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ホットリンク Research Memo(1):2021年12月期上期の業績進捗は良好

注目トピックス 日本株
■要約

ホットリンク<3680>はソーシャルメディアデータを活用したデジタルマーケティング支援サービスを主に展開するIT企業である。主要子会社として、大手ソーシャルメディアのデータアクセス権販売を行う米Effyis, Inc.(エフィウス)や、中国市場をターゲットとしたWebプロモーション支援サービス、中国向け越境ECサービスなどを展開する(株)トレンドExpressがある。

1. 業績動向
2021年12月期第2四半期累計の連結業績は売上高で前年同期比38.9%増の2,635百万円と過去最高を更新し、営業利益で77百万円(前年同期は121百万円の損失)、税引前利益で217百万円(同155百万円の損失)、四半期利益で160百万円(同144百万円の損失)と、利益面でも利益創出の状態となった。販売費及び一般管理費は854百万円(前年同期比5.3%増)となった。増加の主な要因は、業容拡大に伴って人件費が増加したことである。ただ、業務委託費の減少や出張の自粛に伴う旅費交通費の減少を背景に、販管費率は前年同期の42.7%から32.4%へと大幅に低下した。先行投資を除いた平準なコストは削減傾向にあり、収益性は明確に向上していると弊社は考える。四半期ベースで見ても、売上高の増加以上に損益面での改善は著しい。2018年12月期第3四半期から2020年12月期第2四半期までは先行投資偏重ということで営業損益は損失計上が続いたものの、2020年12月期第3四半期から継続して利益を計上している。

2. 今後の見通し
2021年12月期の業績見通しについては、売上高で前期比22.4%増の5,366百万円、営業利益で147百万円(前期は25百万円の損失)、税引前利益で224百万円(同84百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益で181百万円(同51百万円の損失)となっている。2021年12月期第2四半期累計の各進捗率を見ると、売上高で49.1%、営業利益で52.7%、当期利益で88.9%となっており、ビジネスモデルの下期偏重という性質を考慮すると非常に進捗は良好で、業績予想の上方修正の発表や通期計画上振れの着地の可能性は高いと弊社は予想する。

3. 中長期の成長戦略
現在SNSを活用したマーケティングの重要性は急速に高まりつつある。マーケティングにおける3つのメディア領域である「オウンドメディア※1」「ペイドメディア※2」「アーンドメディア※3」において、その影響力の大きさからSNS上の口コミ(「アーンドメディア」)を活用したマーケティング手法が注目され始めている。ただ、口コミは自社でコントロールが不可能であるため、いかに最適なユーザーに情報発信してもらい効果的に拡散していくことができるかで、費用対効果も変わってくる。同社はこのSNS上の口コミにおける強みを武器に、上記3メディアの領域においてSNSを軸とした統合マーケティングサービスを提供する。また、同社はビッグデータの「情報収集」「分析」「活用(マーケティング)」という3ステップにおいて、それぞれ売上が「積み上げ型」「単発型」に分かれるサービスを展開している。これは顧客企業から見れば、情報収集からマーケティングに至るまでの一連の流れのなかで、フェーズごとに直面する課題を同社のサービスによって随時解決できるということである。その点で、同社のサービス全般はマーケティングにおける「ひとつのプラットフォーム」として顧客の事業基盤の一部となる。「SNSを軸とした統合マーケティングサービス」「プラットフォームサービス」という特徴を生かすことで同社の業界内のプレゼンスは大きくなっており、従来アプローチが困難であった大手企業からの受注も今後増加してくると弊社は予想する。

※1 オウンドメディアとは、自社が所有・運営するメディアのこと。デジタルマーケティングにおいては自社Webサイト・自社のSNSアカウントなどが挙げられる。
※2 ペイドメディアとは、広告費用を払って露出できる他社が所有するメディアのこと。デジタルマーケティングにおいては、検索エンジン広告・SNS広告・ニュースサイトなどが挙げられる。
※3 アーンドメディアとは、自社でコントロールできない、消費者が発信するメディアのこと。デジタルマーケティングにおいては、消費者のブログ・SNSなどが挙げられる。


■Key Points
・2021年12月期第2四半期累計は売上高過去最高を更新し、各損益も黒字転換
・進捗良好で通期予想の上方修正または計画上振れ着地の可能性が高い
・統合マーケティング及びプラットフォーム型サービスにより成長市場の競争で優位に

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)




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