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八洲電機 Research Memo(3):ソリューション・エンジニアリング力を強化、事業規模の拡大と収益力の向上へ

注目トピックス 日本株
■当面の展望・課題・中期経営計画

八洲電機<3153>が力を注いでいるのが、ソリューション・エンジニアリング力の強化だ。単にモノを売る、コーディネートするという商社機能だけではなく、実際に工事を行い、技術力を提供している。それをより明確化するために、2020年4月より、グループ全体の技術基盤の拡充を推進するためのエンジニアリング統括本部、各種プロジェクトを推進しグループ全体の事業体制を拡充するためのグループ事業戦略室、グループ全体の仕入先の最適化及び新規商材の開拓に向けた調達戦略を推進するためのグループ調達本部を新設し、さらなる事業規模の拡大と収益力の向上を図っている。

さらに、2016年に分社化した八洲電子ソリューションズを、2020年4月に立花エレテックに譲渡した。エンジニアリング事業に経営資源を集中させることを明確に示した格好となっている。自社で行うエンジニアリング案件は採算性が高いため、将来的には、より収益力アップが期待されている。

一方、2020年7月30日に中期経営計画(2020〜2022年度)を発表した。そこでは重点施策として、「エンジニアリング会社」としての事業推進、新規商材を創出し事業規模を拡大、M&Aの実施などを掲げている。M&Aについては既存事業の延長線上で考えると言う。

また、エンジニアリング会社としての事業推進をするために、技術者の確保が重要な課題となる。(株)三陽プラント建設を2018年に子会社化し、これによって技術者も同時に確保できた。そうした意味においてM&Aはエンジニアリング会社として重要なファクターになるのは間違いない。


■新型コロナウイルス感染予防に関連する商品

足元では、コロナ禍の影響が工事進捗の遅れなどで出ているものの、一方では感染拡大予防のための商品を投入。これらが実際に第1四半期の段階では収益に寄与しており、今後の展開が注目されている。具体的には、体表面温度測定カメラシステム、抗菌・抗ウイルスコーティング、飛沫感染予防アクリル板、紫外線清浄機、さらには医療機関や介護施設など向けの簡易型陰圧ブースユニットなどで、「withコロナ」が日常化すると言われるなか、これらの商品へのニーズは今後も高まっていきそうだ。


■株主還元・配当金

コロナ禍の影響が見通せないなかで、早々に今期も年間20円配当の継続を決定。会社側ではコロナ禍の影響はあるものの、配当については単年度の収益増減では判断せず、安定的に実施するとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)



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