経費の削減を図ることができる。2012年9月から、熊本支店の生花祭壇事業を会社分割し、子会社のOneFlowerへ承継させ、葬儀とブライダルの統合によるシナジー創出に取り組み始めた。将来的には、各支店でも順次、同様の体制へと移行する構想を描いている。
2012年4月に子会社化したソフトウェア開発会社のSHFは、モバイル端末ツール(葬祭カタログに簡易見積りソフトを搭載)に、同社の祭壇や供花を組み込んで、全国の葬儀関連会社への売り込みを図るほか、葬儀関連会社向けに各種業務支援システムを提供しているが、同社と顧客層が重なっていないため、クロスセルによるシナジー効果が期待される。現在のところ十分な成果を生み出しているとは言えないものの、今後に向けては顧客をシステムで囲い込むことができる点で大きな武器となる可能性が高い。
また、2015年6月に連結化した就労継続支援事業を行うキャリアライフサポートは、サプライチェーンの統合を人材面で支える役割を担う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<ST>
3. 企業特長
(1) 差別化と価格競争力
ビューティ花壇<3041>の特長は、技術難易度の高いデザイン性による差別化に加え、独自の調達ルートやスケールメリット、業務効率化を通じた価格競争力にある。特に、低価格戦略により「業界のコストリーダー」としてのポジショニングを確立してきたことは、環境変化への対応や今後の事業拡大に向けて大きな強みとなっている。同社は、従来の流通ルートである中間業者や卸売市場、仲卸市場、仲卸・小売業者などの複数の段階を経ずに、国内外の生産者からの直接調達ルートを確保することで、安価でスピーディな仕入れを可能としている。また、コスト削減のための海外調達に積極的に取り組むとともに、全国の相場動向※を把握することにより、その時々の最適な仕入れを通じて価格メリットを享受できる体制も構築している。今後も、生産から加工、販売の統合によるサプライチェーンの構築(事業の六次化を含む)や大量物流の実現によるスケールメリットの追求、フューネラルに特化した少品種大量仕入れの実現、効率的な業務プロセスの確立(物流網の構築や各業務の集約など)により更なる低コスト化にも取り組む。
※同じ規格であっても、それぞれの地域の需給バランスによって価格が異なる。
(2) M&Aによる水平展開
同社は、M&Aを軸とした周辺事業への水平展開により、規模拡大とシナジー創出(大量物流の実現、顧客基盤や人材等の相互活用、一体となったサービス提供など)にも注力している。まだ、十分な成果を発揮できているとは言えないが、逆に今後の伸びしろとして、その進捗状況に注目すべきである。
2007年5月に参入した「ブライダル装花事業」は、「生花祭壇事業」と繁忙期が重ならないため、スタッフや車両、設備などの経営資源をうまく融通し合うことで営業経費の削減を図ることができる。2012年9月から、熊本支店の生花祭壇事業を会社分割し、子会社のOneFlowerへ承継させ、葬儀とブライダルの統合によるシナジー創出に取り組み始めた。将来的には、各支店でも順次、同様の体制へと移行する構想を描いている。
2012年4月に子会社化したソフトウェア開発会社のSHFは、モバイル端末ツール(葬祭カタログに簡易見積りソフトを搭載)に、同社の祭壇や供花を組み込んで、全国の葬儀関連会社への売り込みを図るほか、葬儀関連会社向けに各種業務支援システムを提供しているが、同社と顧客層が重なっていないため、クロスセルによるシナジー効果が期待される。現在のところ十分な成果を生み出しているとは言えないものの、今後に向けては顧客をシステムで囲い込むことができる点で大きな武器となる可能性が高い。
また、2015年6月に連結化した就労継続支援事業を行うキャリアライフサポートは、サプライチェーンの統合を人材面で支える役割を担う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<ST>